地域の産業は衰退しているのではなく、遷移している
山に登って気づいたこと
普段は瀬戸内海に面した港町で暮らしているのですが、昨年末は珍しく山に登る機会が何度かありました。
ネイチャーガイドの方と一緒にだったので、ただ登ると言うよりは山の自然について学びながら登るという形でした。
様々な植物の持つ特徴から苔や地衣類に至るまで普段触れることのない知識に触れることができました。
その中で特に興味深かったのが遷移の話です。
(遷移とはある場所の植生が,時間の経過とともに移り変わっていくことをいいます)
陽の光が当たる場所でよく育つ植物、日陰でもよく育つ植物、栄養のない土壌でも育つ植物、湿気の多い場所でよく育つ植物。
それぞれの特徴に応じて、人の手や土砂災害によって破壊されたとしても、自然とその場所に応じた形で変化し再生していくそうです。
ずっと山の話ばかりしてしまっているので、そろそろ地域の話に移ります。
地域を山に見立てると
一見破壊されているように見えた場所でも遷移し再生していく話を聞いて一番に思ったことが、「地域も同じなのではないか?」ということです。
自分の活動地域であるさぬき市津田町は、元々漁業で栄えた町ですが漁獲量の低下や漁師の高齢化によって衰退の一途を辿っています。
漁師が減ることによって、水産加工のに携わる人も最盛期から比べると大幅に減りました。
しかし、漁業という主要産業が衰退している一方で、新しく生まれているものもあります。
それは衰退したことによって生まれた空き漁業倉庫や元加工場を活用した店舗&工房です。
海から一番近い通りにある建物のほとんどは漁業関係者が所有していることが多く、日本の渚百選に選ばれるほど綺麗な海が近くにあるにも関わらず店舗がありませんでした。
しかし、漁業の衰退によって海辺の建物が空き、店舗として利用できるようになりました。
山を地域、植物を産業と置き換えると似ているように思えてきます。
衰退から遷移へ
結局何がいいたかったかというと地域の産業が衰退しているのは事実ですが、どう捉えるかによって見え方は変わるのでは無いかということです。
衰退を別の状態への遷移するためのきっかけであると捉えると、衰退というマイナスの事象に隠された次へのヒントを見つけることができるのでは無いかと思います。
逆にいうと、そのヒントを見つけ生かせるかどうかが、ただの衰退になるか遷移になるかの境界線なのかもしれません。
倒れた倒木が新しい新芽の栄養となるように、次に繋げる取り組みをしていきたいなと思います。
今回はこの辺で。
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