複数ポイントで楽しめる東工大キャンパス
「東京富士見坂」にも選ばれた場所
穴守橋と同じ大田区なのですが、ほぼ端っこと端っこ。しかもここも境界エリアで目黒区の場所もあります。最寄駅が大岡山駅である東工大ですが、キャンパスは大田区と目黒区にまたがっているのです。ここはキャンパス内のあちこちから富士が見えます。さらに近辺にも富士見ポイントが並んでいるのですが、これは呑川が作る谷に面した崖上が、好富士見ポイントになっているからです。
まずは駅を降りて、駅前広場直結のキャンパス出入り口に向かいます。一応大学構内入口にはゲートのようなものがありますが、近所の住民はお構いなしに出入りし、咎める人もいません。構内には「授業があるので子供は静かに」なんて表示もあります。キャンパス内が住民の憩いの場、遊び場なのですね。おおらかでいいです。最近うるさいところが多いので。
さて駅前広場側のゲートを入って奥に進むと、東急線の線路を跨ぐ歩道橋があります。ここが本日まず紹介する富士見ポイントです。橋の西側に「関東の富士見百選 東京富士見坂」というプレートが設置されています。これは以前にも出てきた富士山がよく見えるポイントを選んだものですが、この「東京富士見坂」は一つのポイントを決めるわけではなく、東京の各地にある富士見ポイントをまとめてこのように読んでいます。
しかし残念ながらこのプレートの前に立っても富士山はよく見えません。少し見えるには見えるのですが、遠くのビルで欠けて見えるのです。よく見えるのは線路側に戻った真ん中あたりです。
線路の真上に見えるのは幡ヶ谷の京王線と似ていますが、ここはかなり線路を見下ろす感じなのと、大井町線と目黒線の電車がせわしなく交錯するので、また眺めた感じが違います。富士山は東工大の黒くて大きい大岡山北3号館の左、大岡山の隣の奥沢駅前の高層マンションの右という谷間に見えています。富士自体はほぼ全てが見えますが、残念ながらアップで撮影すると高圧線が富士にかかっているのが玉に瑕です。
さて橋を渡ってキャンパスの南部分に入り、本館の西側を進むと富士山が見え隠れします。そして最高の富士見ポイントがほぼキャンパスの一番奥、大岡山南5号館の西側にあります。この建物の下には「ロボットコンテスト発祥の地」という碑があり、そこと道路を挟んだ反対の崖ぎわのスペースです。
これまでの「谷間」とか「隙間」ではなく、堂々たる富士とその露払いの丹沢山系が街の上に浮かんでいます。高層ビルがほとんどないので、実に清々しい景色です。23区内も大田区や世田谷区になると、このような富士が見えるようになります。