忍び生きる
近くから声が聞こえる。
人の声である。
と言ってもホラー的な何かではない。
隣人が見ているアニメの声。
おそらく花江さんの声であり、隣人が見ているのは『鬼滅の刃』だろう。
夏の午前中という、エアコンを付けるか悩む時間帯。
「1日中付けてるよ」という人もいるのだろうが、僕の小さい頃はエアコンを付ける習慣が無かったので今でも午前中はエアコンを付けずに過ごしている。
隣人もそうなのだろう。
網戸にしてアニメを鑑賞している。
だから炭治郎の声が聞こえるのだ。
とは言っても大きすぎる。
微かに聞こえるとかではなく、がっつりセリフが聞こえてくる。
このセリフは刀鍛冶の里編だろ?
『鬼滅の刃』は追っているけど、刀鍛冶編はまだ見ていない。
だけどマンガを持ってるのでシーンはわかる。
もうすぐ乳が来る。
そんなことがわかるくらいセリフがはっきり聞こえる音量。
僕は『鬼滅だ』ってわかったからいいけど、アニメを見ない人、『鬼滅』が嫌いな人も世の中にはたくさんいる。
それがもし近所にいたら?
これは「近所迷惑」というやつだろう。
この人はそういうところがある。
以前もベランダに大量の風鈴を下げていて、リンリンと音を鳴らしていた。
風がさわやかな時は風情があっていい。
しかし風が強い日は鈴の音が騒がしい。
風鈴ってガラスとか陶磁器みたいな「焼き物」の音が美しいだろ?
でも隣人が付けたのは金属の風鈴。
それで強風が吹こうものなら、金属音が近所に鳴り響く。
工事の音って感じかな。
工事なら「仕方無いか」と思うけど、正直金属音って聞き心地は良くない。
それは近所の人も感じていたようで、誰かがクレームを入れたのだろう。
いつの間にか鳴り止んでいた。
という感じの割とお騒がせな人がいる。
この人に言いたいのは「忍」の字を学ぶこと。
「忍ぶ」には「隠す」や「我慢する」という意味がある。
プライバシーやら個人情報が保護される昨今には適任な漢字。
自分の生活を忍ぶこと。
古い言葉に「忍ぶは身の宝なり」というのがある。
自分の存在感、生活感を隠し、世に溶け込んで忍ぶこと。
これを覚えた方がいい。
なんてことを思った。
しかし、こんな個人的なことをnoteのネタにしている僕が言っても説得力が無い。
ただ、「知られていない」は結構いい武器だと思う。
これからいかようにも動ける。
まぁ、こそこそしてるのも逆に怪しいから、普通にしとけってことよね。
近所から『鬼滅の刃』が聞こえたから「もっと忍んだ方がよくね?」と思ったってnoteでした。
以上!くろだでした。
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