人生の岐路にある過去の自分に今の自分がアドバイスする
前回の記事、ちょっと反応が良かったので嬉しいです。
今回は前回の記事の黒葉だむの歴史において、今の自分だったら当時気づかなかった視点や考え方をアドバイスできるんじゃないかと思って帰路に立っている場面でアドバイスしていこうと思います
前回の記事
※太字が今の自分の意見、普通の文字が過去の自分の人生の岐路です
マンガ読むのが好きで、鳥山明のドラゴンボールの著者近影「毎日プラモ作って生活、平日にTDL行く漫画家最高」や「納税番付(今はない)」に漫画家が載っていることで漫画家を目指す。
…君は鳥山明になりたいのかい?それとも大金持ちになりたいのかい?それとも漫画で何かを表現したいのかい?漫画を読むのが好きで描くのが本当に好きなのかい?お金を稼ぎたいなら漫画家じゃなくてもいいんだよ。あと本をたくさん読むんだ、漫画以外の。読み癖を付けといた方がいいよ、今活字読むのにめちゃくちゃハードル高いことになって大変だよ。
ジャンプの賞めざして持ち込み、応募数年繰り返す
…半年に一回作品を完成させて持っていくのは良いことだ。でもその前に、その作品は誰かの模倣では無いのかい?あとプロの完成原稿を2、3枚完全模写しよう。気づかなかった発見がいっぱいあるはずだ。
バイトしながら最終候補に名前載るくらいで担当(という名だけの完成原稿見せて感想言うだけの人)が異動
…落ちた原稿は返却してもらったら色んな雑誌にも応募しよう。
月5日初アシスタント開始、背景パースやプロの原稿クオリティ意識を習い(半年)貯金を食いつぶす、まだ夢と希望に未来は明るい
…アシスタント以外の日は原稿に当てていたのは偉いね。仕上げクオリティも上がってる。でも人物パースのデッサンの勉強(模写)もしなきゃだ。嫌悪しているpixivにも投稿して生の評価を聞こう!
ジャンプからマガジンに持ち込み先を変えたら褒めまくられマガジンに変える。マガジンの賞2回(雑誌掲載せず賞金15万くらいの賞)取る。
…マガジンは基本褒める、あと持ち込み先を一本に絞る必要はないよ。
担当(一応ネーム相談はした人、入社二年目)のコネで週刊連載アシに異動し背景を学ぶ。(週6勤続で収入は増えたが使う時間もネーム描く時間も減る)
…週6勤務なら高背景技術を盗めるのは1~2年と考えて1年で辞める覚悟を持つか実家に引きこもって漫画を描くんだ。漫画家業界をやめたら漫画仲間から離れて競争できないとか都落ちのイメージなんて関係ない。漫画は独りで描くものだ。実家に出戻っても家賃光熱費諸々の為に働いて漫画描けなくなる方がまずい。もちろん家にも最低限のお金を入れて最低限働くんだ。
マガジンで大賞取り雑誌掲載。有頂天になり天狗になる。
…賞なんて取っても連載にはならないし漫画家人生安泰ではないよ。スタートラインにすら立ってない。賞取ってない新人もプロの作家も出版社にとってはほぼ同じ外部発注業者だ。漫画家は個人事業主だ、意識を変えて気を付けるんだ。
アシ先で競争意識が出て毎週ネーム出すが、大賞もまぐれだったのでネームボツの連続でスランプ(編集部自体「あの大御所は週に500枚くらいネーム描いたしボツの翌日に描き直してきたよ」などといった事をよく言うので質より量を重視していた傾向があった)
…「あれ(あの売れてる作家)俺が育ててやった」とか「他の作家とスピードやクオリティを比較してくるならその編集から離れるんだ。その編集もまた売れた作家のマネしてくれる作家を探して楽して売れようと画策する人だ。担当チェンジシステムもある。自分の漫画を好きと言ってくれる編集と組むんだ。自分の漫画が描けないなら(描くものが無いなら)一時漫画を描くのをやめるのも手だ。他の事して熱中して遊んで楽しんで極めればそれが漫画のネタになったりする。何歳からでもやり直せる。焦りは創作の幅を狭くするよ。
担当の書いてきたネーム(原作)がワンピースパクリと任侠物で難色を示して不機嫌になられ打ち合わせ終了、頭真っ白のまま帰路(ここで漫画人生終わったと思った笑)
…編集が書いてきたネームやアイデアは基本聞かなくていい。彼らはクリエイターではないし、そのネタで転んでも責任は持たない。編集者に助言を求める時は自分が「これ伝わりますか?」って思った時や読者がどう思うか知りたい時だけだ。自分のアイデア没にされて不機嫌になる編集者とは今後うまくいかない、すぐ離れて色んな出版社回るか、自分の好きを極めて描くんだ。
ジャンプコンプレックスが続きジャンプにネーム持っていき始める。
…わかったわかった、とりあえずジャンプを買うのをやめるんだ。本当に好きな漫画だけ買って読めばいい。惰性で続けるくらいなら辞めるんだ。取材や流行を知る為というならジャンプ以外の漫画もたくさん読むんだ。世の中には埋もれている自分の感性を揺るがす色々な漫画がある。ジャンプ漫画が全てではないんだよ。ジャンプ連載したら人生変わると考えていないか?それは超売れた人だけだ。ジャンプで連載していたという名誉だけではお金は入ってこないよ・・・?(企業に所属したりして社員になったりしたら有利になる部分はあったりするけど、それだけだよ)あと色んな出版社に持っていって実力が伴ってなければちょっとでも興味ある同人活動もやってみるんだ。二次創作も楽しいぞ、そのキャラを分かってないと描けないんだ。これは一次創作にもつながる練習にもなるよ。ネームばかり描いていても画力はあがらないよ。
何回目かのネームで「今までで一番面白かった」ということで初めて読切会議へ!
…何が面白かったのかしつこいくらいもっとたくさん担当に聞いて自分の作品の魅力を再確認して武器にしよう。ウザがられてもそれが担当の仕事だ。ちなみに担当と言っても、契約はしてないんだよ。君は個人事業主なんだから。あくまで会議提出の窓口、読者の代表だよ。打ち合わせしている=漫画家の実績じゃないから打ち合わせしてることに酔ったり自分は前に進んでる、「自分は頑張ってる」なんて勘違いしちゃだめだよ。原稿料貰えないならただの趣味だよ。
落ちる
しかし担当が主人公を気に入っていたので半年後か四か月後の会議に修正して再提出!
…「初めて面白い」と言われて浮かれてすがる気持ちもわかる。落ちたネームは担当からの助言や一緒に作った感があっても他誌に持ち込んでいいんだよ。そもそも一緒に作る漫画ってなんだい?これは君が何か伝えたくて描いたんじゃないのかい?
落ちる
担当も諦めきれなかったのと自身も気に入っていたネームなのでもういっかい修正して数か月後の再読切掲載会議!
落ちる
三度も駄目だったので担当も諦める
…自分の作品の何が気にいって続けたのか考えてみよう。キャラが好きなら舞台を変えればいいし、設定とキャラが惜しいなら寝かせてそれを活かせる展開が思いつくまでストックしておこう。きみはたまにネタを出し惜しみするけど、次から次へと新しいものを考える癖をつけないとこの先きついぞ。ウイニングイレブンばっかりしてないで色んなインプットをするんだ。サッカーのフォーメーション戦略立てたりスキルフェイント磨かなかったり、ただのチート選手使って大量得点に酔いしれたい惰性のサッカーゲームほど無意味なことはないよ。
アシスタントしながら他誌の賞に応募しつつ小銭を稼ぐ。
…実家に戻るんだ。戻って漫画を描けばいいじゃないか。漫画描くなら実家最強だよ。ただ怠ける人もいる・・けど今の君なら戻った方が効率的だよ。それで同人やpixivをやるんだ。あと健康保険料はちゃんと払うんだ。引っ越しても逃げ切れないぞ!滞納金を払うことになるぞ。
周りがデビューしたり連載したりする。
職場の作家さんの副編集長格の担当が「ネーム見るよ」と言ってきたので落ちたネーム見せたら褒められて「これならちょっと修正したら僕の雑誌に読切載せるよ」と言ってきて翌週から打ち合わせするがそれが罠だったことに気づくのは少し先。
…「編集長がGOサイン出したから」とか「載せるよ」って言葉は今後たくさん聞くと思う。だから三話分ネーム描いてとかやっちゃだめだよ。断って「仕事なくすよ?チャンス逃すよ?」って言われても大丈夫。相手は自分をコマの一つとしか見てないよ。興味あること、自分自身でやってみたい!と思えない限り徒労で終わることはしてはいけないよ。契約するまで信用しちゃだめだ。漫画業界には連載してからしか契約書は交わさない・・・ということはわかるね?
掲載を信じ半年ネームの週一回打ち合わせのブラシュアップ(無報酬)
…3回ネーム直ししたら辞めるんだ。他誌や他に持っていった方がいい。もしくは「次でボツなら他に行きます」と宣言するんだ。「こいつは何言っても持ってくる、100発出してもらって1発当たれば十分だ」と考えられて建設的な打ち合わせなどなくネタボツダメ出しから人格攻撃までになるよ。そう思われないために自分の価値を高めるんだ。(画力をあげる、漫画をいっぱい描く)
読切会議に通る(あれ?)
掲載したもののアンケートとの結果もだが業界的に反応は無風(マイナー雑誌)で担当が「あそこはこうすれば良かったよね~」と後出しじゃんけんダメ出しをしてくる。
…後出しじゃんけんしてくる編集者とは即刻離れるんだ。全速力で。
疑心暗鬼になりマガジンを離れる。(職場では担当と顔を合わせるがお互い無関心)
アシスタントしながら他誌の賞に応募しつつ小銭を稼ぐ。
…アシスタントを辞めて実家に帰るんだ。背景技術を学びきったならもういる必要はない。長くいても人物絵はうまくならないよ、むしろ下手になる人が多い。
漫画を描かず創作メソッドを考え、売れる方程式を見つけては歓喜する。漫画は描かない。
…描かない人ほどメソッドを作ろうとする。それが作れたならすべての漫画が売れるよ。伝えるものがあるかないかだ(超個人的意見)無いなら漫画を描くのを辞めるんだ。
背景技術だけ上がっていき、デジタルを覚えたり、風景を見ると「どこから描くか」や「この背景描きたくない」など職業病が発生する。まだ自信過剰状態。
…Pixivなどに出して正統な評価(批判)を受けたほうがいい。自信過剰は時に上達の妨げになる。自分は絵も話もうまくないと確認するんだ、それが実力だと。あとアシスタントをすぐに辞めるんだ。あと続けるなら確定申告のこと(やってはいるがもっと詳しく)税金の勉強をするんだ。アシスタントは絵を提供する外部発注者だ。給与という形で貰っていても外部発注で雇用ではないんだよ。アシスタント技術を高める為に買ったりしたものは経費になる。たぶんこの数年で100万円くらい損しているぞ。
職場では年長者になり、後輩の指導等で自尊心だけが高くなる。
…リボ払いを辞めるんだ。元金しか返せてないぞ。必ず月の収支を計算するんだ。漫画家は個人事業主だ。税理士雇ってないなら漫画だけ描いていればいいわけじゃない。
ネームをすると眠くなったり、アシ先で徹夜明けの週刊連載作家さんへの担当一言「じゃあ今日の夕方打ち合わせね」をフラフラな状態で聞いて「ワシには無理や・・・」等、漫画家になるという事をうっすら諦め始め、アシスタントでもいいやと思い始める。
…自分の作品以外の為に寿命を縮めちゃ駄目だ。続けるなら脱出プラン(副業を作る)を虎視眈々と狙うんだ。探せばアシスタント以外で絵で食える仕事はいっぱいあるよ。フリーランスに飛び出す事で生きる為の嗅覚は格段にあがるよ。安定してる場に所属してると嗅覚は鈍るからね。ただ飛び出す場合はいざとなったら逃げ込める場も確保しとくのは大事なことだよね(実家、昔の職場など)
たまにアシスタント先の連載が終了して放牧される→無職(アシ先探したり、単発アシやったり。ちなみに日給11000円くらいで貯金を食いつぶし通帳を見て精神が汚染され始める)
…実家に帰るんだ。いいきっかけじゃないか。あと単発アシ10時~22時勤務に疑問をもつんだ、たまに延長したら最低賃金を下回るぞ。時給550円になったことがあったじゃないか。
長期アシ先に入りFPS廃人になったり漫画を一切描かず商業連載作品の粗さがしなどする。
それが当たり前になる。
…最近未来のことを考えると暗くなったり、「将来どうしよう」みたいな不安に襲われるね?それをFPSで胡麻化しているね?未来の事をちゃんと考えよう、お金が不安ならどうしたらその不安を消せるか考えるんだ。そして、少しでも興味あることがあったらお金にならないものだとしても踏み出そう。自分の行動が何のモチベーションなら上がるか考えるんだ。そして飛び込んだら先駆者の話を真摯に聞くんだ。その時は教えを請うスタイルは忘れずに。その行動は後々きっと役に立つ。
以上過去の自分へのアドバイスでした。(;´Д`)
と、まぁ過去の自分の岐路に色々アドバイスしてみました。たぶんこんな一文では当時の自分は聞かないと思いますし、今までの行動でそれがあったからこそ得れた事もあったと思います(友人とか技術とか)
ただ、創作に関しては本当に甘く見ていたというかポジティブシンキング野郎だったので当時の自分に物申したいことがいっぱいあります(;´Д`)
自分はあまり仲間内でも漫画論を話したりするのが苦手でした。でももし師匠や仲間内でそういう話したら意識変わってたのかなぁ?と思ったりもしました。とはいえ創作のことが段々とわかってきたのは近年・・・正解のない漫画創作に(表現を十人十色)勉強して学んで描けるようになるものではないよな・・・とも思います。(もちろん最低限のコマ割りの見やすさとか仕上げ処理とかデッサンとかは学べるんですが)
そんなわけで、異性や人との(友人としての)付き合い方を今の自分が10代の自分にアドバイスしたい・・なんて痛い奴だったんだ!と思って作った漫画がこちらです↓
是非読んでみてくださいm(__)m
さてついでに今日いっぱい出てきた「伝えるものがあるかないかだ(超個人的意見)無いなら漫画を描くのを辞めるんだ。」という意見。
これを解説します。超個人的解釈ですが、これを知ってから創作が楽しくなりました。そしてようやく漫画の作り方がわかりました。
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