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さよなら豊岡、そして姫路・高砂へ(最終日)
旅行4日目である。この日は、いよいよ豊岡を去り兵庫県を縦に割くように南下しながら姫路へと向かう予定だ。そして、夜にはさらに姫路から東に移動して高砂を目指す予定である。
豊岡演劇祭はまだまだこれからであり、むしろ魅力的なプログラムが盛りだくさんな状況ではあったが、残念ながら筆者も時間とお金に限界がある。
更に好奇心もまだまだ旺盛のため、せっかく遠出したのだからより多くの物事を見てみたいという欲求も湧き上がっている。そのために、豊岡はこれでいったん終わりにし(城崎温泉はまた訪れたい!)、姫路の方へ向かう判断を下した。
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とはいえ、すぐに離れるのも味気ない。
まさに、せっかく遠出したのだから、その地方の色はないかと散策してみようではないか。兵庫でも、神戸や姫路とはまた違う風景が豊岡にはあるはず。とくに、地方のロードサイドというやつをね。
地方の車社会民にとっては何気ない風景かもしれないが、関東の人間からするとやはり駅前よりもロードサイドの方に店が集約しているさまは特徴的に見えてならない。ユニクロなどは大抵駅前か駅すぐ近くの大型商業施設にある者だと思えるのだが、駅から離れたところに独立して構えているところはさすがに車社会だなと実感する。
あと、どこも駐車場が広い。
まあ、筆者の住む横須賀でも、相模湾側はそのような雰囲気がなくもない土地ではあるが。とはいえ、こういう地域の光景の違いを観察するのも、旅の醍醐味として一つ加えるのも面白いのではないだろうか。
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(姫路でないんかい!)
豊岡から姫路まではまさに兵庫県を縦断する。養父市や朝来市(あさごし)などを通り、山間部を南下していく。兵庫の地域でいうなら、但馬(豊岡・養父・朝来は但馬エリア)から播磨への移動だ。日本海と山間に囲まれた豊かな自然エリアから、一気に都市と歴史の街への移動である。その様子の変化を楽しむのもまた、旅の醍醐味といえよう。
JRの山陰線福知山行きから、和田山で播但線に乗り換え、更には寺前で同じ播但線の姫路行きに乗り換える。その行程は、2時間半強。ここでも長旅だ。
見えてくる車窓はだいたい変わり映えがない。
山と川と畑である。本当に兵庫の中央部分が山間だというのを実感できる列車の旅だ。
あまりにも変わり映えがないと飽きてしまうかも知れないが、要所要所の乗り換えがむしろめんどくささではなく旅のアクセントになり飽きもせずにいられた。
また、地方都市に住んでいる人には何でもない景観でも、普段都市部の景観を見ている身にはすべてが新鮮に映るものだ。車窓から山や川などの自然が続く光景は新鮮でならない。光景を見ながら、そこに住む人の暮らしを想像するのもまた面白いものだった。
13時過ぎには姫路に到着。
早速コインロッカーに荷物を預け、とりあえず昼食をいただく。
手早く駅に付随していたおみやげとフードコートがあるエリアで加古川名物カツめしをいただいた。姫路にきていきなりが加古川なのはご寛恕いただきたい。
さて、姫路にたどり着いたということは……
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直線道路の先に見えるのは……
駅から出ると幅広でまっすぐな道が続いているが、その先に何か見える……。
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そう! 世界遺産にも登録されている『姫路城』だ!
姫路城は1333年、赤松則村(円心)が姫山の地に初めて砦を築いて以降、羽柴秀吉、池田輝政、本多忠政らが城に夢を託して拡張し、1617年に現在の全容が整いました。
青空に映えるその姿は、水から飛び立つ白鷺に例えられ、別名「白鷺城」とも呼ばれ親しまれています。
また、「その美的完成度が我が国の木造建築の最高の位置にあり、世界的にも他に類のない優れたものであること。」
「17世紀初頭の城郭建築の最盛期に、天守群を中心に、櫓、門、土塀等の建造物や石垣、堀などの土木建築物が良好に保存され、防御に工夫した日本独自の城郭の構造を最もよく示した城であること。」などが評価され、1993年に日本で初めての世界文化遺産に登録されました。
平成27年には大天守保存修理を終え、姫路城の特徴である白漆喰総塗籠の輝くように真っ白な姿をどうぞご覧ください。
https://www.himeji-kanko.jp/spot/3/
まさに世界遺産、威風堂々とした風格が遠くからでも実感できた。
山城を覗く本格的な城を見るのは彦根・大阪に続き3つ目であるが、毎度圧倒されてしまう。
そして、何より城に向かう面白さは、すぐにたどり着けず徐々に近づいているさまが味わえるところだ。
どこの城も、当然まっすぐに建物へ続く道はない。そんな造りでは城とは言えない(とはいえ、当時の造りならばもっと複雑で入り組んでいたのだろう)。しかしながら、その複雑性にこそ城であるところのアイデンティティの一部を実感し、そのもどかしさもまたいとおしく感じなければならない。
まあ、この日は土曜日でもあり、外国人観光客もすっかりと戻っていた状態なのでものすごい人というのは正直うんざりするものがあったが。
さらに追い打ちをかけるように、9月半ばだというのに真夏の猛暑が観光客を容赦なく襲っていた状況。これはさすがに耐えきれないものがあった。城内を観光している際にも、あまりにも暑いために途中リタイアが頭を何度もちらついたくらいだ。実際、暑さと城内の待機列に耐えかねて途中リタイアしている人を何人も見かけた。ここでも、城崎温泉と同じく訪れる時期を考えていたほうがいいのだろう。今後、姫路城を訪れる人は、夏場(特に休日)を避けるか、充分な水分を確保して覚悟の上で入城することが望まれる。
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件の通りで、この日は休日でもありすごい人。城内も規制が入るほどでスムーズには見学できない。また、城ならではで階段が非常に狭く急でそれが流れを妨げる。
そこに加えての猛烈な暑さ。
窓から吹き込む風が唯一の癒しだった。
正直な話で、城内を満足いくまでに堪能できたかと問われると答えに窮する。平日、穏やかな気候の中で再度訪れてみたいものだ。
(真夏日の休日に、城内の取材を入れたどこかのメディアは恨むしかない。彼らのおかげで待機時間が余計に長引いた)
残念ながら、姫路を見るのは姫路城のみで終わり。街の雰囲気を観察するための時間もほとんどなく終わる。
城から駅までの道のりで、途中の商店街を少し覗いた程度。しかも、土曜の影響からかやっていない店も多く普段の雰囲気ではなかっただろう。
駅すぐの少し怪しい路地の雰囲気はもう少し味わってみたかったが。
・姫路から高砂へ
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颯爽と姫路を去ったのには訳がある。
当然時間があるなら姫路城だけでなく、他の魅力的な場所を求めて市内をめぐり、またその土地の特色をじっくりと観察してみたかった。なにせ、次に訪れられるのがいつになるのかわからないからだ。
しかしながら、時間と予算には限りがある。
そして、筆者には向かわなければならない場所があるのだ。
高砂駅付近に着くと、荷物を回収し今度はJRではなく山陽電鉄の駅へと向かった。
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地元の準大手私鉄に乗るのも旅の醍醐味だ。なんだか地元の人になった気分になる。
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エバーホテル??
ということで、高砂に着いた。姫路からは電車で20分弱程度である。
とりあえず、荷物を置きに、今夜の寝床である駅近のホテルへ移動した。
今回のホテル、何がいいって、ホテル内に大浴場があるところ。
城崎では暑さのあまりに一つしか温泉に入れなかったが、やはり大浴場にはつかりたい。高砂での用を済ませたら入る決意をする。
高砂の用とはいえ、ホテル到着時は既に17時半をまわっていた。
これから観光というわけではない。
9月16日(土)は、夜から高砂で特別なイベントがあったのだ。
それがたかさご万灯祭である。
たかさご万灯祭りは、高砂駅南側エリア全体をキャンドルの明かりで灯す1年に一度(二日間)のお祭りである。
路上のいたるところにキャンドルが置かれ、また建物やヨットハーバーなど各所もライトアップされている。ライトアップ以外にもジャズの音楽で彩り、街のいたるところに出店も見られた。
町全体が非常に幻想的で光のマジックに酔いしれられる空間になるのである。
筆者は、これを目的の一つとして高砂を訪れる決意をした。
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街のいたるところがほのかな明かりで包まれていて本当に幻想的だった。
残念ながら、筆者はもう一つの目的地を目指していたのでジャズ会場は訪れられなかったのだが、きっとジャズもまたこの空間にマッチしていたに違いない。
では、もう一つの目的地とは何だったのか?
それが、祭り会場の一つである高砂神社目の前にある酒場であった。
そう、あの勇者ハマーダが経営する酒場だ!
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メニューまでファンタジー世界だ!
筆者は、前々から勇者ハマーダの存在は知っていたし、デザインフェスタなどで実際に見かけたこともあったし、グッズだって持っていた。彼がリアルな世界に作り出すファンタジーの世界観にはときめきすら感じていた。
それだけに、彼の活動は注目していたし、この酒場だってどこかチャンスがあればとずっと考えていた。
高砂という土地がなかなか行く機会が得られにくいと思えていたのだが、とうとうそのチャンスが訪れたのだ。
兵庫県の反対側とはいえ、同じ県内。そして、何よりもこの日はこの幻想的なお祭りの日。行きたいと思わせる要素が偶然にも重なった。ならばこの機会を逃すわけにはいかない。
というわけで、東のヨコスカという土地から遠路はるばる赴いたのである。
しかも、この万灯祭という街全体が幻想的な空間で彩られた中でだ。最高のタイミングではないか。
辿り着けば、店頭にはハマーダが早速見えた。しかしながら、彼はお祭りのお客さんで対応に忙しそうだ。
とりあえず、先に店内へと進むことにする。店内は写真の通りでまさにRPGゲームや異世界転生作品に出てしそうなその雰囲気で包まれてある。壁には巨大な剣や斧がかけられて、リアルに(ファンタジーの世界観にリアルという言葉を使うのもなんだが)クエストボードまでもがある。しっかりと世界観が作り込まれていて感心しかない。
しこも、料理までもがファンタジーの世界を知る者ならば多くが憧れるあの『骨付き肉』だ!
ここまでくれば、まさに東の国から旅してきた冒険者である。
しかも、そんな異国の地から訪れた旅人を常連客の皆は気さくに温かく迎えてくれた。初めての客なのに!まるで冒険者仲間のように迎え談笑に交えてくれた。
酒もすすむ。
気をよくした筆者は、更にやりたかった試みを思い切って実行してみた。
それが、『悪霊召喚』である。
ハマーダに隙ができたところを見計らって試みた。
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右が悪霊リウェラ
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筆者の呼びかけに応えてくれて、悪霊が高砂の地に召喚された!
酒場の斧を掲げ、祭りに酔いしれる者たちを一転して恐怖と絶望の世界へと引き込もうとする。
なんてことはなく、少し店の前の子供達を脅かしたものの、あとはハマーダと記念撮影をしただけ。
しかし、筆者の念願は成就され、悪霊は姿を消していった。
こうして、楽しげな高砂の一夜は過ぎていった。
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さて、ホテルに帰ってきたら……そう、大浴場である。
温泉のリベンジも兼ねて、一風呂浴びよう。
幸運なことに、浴場に入ると先客がちょうど上がったところ。その人以外は他に人はいなかった。つまり、大浴場を貸切状態。旅の疲れも取れる。あまりに気持ちよくて、湯船で大胆に浮かんでいた。
しかも、湯船から上がったらちょうど入れ替わりで新たな客が。この人もきっと貸切の湯船を堪能したのだろう。
風呂上がりにはもちろんコーヒー牛乳。
こうして、高砂の夜を最後までしっかりと堪能した。
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翌日、高砂から再度姫路に戻り、東京へと向かう。
こうして、高岡ー姫路ー高砂の兵庫県縦断の旅は終わった。
ということで、ここで豊岡・城崎温泉から姫路・高砂の旅行記はここまで。
久しぶりの旅でしたが、色々な人に出会い、色々な場を見れ、本当に楽しい旅でした。
やはり、旅というのは新鮮な光景にいくらでも出会えて、それが非常に刺激的で終始興奮でき楽しい限りである。
前の旅から何年も開いてしまったが、次の旅先はどうにか間が開かずに出向きたいものだ。なにせ、まだまだ訪れたことのない魅力的な地はいくらでもある。
死ぬまでにできる限り訪れたいものである。
旅は刺激であり、快楽そのものだ。
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