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【はたらクリタVol.2】水処理ソリューション提案の現場(後編)~お客様と理想の工場の姿を一緒に描く!

日々お客様の前に立ち、現場で汗をかき、未来の商品・技術・サービスを生み出す。そんなクリタの最前線をつくる「人」に迫る【はたらクリタ】。

営業の最前線で活躍する、担当分野や得意とする営業スタイルが異なる2人の対談を通じ、クリタらしい営業の強みとはどういうものなのかを、前後編でお届けしています。

ちなみに、前編はこちらです。
(なお、このまま後編のみお読みいただいても大丈夫です)

後編は、まったくのゼロの状況からお客様の信頼を勝ち取り「理想の工場の姿」を一緒に描くまでになったという、岩本さんの忘れられない現場経験を振り返りつつ、次世代につなぐクリタらしい営業の強みを2人で語り合います。


プロフィール

岩本さん

2009年入社。メンテナンス系営業に従事。
※メンテナンス系営業=水処理設備導入後に、処理水質の分析結果に基づいて、運転調整、設備の補修・改善、消耗品の交換、水処理装置を用いた課題解決提案から導入などを担当。

石森さん

2010年入社。ケミカル系営業に従事。
※ケミカル系営業=お客様の水に関するニーズを探り、ケミカル(=水処理薬品)を主体とした課題解決の提案から導入までを担当。

正攻法の営業で実績と信頼を積み重ねた

岩本:私の忘れられないタスクは、私がまだ若手の頃に担当したあるお客様のプロジェクトです。他社がシェアを独占という状況で、これまで未納入だったクリタのメンテナンスやケミカルの提案活動を開始しました。

石森:他社がシェアを独占という状況から、どのように攻略していったんですか?

岩本:水処理で扱う水量規模も大きく魅力的なお客様だったので、クリタの製品を扱う販売特約店さんと、私の担当するメンテナンスサービスとでタッグを組んで、攻略を目指しました。販売特約店さんと週1~2回通い、2~3か月でようやく名前と顔を覚えていただき、その後も1年ほど提案活動で通い続けました。その結果、製品・メンテナンスそれぞれで受注にこぎつけることができました。

石森:「顔も覚えてもらえていない」という、営業としては最もつらい時期を乗り超えて、やっと風向きが変わってきたわけですね。

岩本:そうなんです。そして、“正攻法の営業”で実績を積み重ね、お客様との関係を順調に築いていくうちに、「2年後に工場の増設を計画している」と、3か年計画の増産・節水プロジェクトの水処理に関するご相談をいただけたんです。工場増設で必要となる地下水の量は現状の約25%増という大規模な案件で、クリタにも自分にとっても、大きなチャンスだと思いました。

お客様と一緒に工場の隅々まで歩き回って調査

岩本:工場増設検討にあたっては、単なる純水・排水設備を増設するのではなく、製品の増産を踏まえた工場全体での節水と排水回収の実現が、お客様から課されたミッションでした。それを聞き、お客様へ“理想の水プロセス”をクリタからご提案しようと、すぐに動き始めました。

石森:お客様の要望に応える提案をするためには、まずは工場全体の水の使用状況の調査から始める必要がありますね。

岩本:そのとおりです。今でも当時を「やりきった」と振り返るんですが、お客様よりも詳しくなるぐらい、工場へ深く入り込んで調べました。その結果、複数の生産設備と水処理装置が入り組んで配置されており、お客様でさえ工場の水配管の全体像を把握されていないということがわかりました。そこで、まずはお客様と一緒に工場内の設備の全体像を把握することから始めました。また、水温や水量を計測する機器が付いていない箇所がほとんどで、水の使用状況は超アナログな方法で測定して回りました。紙とペンとバケツと計器を持って配管を追いながら歩き回りましたし、結果的に製造ラインも隅々まで見せていただけました。

石森:一つの案件に営業がとことん時間や労力をかけられることが、クリタらしいなと思いますね。ニーズがあることは見えていても、その前の課題を解決するためにゼロから手間をかけて調査することは、なかなかできないですよね。

岩本:そうですね。もちろん大きな金額を受注して会社に貢献したい、という営業としての欲はあります。でも、それ以上に、お客様と「3年後の増産」という目標を共有し、その実現のために理想の工場の姿を一緒に描いていく、という感覚が本当に楽しくて、とてもやりがいがありました。振り返っても、「大変」「苦労」というよりも、楽しみながらやっていた、という感覚が強く残っています。

石森:未納入だったお客様で、こんなに信頼されて仕事を任されるのはうれしいですね!それだけに、受注の喜びはひとしおだったのではないですか。

岩本:はい。このような地道な努力が実を結び、念願叶ってお客様の工場増設にともなう純水・排水・回収システムを、クリタが一括で受注することができました。受注まで2~3回、普段はなかなかお会いできないお客様の社長へのプレゼンがあり、とても重要な面会機会でもありました。その時に、現場経験も豊富な社長にしかできない「工場の本質に迫る」質問を受けたのですが、工場全体をしらみつぶしに調べていたおかげで、的確に回答できました。この案件の提案を通じて、社長はもちろん、担当者の方々まで、お客様との信頼関係が強固になったと感じたこと、それがとても嬉しかったことをはっきりと覚えています。

石森:この経験を通じた、営業としてゼロの状態から実績を積み重ね結果を出すために重要なことは何だと思いましたか?

岩本:営業が長期的な目線を持ち、お客様の成果につながる真の課題解決までもっていくことが、とても重要であると考えています。このお客様は、新工場建設に係る案件を受注し、納入して終わりとはせず、稼働後もさまざまな提案を継続することで、設備投資案件や薬品の取引の拡大が続いています。「苦労」を共にしたお客様は、大切なビジネスパートナーでもあります。また、この案件を通じて、クリタのメンテナンス営業のあり方が、自分なりに朧気ながら見えてきました。「プロジェクトマネージャー」としてお客様のありたい姿や目指す姿を具体化・定量化して共有し、実行に必要な解決策のスケジュールを組むこと、そして、その進捗と成果に責任を持つことだと思っています。

岩本さん流営業術3つ

クリタの営業にしかない「強み」や「らしさ」

岩本:私の営業スタイルは、真の課題を解決したいという探究心、この案件は絶対取りたいという欲やこのお客様の期待に応えたいという想いを原動力に、誠実に対応し長期的な関係を築くことなどを考えています。皆、自ら経験したことや得意な分野を自ら伸ばしていくうちに知識やスキル、心構えを身に付けていくんだと思います。

石森:確かに、営業のスタイルに正解はないのかもしれません。私の個人的な想いですが、企業が事業活動を継続する一番の目的は「人の育成」だということです。社員の個性が発揮できる、個人を尊重する姿勢や文化はクリタらしいと思いますし、自分が部下に接する上でも大切にしていきたいことです。

岩本:個人を尊重する、という考え方には同感です。多分、営業に“必勝パターン”などはなく、個々の強み・弱みを自他ともに理解することから始まると思います。今の部下一人ひとりの個性を注意深く見て、その人の得意なパターンへ導けたらと思っています。

石森:これまでに培われてきたクリタらしさ、クリタの営業ならではの強みを伝えてつなぐこと。また、それだけではなく、次の世代の社員一人ひとりが、個性を発揮できるようにしていきたいですね。


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