海上自衛隊 すがしま型掃海艇は船体が木製?
自衛隊の艦船には武器が装備されている、というのが一般的な認識であろうが、掃海艇は戦闘行動を目的とした船ではないため武装はかなり少ない。
たとえば、すがしま型掃海艇が一つだけ装備しているのが20mm機関砲であるが、これも機雷を処分する際に使用するのが主目的であり、武器としてはあくまで自衛用として使用する程度の位置づけ。
(JM61-M 20mm多銃身機銃、いわゆるバルカン砲)
以前の記事では海上自衛隊の掃海艦艇全般を紹介していたが、この記事では「すがしま型掃海艇」に絞って詳細を書いていきます。
以前の記事で説明した艦種(艦級)の中でも、すがしま型掃海艇は同型艦が12隻となっており、最も多く就役している船である。日本各地の基地に配備されているため、広報イベントなどで公開されて見学できる機会も多い。
(同型艦の「ししじま」、「つのしま」が並んで係留される様子)
船の後部の甲板には、掃海作業に使われる装備品が置かれている。黄色いのは遠隔操作で水中を進んで機雷処分を行うことができる無人潜水機。ほかにも白いフロートやクレーン類が見えるが、これらも掃海用に使用するためのものである。
(掃海艇なおしま)
上記のように、通常は器具類を用いて掃海作業を行うので、機雷からある程度の距離を置いているが、状況によっては乗組員が潜水して嫌いの近くまで行って作業を行うことがある。
(写真のような発動機付きゴムボートが搭載されている)
(潜水用のスーツ)
さて、すがしま型掃海艇の技術的な特徴としてよく知られていることとして「船体が木製」だというのがある。
これは、鋼鉄製の船の船体が磁気を帯びることを利用した「磁気機雷」(船の磁気に反応して爆発する機雷)を回避するための必要があって選ばれた材質である。ただ、以後の掃海艇では木材でなく強化プラスチック (FRP)を船体に使用したものに代わってきている。
(木製の掃海艇の船体の側面や甲板を近くから観察すると、実際に木材の継ぎ目などが見える)
(水上を移動する「ししじま」)