見出し画像

【はたらクリタVol.1】水処理ソリューション提案の現場(前編)~見つけた!最適な薬品の組み合わせ~

日々お客様の前に立ち、現場で汗をかき、未来の商品・技術・サービスを生み出す。そんなクリタの最前線をつくる「人」に迫る【はたらクリタ】

記念すべきVol.1は、営業の最前線で活躍する石森さんと岩本さんの対談です。担当分野や得意とする営業スタイルが異なる2人が、それぞれの体験談を通して、クリタらしい営業の強みとはどういうものなのかを、前後編で探っていきます。

前編は、セオリー通りに進めてもなかなか結果がでなかったという状況を思いがけないきっかけで打破するにいたった、石森さんの忘れられない現場経験を振り返りながら、クリタの営業のリアルに迫ります。


プロフィール

石森さん

2010年入社。ケミカル系営業に従事。
※ケミカル系営業=お客様の水に関するニーズを探り、ケミカル(=水処理薬品)を主体とした課題解決の提案から導入までを担当。

岩本さん

2009年入社。メンテナンス系営業に従事。
※メンテナンス系営業=水処理装置納入後の、処理水質の分析結果にもとづく、運転調整、設備の補修・改善、消耗品の交換や、水処理装置を用いた課題解決の提案から導入までなどを担当。

難易度の高い排水処理タスクで試行錯誤


石森:私の忘れられない仕事は、あるお客様の排水処理タスクです。当時の上司から引き継いだ、1箇所の事業所で水処理薬品だけでも年間数億円の取引がある、大口のお客様でした。そして、このお客様では、他社が担当する難易度の高い排水処理タスクがあり、これまでクリタの担当者が何度もよりよい提案にトライしてきたものの、受注にまではいたっていませんでした。

岩本:私もメンテナンスの担当として、このお客様の薬品注入設備の工事を受けもっていたので、当時の話はよく覚えています。確か、石森さんたちは現場のプレハブ小屋に2年間も通い続けて机上スケールでの試験を行った末に、ようやく試験的に導入してもらったんですよね。

石森:はい。他社が処理している現場への試験的な設備導入だったので、絶対に成功させたかったんです。ところが、机上スケールでの試験では成功した処理方法が、実設備ではうまくいかなくて。一緒にやっていた後輩とも何度も試験条件を見直しましたが、想定どおりの結果が得られず途方に暮れました…。

岩本:他のお客様やその他多くのタスクを担当しながら、毎日あのプレハブ小屋に通いつめて、試験に明け暮れていましたよね。あの頃は、事務所でほとんど石森さんの姿を見かけませんでした。

石森:文字通り“一日中”このタスクのことを考えていましたからね…。家族には「寝言で薬品の名前を声にしているよ!」と言われたくらいです(笑)。机上試験の結果が実設備で再現されない原因を見つけることが、当面の課題となっていました。「こんなにうまくいかないのは、何かが間違っているはず。そうでないと絶対におかしい」と、全てを疑ってかかるようになったのが、担当になってから4年が経った頃です。もう一度初心に帰り、現場の水フロー(工場の水配管MAPのようなもの)・設備を一つひとつ調べ直していたら、机上スケールでの試験と実設備との小さな条件の違いに気づいたんです。普段なら見過ごしてしまうような小さなことが、何故かその時には引っかかったんですよ。そこで、次に机上スケールの試験を行うときに工夫をして、気になった点を再現してみたら、今まで良好だった試験の結果が良くないほうへ変わってしまったんです。

岩本:えっ。つまり、実設備の条件で加味できていなかった点があったために、机上スケールでの試験と実設備での結果に乖離が生まれていたということですか。それで、机上スケールの試験の評価方法自体を再考する必要があったわけですね。それまでの労力や過去のデータは水の泡となってしまったのでしょうか…。

石森:そうです。かなりショックでしたね。再考に再考を重ねて進めてきた試験や分析のデータがすべて白紙になってしまったと思いましたよ…。とはいえ、その気づきのおかげで机上試験の結果が実際の設備で再現できるようになったので、条件を見直しゼロから机上スケールでの試験を再開しました。しかし、本来の課題である「最適な処理方法」は、試行錯誤を続けてもなかなか見つからずでした…。

岩本:それだけ難しい挑戦だったんですね。諦めてしまおうとは思わなかったんですか?

石森:やはり、お客様からの期待がありましたから。「クリタさんはいつも現場で一生懸命やってくれている」と、当社や私のことを評価してくださっていました。だからこそ、なんとか成功させて、喜んでいただきたかった。「期待に応えたい」という想いが原動力でした。

プレハブ小屋でふと、棚にある薬品が目にとまった


岩本:最終的に、どうやって最適な排水処理にまでたどりついたのですか?

石森:ある日試験中に、プレハブ小屋の薬品棚にあったある薬品に目がとまったんです。同じ種類の排水処理をしている他のお客様がこの薬品のみで処理している実績があることは認識していたものの、このお客様でもこの薬品だけでの試験はすでにやっており、その結果を踏まえて候補から外していました。でも、この時ふと、複数の薬品の組み合わせを試してみようと思いついたんです。1つの薬品で効果がありそうなものは試験しつくしていたので、別の方法をひねり出したという感じです。さっそく、複数の薬品で実際に試験をやってみたら、一緒に分析していた後輩がすぐに「数値が下がってます!」と叫んだんです。半信半疑で、「いやいや、絶対に何かの間違いだろう、分析のための前処理を間違えたんじゃないのか?」なんて言いながら(笑)何度もやり直してみて、現状よりも良い結果が出たと確信できたんです。

岩本:ついにやりましたね!

石森:はい!このきっかけにより、これまでの処理方法よりもトータルの薬品使用量が少なく、より効率的な処理ができる方法を見いだすことができました。お客様が期待していた処理の安定化に加え、薬品コストも下げることもできたので、今も継続して使用いただけています。現場のフローや設備をよく見直し、机上試験方法を確立することで、この結果にたどり着くことができたのは、お客様の期待に応えるために技術営業として考えつく方法をすべてやり尽くしたからであり、自分にとっても大きな意味のあったタスクだったと思います。

石森さん流営業術3つ


後編では、岩本さんの忘れられない経験談と、2人に共通するクリタの営業の強みについて語り合ってもらいますので、お楽しみに!


栗田工業(クリタグループ)公式サイト→https://www.kurita.co.jp/
当社へのお問い合わせ・ご意見など→お問い合わせフォーム