botter記(22-05-20) 素数を数えるんだ
今月は酷いマイナスになりそうです。-S級の損失となってしまうでしょう。さすがに凹みましたが、進んでいる方向は正しいと信じてさらなる研鑽を積んでいくより他ありません。
無言で以下のUKIさんの記事を貼り付けさせて頂きたいと思います…
実は今回の損失の大きな割合を占めたのはトレード由来ではなくLUNA/USTの崩壊を起点とした、あるプロジェクトの破綻です。本稿ではこの部分に焦点を当てており、直接ボットがどうこうという話ではなく自戒です。
まだ確定していないことが多々あるため、詳細は意図的に避けていますが、プロトコルに詳しい方はどこの話かわかるかと思います。運営は段階的に補償する旨を通達してくれていますし日夜働いてくださっているようですが、復活の困難さを鑑みるに、残念ながら投入資金はほぼ全損という感覚でいます。
事の次第
簡単に何が起こったのかを説明します。今回のLUNA/UST騒動は二段階で起こったことを覚えておられるでしょうか。一度目の下落時で既に相当落ちたものの、いったん上昇しましたね。その一度目の下落時のこと、そのサービスと外部とで大きな乖離を見つけた私は、まとまった額を投入して、それなりの鞘を取ることに成功しました。
そこで二度目の下落が発生したときはさらに入金してロットを積み、意気揚々と鞘を取りにいったわけです。しかしそこでなぜかプロジェクトは突然の停止。その後、運営から資金の流出が発表されました。そして全ポジションが強制決済されることとなりました。
その結果、取れるはずだった鞘は更に乖離が進んだ状態で損切りせざるを得なくなり、なおかつ入金した資産はおそらく戻ってこないという二重苦により、入金額以上の損害を被ったという次第です。ぐにゃあ。
反省点
失ったものは(おそらく)戻ってこないので、反省点を振り返りたいと思います。
一つ目
単純に危機感の不足です。以前からLUNA/UST含めたアルゴステーブルの危険性については意識していました。実は今回もペグが外れそうであることは投資仲間からの助言のおかげで、比較的早い段階で認識していました。
そこでいくらかの手を打ち、他の取引所ではボットが扱っていたLUNAもだいたい切っておきました。また、自分が裁量上手というわけでもないことは承知しているので、直接LUNA/USTを触るのは控えることにしました。そこまでは良かったのですが、私が想像するよりも遥かに大きな波及効果があり、危機感が足りず結果的に運用資産の一部を失ってしまいました。
このような大きなイベントが予測される際には、防御力をもう一段高めておく必要がありました。たとえばレンディングサービスに入れていた資金も、今回はたまたま無事だっただけで、全て取り出す必要があったと思います。プールに巨大な歪みが発生する場合、こういった運用のリスクは想像以上に跳ね上がるのでしょう。
さらに言えば、それの周囲に以前から検討していたボットを仕掛けておくところまで手を回しておくべきでした。正負両方の面から見積もりが非常に甘かったと言わざるを得ません。
二つ目
資産の分散化についてです。普段から意識はしていたのですが、短期的にかなり偏ってしまっていました。今になって思うと当初の予定の倍以上投入していたので、はっきり言って我ながらかなりの愚策でした。期待値は高いだろうと言い聞かせて、安易な手を打ってしまったのです。
私は自分なりにプロジェクトのリスクなどを勘案して投入金額を決めています。あるリスクの見積もりは甘いかもしれませんし、厳しすぎることもあるかもしれませんが、今回の問題は先に決めておいたルールを軽視していたことです。時間をかけて検討したルールを遵守しないのなら、かけた時間さえも純粋なコストでしかありません。上述の一つ目の問題は能力の問題ですが、こちらは自制心の問題ですので、明日からでも改善できるはずです。強く生きよう。
反省を踏まえて
元々こういう事態に陥ったときのために切り離してあった運用資産があり、今後も全体としての方針は変わりません。まずは今年と来年生き残り、どこかのタイミングで現物に換えて勝負するというラインを大枠としていますので、その時を見据えてまた地道にやっていこうと思います。
今回の暴落で見えたものから新しい案も出てきたので、さらに手数を増やすべく開発を進めていきます。
高い勉強代でしたが、ある意味では貴重な体験です。相場の落ち込みもあって昨年のような収益は上げづらいと思いますので、この損失をすぐに取り返したい、という強い感情は自身を鈍らせると思います。botterという生業の性質上、貧すれば鈍する、鈍すれば貧するでしょう。真の資産は知識と技術であり、それらの扱いを間違えれば退場が近づきます。大きな一度の勝利に賭けるよりも、小さな勝利を積み重ね、長い戦いの中でこんなこともあったね、といつか振り返れる日が来ることを願い、今日も刃を研ぎ続けることとします。
それではJMLさんのツイートに添える形で、最後に一言残して、本稿の筆を置きたいと思います。
おれは人間をやめるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!