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土曜日,たっぷり昼寝をして夕方に家を出てみると,多分ずっと降っていた雨はやんでいて、あまりにも暗いようで明るくて,街全体が水の中に沈んだみたいで。

なんだか、何かが始まりそうな,もう終わってしまいそうな、そんな風が少し吹いていた。
羊文学を片耳に流していたからかもしれないけれど。

いつも朝に流れる景色。いつもとは逆方向に、夜に進んでみる。朝の気だるさみたいなものはやっぱりなくて、代わりに夜に駆け出すほどの元気さはないにしても,少し落ち着いているような。夜が誰もにとって嬉しいモノではないはずだし。
宵の入り、東から西にハイエースで向かうと、夜から逃げているみたいで、車の中だけは安心な場所みたいで、そこですやすや眠る
──みたいになるらしい。これはインタビューで塩塚モエカが言っていたこと。なんて詩的な表現なんだろうと思った。

昨日お風呂に入って、ずっと寝てたり料理を作ったり家にいて、また今からお風呂に入りに行く。湯に浸かるために生きているみたいだな。
大概の人の行動はその「〜ため」に集約されてしまいそうだけれど。
同じことを繰り返すのは心地いいと、誰かが言っていた。
僕もある種では、そうおもう。

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