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久しぶりに読んだ世界史の教科書に書いてあったのは

高校の時に最も好きだった科目は世界史でした。授業中には数千年前から人類が紡いできた様々なストーリーに聞き惚れていたものです。もちろん古代から現代に至るまでという縦串の理解も楽しいのですが、同時代に世界の各地域で何が起こっていたのかという横串の視点は日本史にはない魅力で心惹かれたのを今でもよく覚えています。

ふとそんなことを思い出し、職場からの帰りがけに書店に寄り、山川出版社の『詳説世界史研究』を衝動買いしてしまいました。その前書きには普段からよく目にするある単語が。。。

それは「SDGs」。同書は「世界の今とこれからを考えるための世界史」という段落で、「貧困と不平等は人類史を貫くテーマ」として古来の思想家が論じてきたテーマであると述べています。貧困と不平等はそれぞれSDGsの目標1と目標10として取り上げられています。SDGsが国連で採択されたのは2015年ですが、問題自体は昔から存在し、知識層を中心に論じられてきたということです。他にも気候変動やジェンダー平等についても同段落で言及されています。

一方、2018年の中頃には企業や団体がSDGsに言及しているものの実態を伴わない「SDGsウォッシュ」という単語が生まれ、上辺だけのSDGs準拠が問題として認識され始めました。

SDGsの目標は2015年に突然生まれたのではなく、そのはるか以前から存在する問題として認識することが、実効性のある取組を展開するための第一歩なのかもしれません。そのためには今一度世界史の教科書に目を通してみるのも一考に値すると思います。


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