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【ヒッチハイク録】#2 本土縦断2日目

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2024/8/2

スタート:道の駅 あさひかわ

目が覚めたのは午前8時頃であった。うつぶせで長時間寝ていたのでさすがに腰が痛かったし、完全には疲れが取れていなかった。

僕のヒーローアカデミアを読みながら朝食をとり、9時に快活クラブを出た。そして40分ほど歩いて昨日降ろしてもらった道の駅あさひかわに到着した。

スケッチブックを掲げる前に昨日事件があったトイレをのぞいてみたところ、匂いもブツも綺麗になくなっていた。清掃員さんには頭が上がらない。

確認が終わった後、札幌と掲げて道の駅の建物の入り口前で立ち始めた。

道の駅による人はまあまあいた。またその中に昨日宗谷岬で断られて音威子府で見かけた家族を発見した。ダメもとで声をかけてみたが、車に空きがないとのことでちゃんとダメだった。

30分ほど経過したところで家族連れのお父さんが近づいてきた。


「方面が違うから乗せてあげれないんだけど、良ければこれどうぞ。」


そう言って道の駅で売られていたパンを一つ渡してくれた。

できたて

人の優しさを感じながらパンをもぐもぐした。パンを食べ終わり、さらに20分ほど立っていると私の目の前でベンツが止まった。そして車内からイケてるおじさん(以降Aさん)が声をかけてきた。私はすぐに反応して後部座席に荷物を置かせてもらい、助手席に座った。

Aさんは今から札幌まで行くつもりで、たまたま寄った道の駅にヒッチハイカーがいて面白そうだからということで乗せてくれたらしい。

どこまで行きたいかと聞かれてグーグルマップでヒッチハイクに向いてそうな場所を調べた。札幌によさそうなところがなかったので、札幌から東に30kmほど離れた恵庭の道の駅に降ろしていただけないかと言うと快く了承してくれた。

Aさんは車中泊をしながら愛犬と一緒に北海道を一周している途中だとのことだった。愛犬はかなり人懐っこく、乗ってから降りるまでずっと私の足の上でお利口にしていた。

10歳のトイプードル

Aさんは石川県出身で昔は社長をしていたが、今は引退して好きなことをしながらのんびり暮らしているという。

社長時代の話を聞くのはとても面白かった。どうやって成功したか、最盛期はどんな感じだったのか、そこから何が起きてどうなったのかなど、滅多に聞くことのできないようなことを聞けた。これがヒッチハイクの醍醐味の一つでもある。

他にも石川トークをしたり私の話をしているとあっという間に時間が経ち、14時ちょうどに道の駅恵庭に到着した。スケッチブックに落書きをしてもらい記念撮影をした後、解散した。

移動距離:137km

旭川でパンをいただいてから何も食べていなかったので近くにあった飲食店に入り昼食をとった。食べ終わった後スケッチブックに室蘭と書き、14時半にヒッチハイクを再開した。

再び道の駅の建物の入り口前で立ち始めた。途中で清掃のおばちゃんが話しかけてきてお喋りをしたところ、この時間から室蘭に行く人はほとんどおらず札幌へ戻る人がほとんどだと聞いた。そんなことを言われても恵庭で乗せてもらうしかないのでお喋りをした後もじっと待った。

待ち始めてから30分ほど経過すると、30代ぐらいのくせ毛のお兄さん(以降Bさん)が声をかけてくれた。千歳の方で飲食店をやっているらしく、千歳の道の駅までなら送ってくれるとのことだったので乗せていただいた。

Bさんはバイクが好きで、私はバイクに興味があったので色々聞いていると20分もせずに目的地に到着した。

移動距離:11km

着いてから気づいたのだが恵庭に比べて圧倒的に車が少ない。人気な道の駅だから人は多いはずとBさんは言っていたのだが、ピークの時間を過ぎていたからなのか全然人がいなかった。これならば恵庭にとどまっていた方がよかったのではとさえ思った。

しかしここから徒歩で移動しても何にもならないので室蘭と掲げて待ち続けることにした。だが道の駅に寄る車が少ないし、札幌方面へと向かう車が半分以上であった。

30分ほど経ったところで、キャンピングカーに乗ったお兄さんが睨むような目つきでこちらを見てきた。歳は3つ前後しか変わらないぐらいだった。「なんだこいつ」と思いながら目を合わせているとキャンピングカーはどこかへと行った。

待ち始めて40分ほど経ち、道の駅に寄る車も目に見えて減り始めていたので今日はここで野宿かななどと考えていると一台の車が私の前に止まった。

その車は先ほどのキャンピングカーであった。なぜ止まってくれたのか疑問に思いつつもとりあえず車に近づいて話をした。そのお兄さん(以降Cさん)はウトナイ湖の道の駅まで行くつもりだったらしく、そこまでなら乗せてくれるとのことだった。できる限り進みたかった私はすぐに車に乗った。

私がかわいそうだったから乗せてくれたとのことだった。あの時は睨んでいたのではなく、ただ怪訝そうな顔で私を見つめていただけだったのかとそこで理解した。

私はいつも車に入ってから軽い自己紹介を先に済ませる。そして相手も軽く自己紹介をしてくれるというのがいつもの感じであった。しかし私が名乗っても、「あ、はい。」という感じで特に情報を開示してくれはしなかった。

Cさんはキャンピングカーを買って、北海道のすべての道の駅を制覇する旅をしているらしかった。車内をよく見ると窓の上側に道の駅で売っているマグネットがびっしりと貼ってあった。4月から旅を始めていて、道南は制覇しておりもうすぐ道東を制覇するとのことだった。

旅をしていることは自分から話してくれたので色々聞いたが、それ以外のことはあまり聞かな方がいいかなと思い自分の話をした。

20分程度で道の駅につき、Cさんは売店でマグネットを買ってすぐにどこかへと行った。ああいう色んなところをウロウロする生き方も楽しそうだなと思った。

移動距離:17km

私もつられて道の駅限定のマグネットと京都にいる人へのお土産を何点か買った。そして再び室蘭と掲げて道の駅で待つことにした。

しかし道の駅に寄る車が千歳より圧倒的に少ない。駐車場にもこれから車中泊するであろうキャンピングカーがほとんどだった。ここで待っても無駄だなと思い、目の前の国道へと移動した。

道らしい道でヒッチハイクをするのはそれが初めてであった。だが特にやることは変わらなかった。いい表情を作ってスケッチブックを掲げるだけである。

交通量がかなり多かったので乗せてくれる車は現れるだろうなと思いながら待っていた。当然基本的には素通りであるが途中でおばあさんが運転席から「ファイト!」みたいな感じのジェスチャーを送ってくれた。

30分ぐらい経ったところで乗用車がウィンカーを焚いて私の目の前で止まってくれた。一般道で長く停まるわけにもいかないので速やかに後部座席に荷物を突っ込み助手席に座った。

乗せてくれたのは30代のお兄さん(以降Dさん)だった。Dさんは少し前に会社を辞めて今は就職活動をしている最中とのことだ。

私が京大生であることを開示すると色々と大学のことを聞かれた。なぜかツイッター上で京大生のツイートをよく見かけるらしく興味があったらしい。

少し話した後に室蘭のどこに向かいたいかと聞かれた。室蘭の道の駅で降ろしてもらいその後野宿する予定だと伝えた。

そうするとDさんがよければ家に泊まらないかと提案してきた。少し話してみて悪い人ではないと判断したので私はお言葉に甘えて泊まらせてもらうことにした。

そして少し間が空いてからDさんが聞いてきた。

「性的嗜好はストレートですか?」

久しぶりに鳥肌が立った。ストレートと答えたが、その後の返答次第ではアクション映画のように車から飛び出す覚悟はできていた。

だがDさんとしては私を泊める上で危険性がないか判断したかっただけらしい。「仮にゲイだと答えたらやっぱりだめと言われたのか?」などと考えながらも話題を変えて会話を続けた。

途中でローカルチェーンっぽい飲食店に寄り、夜ご飯をごちそうになった。ここの店は美味しくないと入る前にDさんが言った。じゃあなんでここにしたんだと思いながらも料理を注文した。

そばは美味しくなかった

食べ終わった後そのままDさんの自宅へと向かった。家の掃除をするとのことで車を停めてから20分ほど待ち、家にお邪魔した。

シャワーを浴びて少しクネクネした後、Dさん行きつけのバーに連れてってもらった。

ウィスキーのロック

そこで2時間ほどお酒を飲みながら店員さんとお喋りをしたりボードゲームをしたり恋バナを聞いたりした。

店員さんに私の歳を当ててもらおうとしたところ23歳と言われた。一応20歳なのに風貌のせいでいつも23とか24とか言われる。もう慣れたものだ。

その後2軒目にも行った。その店にいた沖縄出身の人達とお喋りをして2杯ほど飲み、店を去った。

家に帰ってから明日の予定を決めることにした。明日中に函館に行きたいと思っていたので函館方面で一番家から近いSAである有珠山SAまで送っていただくことになった。特にその方面に用事もないのに送ってもらえるとのことで、とてもありがたかった。

明日の予定も決まったところで歯を磨いて少しだけお喋りをし、用意してもらった布団で眠りについた。


2日目まとめ
乗車時間:4h
移動距離:165km
台数:3台
総乗車時間:9h
総移動距離:412km
総台数:4台
(※Dさんの分の数字は3日目に加算する)


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