ご主人様育成計画(仮)#5
香りと安堵
彼の香りはとても好きだ。どんなフレグランスを使っているかなんて聞く勇気はないけどきっと高価なものに違いない。会う時はいつもひとしきりプレイを終えるとベッドで横になり余韻に浸る。その時に彼の胸元に顔を寄せ香りを嗅ぐ。 フレグランスに混じる体臭は私の気持ちを不思議と落ち着かせた。いままで会った相手とは絶対こんなとはしない。この行為は今後2人の関係を築く上での大きな鍵となった。
前回の記事で書いたように彼との逢瀬の合間に他の人と会った。もちろんその事を彼に報告したがその時に「絶対くんくんしてくださいね」と指示を受けた。決して自ら会うなとか独占欲を向けない人だけど、他の人とのプレイの話題が出る度に嗅ぐ行為をするよう指示を受けた。これは彼なりの独占欲の現れたなのだろうか。「嗅ぐことで僕との違いを感じ取ってくれ」と伝えられた。でももうしばらくは他の人とのプレイは無さそうだけど。
発狂ビンタ
彼との逢瀬も5度目、この日は体調不良と気分の落ち込みが激しかった上に待ち合わせ時間を勘違いしてしまい遅刻をしてしまった。基本的にはこちらが早く着くことが多いがその日は彼を待たせてしまったのだ。マゾとして有るまじき行為。ホテルへ向かう道中とても申し訳なく、私は一回り小さく車の助手席に縮こまっていた。
ホテルに着いてすぐ壁際に立たされ、クリップ付きハンガーを乳首につけろと言われた。両乳首の痛みとハンガーの重みで垂れ下がった乳房を無様にさらけ出し強烈なビンタを受けた。遅刻のせいもあってかいつもよりも被虐欲が増していた。「罰を与えられたい」その気持ちでいっぱいだった。そのお陰かいつも以上にビンタを耐え抜き発狂した。20回を超えたあたりで笑いが込み上げてきた。過去にも1度あったがビンタをしすぎると恐怖で発狂する。彼にはこんな異様で無様な姿を見せたくは無かった。でも終わったらとても喜んでくれて1つの壁を突破した様な手応えを感じられた。でもその後ラップ拘束での仰向けイラマが上手く出来ずわたしはいじけてしまい振り出しに戻った気分だった。「どうすれば、どう頑張れば彼は喜んでくれるのだろう」そんな気持ちが過ぎるけど空回りばかりだった。