積みの罪。

恐れていた事が起こってしまった。こうならないように普段から気をつけていたのに。僅かな気の緩みが原因で、私はとんでもないことをしてしまったのだ。

後悔後に立たずという言葉があるが、まさに今の私の状況はそれだ。その日は今日もいい日だったと、ウキウキと帰路に着いたのも束の間。私は本棚を見て崩れ落ちた。

私は同じ本を2冊買ってしまっていたのだ。

基本的に本を買う時は間違って同じものを買わないように、欲しい本と読み終わった本はメモしている。しかし、今回買ってしまった本はいわゆる積み本と言われる状態になっていたので、まだ読んでいなかった。

欲しい本のメモからはしっかり消していたのだが、愚かなことに、もしかしたらメモ漏れがあったのかもしれないと考えてしまった。冷静であれば、今回は我慢して次回買おうという判断が出来るのだが、その時の私は浮かれていた。

いや、もはやその時の私の心理状態などどうでも良い。私は罪を犯した。たった一時の好奇心に勝てず、目先の快楽を選んだ。いやしい人間なのだ。

もし、あの日あの時に戻れるのならば、積み本などせずに手元の本と真摯に向き合い、読み切ってから、新たな本との出会いを求めることだろう。

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