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Logic Proで自動的にステム書き出しを行うアプリAuto-Bounceを試してみた結果...

Logicでのステム書き出しって本当に手間ですよね。😠

それを自動化するサードパーティアプリがあるのを知ったのでトライアルを使ってみました。結論から言うとちゃんと設定すれば便利だけどその過程までに色々条件があるので、個人的に課金するには至らないかなという感じでした。でも条件が合う人にはすごい便利だと思います。

ちなみに「すべてのトラックをオーディオファイルで書き出す」というメニューがありますが、あれはあくまでもミックスを外部に依頼する時用のトラック書き出しで、フェーダーレベルやセンドなどは全く無視して全開のボリュームで書き出す機能です。

つまり複数トラックのギターを1つのステレオ波形でステムとして書き出したいときは、任意のトラックのソロボタンを押してバウンス、、、というのを必要なステム分繰り返す必要あります。


Auto-Bounceってどんなアプリ?

今回発見したのはそれをすべて自動化してくれるAuto-Bounceというアプリです。詳しくはこちらの公式解説動画を御覧ください。短い動画ですが、せっかちな方は0:50あたりから再生してください。

各トラックをバラバラに書き出すだけではなく、カラオケ版、ボーカルだけ版、空間系だけ、ドライだけ、など各種波形の書き出しをあらかじめ設定して一発でバッチ処理出来るようです。

オフラインバウンスのスピードは変わらないものの、席から離れてコーヒーブレクでもしてる間に全てが完了している、という最高の代物。

本当のそんな夢のようなことがあるのだろうか、ということで早速使ってみました。14日間の無料トライアル期間があります。

使ってみた所感

やはりというか、インストールしてポンで書き出し成功!とはいきません。思ってた以上にいろいろな制約がありました。以下が主な条件。

・Logicの言語を英語にしないといけない
・キーコマンドをデフォルトのものにしないといけない
・ツールバーに〇〇のボタンを表示しておかないといけない


などのルールが多く、まず言語変えるのにアプリ再起動しないといけないし、キーコマンド変えて、ツールバーの表示も変えないといけない。つまりはあくまでAppleとは無関係の外部アプリで無理やりコントロールしてるという感じの使い勝手でした。

ただこれらの設定がうまく行けば(そして慣れれば)、ボタン一つでドンとバッチ処理が開始するので爽快感はあります。

価格は3.5万円

そして一番のネックとなる価格が「3.5万円」もします。Logic本体と同じくらいの価格です。これに関しては海外のフォーラムでも高すぎ!という意見もありつつ、俺は$1500以上でミックスをやってるからそういう人向けだぜというような醜いマウント合戦が繰り広げられてて、どこの国も同じことやってるんだなぁと思ったりしました。

個人で買うとしても商業的に毎回すべての曲でステム書き出しを行うような方向けと思いました。会社規模で買うのは人件費削減の価値があるので費用対効果はありそうです。

自分の場合では全部の作曲仕事を10とするとステムが必要とオーダーされるのは2割くらいでしょうか。意外とオリジナル曲の自主制作では毎回ステム書き出してたりします。バンドで演奏するのに後で必要になったり、あるいはデータ販売などの展開も出来るのでステムで残しておくと何かと便利です。

買わない理由

というわけで紹介しておいて買わないと決めたのは価格と自分のステム書き出し頻度、つまりは費用対効果というのがまずひとつ。

もうひとつの理由は将来的な互換性です。この手の外部からコントールするアプリはOSのアップデートやLogicの仕様変更により全く使えなくなることが割とよくあったりします。

もちろんソフト側もアップデートして対応してくれればよいのですが、いかんせん歴史も浅そうな、バックグラウンドも不明なメーカーなので、アップデート開発が遅れてますとかなんの音沙汰なしとかもありえますよね。

OSやLogicをアップデートしないというのも手ですが、自分は割と新しもの好きなのでOSはともかくLogicは常に最新にして新しい機能を試したい派なので、今回は購入しないという判断をしました。

でもコンセプトやUIは非常にわかりやすくて良いので、Logicが公式機能としてこれを搭載してくれ!って思います。Plugin Searchも公式がその機能搭載したので外部アプリとしての価値はゼロになりましたので、Auto-Bounceも将来的にそうなるかもしれません。いや、そうなって欲しい。

このアプリの知名度と評判が広がれば公式搭載の日も来るかもしれません。というわけで以上、Auto-Bounceのレビューでした。


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