親子愛という名の宇宙の話 vol.2 Aさんの「家族を愛する時間」に同席した話。

Aさんの家族にお会いする機会は、わたしにとって「特別な体験」となりました。その話をしたいと思います。

Aさんは母子家庭で育った方です。
幼い頃にお母さんの離婚を機に、
母方の祖父母の家で暮らすようになりました。
Aさんは幼すぎたので「お父さんの記憶」はなく。
最初から「お父さんの居ない環境」でした。

一緒に暮らすおばあちゃんは、お母さんの母親なので
Aさん、お母さん、おばあちゃんは「血のつながり」がありましたが
おじいちゃんは、違いました。

が、おじいちゃんは「男の子(孫)」の存在を
大変喜んでくれた人で。
おじいちゃんは「おばあちゃんを大切にする人」だったことから、
Aさんはおじいちゃんから「大切なこと」を沢山学んでいます。
随分昔におじいさんは他界されています。

おばあさんも、もう亡くなられたのですが
わたしは、おばあさんが亡くなる少し前に
ギリギリ。
生きている間にお会いできた、という感じです。

Aさんの家庭は、わたしの家庭同様
「母親が、母親(祖母)と共依存」ということで
Aさん自身、幼少期から「大変だった」経験をしています。

親子関係、男女関係、その他人間関係において
ものすごく「大変」だった経験を経て
「我が子(娘)の誕生」をきっかけに、
Aさんの人生は大きく変わっていく
のですが。

娘が誕生したからといって
「大きな精神的変化」を迎える男性は、
世の中にそう多くはないと思います。

いたとしても、「行動に移せるかどうか」は、
全然違います。
Aさんは「行動できる人」でした。

愛する人のために、「自分が変わる」という。
そういう、最初から「自分に矢印を向けられる」人でした。

そこが、圧倒的に「強い」ところです。
Aさんの凄さ。

で、

そんなAさんに、わたしはずっと以前から
「会ってみるといい」と言われていました。
Aさんの家族。Aさんのお母様とお祖母様に。

と、
そんなことを言われても、なかなかそんな「機会」もなく。
Aさんのお母様とは「手紙のやりとり」をしたことがありましたが、
連絡先を知っているとしても「会う理由」がないわけです。

きっかけがないまま、
きっと直接お会いすることはないだろう、と
思っていたのですが。

「必要なこと」は、起きるものです。

その「機会」というのが、わたしに訪れてくれます。

昨年です。
お祖母様がもう90歳を超えていて、「あまり先は長くはない」
というタイミングでした。
Aさん自身、ずっと仕事や子育てで大変だったので
お祖母様とは4年ほど会ってないという状況でした。

やっと会いに行けるという時に、
わたしはAさんから声をかけてもらいました。
Aさんのお母様とお祖母様に会う機会をいただいたのです。

ずっと、何年も話を聴いていた2人に、お会いできる機会。


実際、会ってみて
凄かったです。

映画で「感動するシーン」って あるじゃないですか。
家族愛。
人間愛。

そういうテーマで感動する映画の世界。
まるで、その「感動する瞬間」の 撮影現場に、
リアルタイムで、自分が入り込んだような。

そんな感覚でした。

そのとき感じた、Aさんの愛。
Aさんの家族愛。

「感じられる」んだから、
「知っている」んです。

けど「自分の愛」としては、知らない。

「自分の親、家族」との間で
そんな「愛が流れている」経験を、したことがないから。

親や家族から受け取ってもないし、
自分も「発したこと」がない。

知識では、頭では 知っているけれど
「体感したことのない愛」だから。

テレビの中の世界のこと
だと思っていた。

でも、違ったんです。

現実に、ある。
現実に、存在するんだってこと。


そんな愛を
わたしは、昨年の初夏にはじめて
Aさんの家族を通じて「体感」したのです。

つづく




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