着ぐるみカフェ 強炭酸ソーダーで割りたくなるほどに濃くてあまい空間だ
3月の終わりに、着ぐるみマスク作家ひょっかめさんのマスコット『おしるこちゃん』が1日勤めたカフェに訪れた。
そのレポートは下記の記事にまとめたので確認していただきたい。
さて、緊急事態宣言も明け、徐々にだが街に活気が戻りつつある中、イベントも小規模なものは少しずつ再開し始めている。
そんな中で、またもひょっかめ作のキャラたちが1日カフェを開くと聞き、筆者は再び浅草橋はうそのたばこ店へと向かったのである。
本日のお勤めは、ラプトルちゃん(ピンクの方)と蒼空ちゃん(青い方)のユニット『そらっぷ』たちだった。
見ての通りにファンシーな色合いにキキ&ララのキュートな衣装で揃えた小柄な2人が、ひょっかめファンの注文にかわいい仕草を入れながら応えていた。
ピンクの髪がラプトル
青い髪の方が蒼空(そら)
店内は、ひょっかめのコアなファンが集結。
筆者だけではなく、多くの人たちがそらっぷの2人にカメラを向けていた。
筆者は、アイドルイベントなど、大昔にオムパズという3人組を見にお台場まで行ったくらいでなので全くその世界を知らないが、気分はまさに今時の会えるアイドルを前にした時のようなそれだったのだろう。
変な緊張感もなく、お互いにフレンドリーに交流できる。
いや、ここまで積極的でフレンドリーに交流しているとアイドル以上なのかも。
せっかくなので、写真を多めに掲載。
チェキにメッセージを書いている。
そう、スペシャルドリンクメニューを頼んだお客さんには、2人のうちどちらかとチェキを撮れた。
(二種類オーダーすれば、2人とも撮れた)
そこで、筆者も試しにスペシャルドリンクをオーダー。
蒼空のしゅわしゅわブルースカイ
昔懐かしいドンパッチが入っているのか、グラスの中からは終始パチパチとはじける音がする不思議な飲み物。
スペシャルドリンクを頼んだので、筆者はもちろんチェキにチャレンジ。
初体験である。
情報量たっぷりのチェキを公開!
更に、ハイボールを頼むと、蒼空ちゃん自らが注いでくれた。
至れり尽くせりの空間であり、筆者もすっかりと堪能してしまった。
さて、そんな空間であったが、他にも観察をしていて色々面白い気づきに出会えた。
前回と違い、今回は男性だらけの客層であった。
前回も来ていた人が半分以上を占め、強固なひょっかめファンがいることが窺える。
また、こういう特別な空間に集う人たちなだけにどういう人が来るのかなと怪訝する人もいるかもしれないが、意外とフレンドリーな人たちである。
いや、フレンドリー過ぎない? と思えるくらいに気さくである。
初めて会う人たちでも、何故かお互いに探りあいの空気なく陽気に話し始める。
以前、別のイベントでそこに出演していたアイドルのファンらしき人に交流会で話しかけたら、ものすごく壁を作られて戸惑った経験があるだけに、このフレンドリーさはむしろ楽でいい。
また、中には男性ながら美少女着ぐるみオーナーの方も。
見た目は当然ではあるが突飛さはなく、聞かなければ全く特別な趣味がある人には見えないだけに驚きがあったのは正直な気持ちだ。
上記チェキに写る筆者の方が断然アブノーマル人間である。
やはり、普段の行動には現れない裡に秘めた何かを引き出すツールとしての着ぐるみという意味があるのだろうか。
また、一番面白い事件は、たまたまトイレを借りるために通りかかったお兄さんがそのままお客さんになってしまったことだろう。
聞けば、きぐるみの世界は全く知らなかったらしい。
本当に偶然が招いた出来事であり、お兄さんは違和感なく他のコアなファンと話していた。既存マニアの方々も、その人を放置するわけでなく、きっちり丁寧に状況を説明しながら通りすがりでも楽しませるように仕向けていたのも印象的。時折、界隈によっては初心者を放置しがちで入りにくい空気を作ってしまうが、そういう感じはなかった。
こういうことが成り立ってしまう空間にも驚きを隠せない。
マニアックな趣味だからこそ、そこで作られる空気感はより濃く、また親密になっていくのかもしれない。
分かり合える存在を、お互いに大切にしている証だからだろう。
濃い存在が作り上げる空間は、無造作に集まった集団よりもずっと強い。
そういう世界をそれぞれに見つけ出さないと。