恥ずかしながら、他人のしあわせを見かけると、お腹が痛くなるって話
土曜日は天気が良くて、日中はアウター脱いでも大丈夫なくらいだった。朝からスーパー銭湯で交互浴をして、調子が良くて、そのままホームセンターに行った。
目当てはもちろん、園芸コーナー(ここの園芸コーナーは市内最大級)。春の花が充実していた。球根系のチューリップやスイセン、ムスカリ、スノーフレーク(鈴蘭)、ユキワリソウも可愛かったな。
一年草コーナーでは、パンジー・ビオラ系が販売されていた。たくさんの色や模様がある中でも、やはりうちの子が1番かわいいな、などと我が家のベランダのビオラを思い浮かべニヤニヤしていた。
休日の昼間のホームセンターはいい感じだった。天気の良い園芸コーナーは、多くのお客さんで溢れていたし、陽を浴びた植物たちはいい顔をしていた。ビオラ見てひとりニヤついてる猫背の男がいたとしても、平和というかしあわせというか、良い雰囲気だった。
ただただ、しあわせな風景だった
クレマチスの苗を見ている時だった。すぐ隣のお客さんは、わたしと同じ年くらいの若い夫婦っぽく見えた。3歳くらいの子がその足元でちょこちょこ歩いていた。ショッピングカートには、園芸用培養土といくつかの花苗が入っていた。アスチルベと、ゼラニウムと、ビオラ、マーガレットもあったかな。
今のわたしにはとうてい不可能な、植物との暮らしをこの人たちはしているんだ。
帰ったら、お茶でも飲んでひと休みして、それから苗を植え付けるんだろうな。ジョウロでたっぷり水をやって、気持ちのいい午後を迎えるんだろうな、って。そんなしあわせの風景が、うらやましいのか妬ましいのか、ザワザワしてしまった。
わたしはシャコバサボテンを咲かせることができた。クリスマスローズだってクレマチスだって、チューリップだって変化朝顔だって、キレイに咲かせることができるんだ。
だけど、それがなんだって言うんだ。
うちで咲いたビオラだって、ホントはああいうファミリーに育てられたほうが、しあわせだったかもしれない。そんな無意味なことを考えて、お腹が痛くなってしまう。
なんだか気が気じゃなくて、その場にいられなくて、ぱっと買い物して出てきた。わたしとしては珍しく、多肉植物を買ってきた。キラキラした花苗コーナーが落ち着かなかったんだと思う。
あと、何を育てればいいんだ。何を咲かせればいいんだ。
(所要時間30分)
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