父子家庭で育った20代女性。カウンセリングだけで、3年間苦しんだ「酷い偏頭痛」が治りました。

昔働いていた福祉施設で出会った同僚の話です。
そこは、軽度知的障害者が利用する施設で、わたしは生活支援員という仕事で正社員として働き始めました。

小規模な施設だったので施設長に社員が2人。
綺麗で新しい施設。だけど、時給もとても良いのにバイトは入っても次々とすぐに辞めてしまう。
そんな職場でしたが、わたしはもちろん知らずに入りました。

後に、入社3ヶ月もしないうちにその理由はハッキリわかりました。
それは、「ワンマンな施設長」の、いわゆるパワハラ的な運営と社員に対する幼稚すぎる関わりが、明らかな要因でした。

2人いる社員のうち、
1人は40代で福祉業界が長いベテランの男性。
とても真面目な働きぶりで、思いやりのある接し方で、利用者さんたちからの信頼があるのを、わたしは感じていました。
もう1人の社員は、20代女性。わたしよりも一回り下の子で、この女性が今回の話の中心となる人物です。

彼女は、とても素敵な女性でした。

まだ若いけれど、それこそベテランの男性職員と変わらないだけの熱量と、利用者さんに対する想いのある関わり方があり。
仕事に対しても真面目で、既に3年目となるその施設での信頼感というのを
入ったばかりのわたしは感じていました。

彼女は、確実に「いい社員」でした。
だけど、そんな「いい社員」である彼女を
施設長である30代の男性は、それこそ「いいように使っている」という感じで。
バイトがどんどん辞めていく理由を、自分とは全然関係ないことにしているため、当の本人である施設長は「改善する気」などありません
そのしわ寄せが、全て社員の2人にいっているという状態でした。

どこにでもある職場環境といえば、そうです。
が、社員2人が、とても良い方達で。利用者さんたちとの関係性も良い。
わたしは「どうにかならないものか」と本気で考えるような人でした。

施設長は、そもそも福祉業界で「志がある」というような人ではなく。
ただ、親が福祉業界で大きな施設の長で、いわゆる「お偉いさん」です。
その「親の顔、権力」でそこの施設の長を任された、というような人でした。

利用者さんを見下したり、バカにしたりする言動が普段から目立ちました。
利用者さんたち本人が「わからない」とでも思っているのか、平気でそういうことを口にする。
しかも、それが自分の機嫌次第です。
ものすごく、機嫌に左右される。
利用者さんの目の前で社員に暴言を吐いたり、態度対応が酷かったり。

まぁ、要は
「長」という名には全く相応しくない人でした。

そんな職場環境だったので、その同僚の女性Aちゃんは、毎日かなり「我慢」が酷かった。

人手不足のために「自分が辞めるわけにいかない」と、責任感の強さから、3年その長のもとで我慢し続けて。
毎日「酷い偏頭痛と吐き気」を発症しながらも、薬を飲み続けてなんとか毎日仕事をこなしていました。ひたすら、施設長のご機嫌を損なわないように黙り。ご機嫌を損なわないように、服従。そんな毎日を繰り返していました。

もう1人の社員の男性は、もちろん施設長の「そのワンマンぶり」を
知っていましたが。ご家族がいたり、施設長(の親に)恩義があったようで。反抗したり、ましてやその職場を辞めるとうようなことはできない、と。そんな状態でした。

わたしは、その時すでに
メンタルトレーナーに師事して数年経っていました。

なので、
親子関係のこころの仕組みや、社会の仕組みを色々と教えていただいて
Aちゃんよりも「みえていること」が、ありました。

Aちゃんは社会人になって、他の職場にも勤めた経験はあったようですが
それでもまだ20代前半。田舎であるという土地柄もありましたし、
わたしと同じように「知らないこと」もあるだろう、と。

とにかく、Aちゃんにとって
ワンマン社長のことで他に相談できる人がいなかったので、
わたしが色々「話を聞く」ように自然となっていたのですが。

その中で、彼女が「父子家庭で育ち、今でも父親と暮らしている」
と、そんな話をAちゃんは告白してくれることになります。

「ずっと学校が一緒の、仲のいい友達しか知らないこと」
「自分からは、こういう話はしたことがない。MAIさんが初めて」

と。
わたしは、専門家から
親子問題に関するメンタルトレーニングを受けていたので、
色々と「わかる」わけです。

少なくともAちゃんから話を聞いた内容に関して、
Aちゃんの困りごとや、今の選択、今の現実。

当時は、それこそ今よりもまだまだ「境界線が弱い」わたしだったので
相談にのっているAちゃんを、なんとかしてあげたいと。
ものすごく沢山、色んな話をしました。

Aちゃんも、「初めてのこと」「初めてきく内容」だったようで。
なので、真剣に聞いてくれて。

そして、Aちゃん自身、元々の「人間的な強さ」が
年齢以上に備わっている女性だったので、

「きっかけ」さえあれば、
「前に大きく進める」
というようなそんな状態でした。

なので、わたしが
もう限界なAちゃんにとっての「きっかけ」になったのですが。

Aちゃんは、話していくと
どんどん、まずは「元気」になっていきました。
そして、自分の中にある「強さ」を自分で信じられるようになり。

元々、男性に対して「下になる(萎縮して、何も言えない)」
という状態だったのが、どんどん「言える」ようになり。
そして、最終的には、絶対に「辞められない」と言っていた
その施設を辞めて、自分が「天職です」と言えるような場所に
転職して、再就職することができました。
そして、ずっと悩まされていた「偏頭痛」は消えて
毎日いくつも飲んでいた薬も飲まなくていい生活になったと。

その上、その後
とんとん拍子に
交際していた彼氏と結婚することも決まって。
誰にも相談できなかった「父親」との問題を改善し、困りごとに対して適切に対処できるようになった
と。「関係改善」することで、結婚を機に家を出るまで、父親と暮らしやすくなった、と。そう、教えてくれました。

「あのときMAIさんに出会ったおかげで、人生変わりました」

と、
とてもイキイキとした笑顔で
伝えてくれたこと。
わたしは、本当に嬉しかったです。

その後、わたしが絵の個展をひらいたときも
わざわざ車で1時間半かかる場所まで来て、
近況報告をしてくれるくらい。

出会った最初は、優しいけれど「弱さ」が全面的に出ていた
彼女だったけれど、たった半年で、それくらいガラッと変わり。
彼女の元々持っている「強さ」が、ちゃんと魅力になって
彼女の優しさや素敵さが、もっと輝く
ような
そんな感じの女性に変わりました。

すごく、嬉しかったです。
彼女も、すごく喜んでくれていたけれど。

素敵な人が、より素敵になるのは
関わっていて、本当に嬉しいこと。

病気、不調は
カウンセリングで治る
ことがあります。

わたしのカウンセリングでは
そういうことも可能です。




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