敵は意外と身近にいる。を身をもって経験した話。
今回は、1つ前の記事に書いた先輩からのカミングアウトについて書いていこうと思う。
まず、先輩と私はプライベートでご飯に行くくらい仲がいい。そして、先輩は私の面倒をよく見てくれた。どんなときも一緒に戦ってくれて、正直合わないなぁと思う部分も確かに多かったけれど、それでも私は先輩を尊敬をしていた。
そしてその先輩が5月に退職することを発表した時、私は寂しさと悲しさ、そして少しだけ喜びという感情を抱いた。
喜びの理由は沢山あるけれど、まず先輩のことを非常識だと思っていた部分が多々あった。特にここ数ヶ月は、それをとてもストレスに感じていた。プライベートではこれからも仲良くしていきたいと思えるほどとても良い人だった。けれど仕事になると非常識だと感じる行動がとても多く、それがここ数ヶ月目に付いていた。
故に、先輩とプライベートのみの関係になれることが嬉しかった。先輩は退職が決まったあとも、アオイちゃんを残して新しい会社に行くのがとても辛い。鞄に詰めて持ってきたい!なんて言ってくれて、本当に嬉しかったし、残り少ない一緒に仕事をする時間を大切にしようと思えた。
けれど、先輩からの突然のカミングアウトが、私の気持ちを全て崩した。
私は絶賛転職活動中だが、少しだけ転職を思い悩んでいる理由があった。それは、新しく入った経験も知識も豊富な中途社員の方ともう少し一緒に働きたいと思っていること。その人ともう少し一緒に仕事をして知識を盗みたいと思っていた。故に、転職活動はのんびり、ストレスにならない程度に焦らずやろう。と決めていた。そして、そのことを先輩にも伝えていた。
それなのに、先輩は次の職場にその中途社員の人をヘッドハンティングする話を進めていたのだ。
「アオイちゃん、わたし○○(中途社員)さんを次の職場に連れていきたいと思うの!この会社に居るのは勿体ないし、私は○○さんと一緒に仕事をしたい!」
目が点なるとはこのことだと思った。
何を言っているのだこの人は。と本気で思った。
これはあとからその中途社員の方から聞いた話だが、この行動に対して先輩は「アオイちゃんを裏切ることになるかな?!そんなつもりは全然ないんだよ?!これは本当なの!でも、○○さんを連れてきたいのよ!」と言っていたそうだ。
仲のいい先輩だったから、そんな行動をされて悲しい。という気持ちよりも、怒りと恨みがフツフツと込み上げてきた。
「非常識極まりない。」
「大人って汚い。」
「信頼していたのに最低だ。」
「自己中心的過ぎる。」
そんな暴言が喉のすぐそこまで出かけていた。けれど、もしかすると先輩の行動は私以外から見たらそんなに悪いことでは無いのかもしれない。と言い聞かせて、その日はなんとか怒りを沈めた。
しかしカミングアウトの次の日、私は大人げなく先輩に冷たい態度で接してしまった。
大人げないのは私だな。と思いながらも、どうしても私には先輩の行動が理解出来なかった。
カミングアウトから数日。
私と先輩は、カミングアウト前と何一つ変わらない関係でいる。冷たい態度もとっていない。
けれど、ただ1つ変わったことがある。
それは、先輩の退職日が1秒でも早く来ることを願っている自分がいる。ということ。
それだけ。
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place:東京有明
shop:無印良品
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