”快適性”の指標が明確になり購入するだけの価値を見込めるようになった|住宅への価値観の変遷 6
住宅の性能を測る定量的な指標。耐震等級に続き、住宅内の温熱環境を左右する2つの指標を新たに知ることができた。
住宅の快適性を左右する断熱・機密性能
類は友を呼ぶというか、最初に見始めた建築系YouTubeチャンネルからオススメされる動画はそのほとんどが温熱環境を重視する建築士の動画ばかりであった。
同じような価値観で仕事をしている彼らは、横のつながりでお互いのYouTubeチャンネルに登場し合う仲になっている。
だからというわけでは無いが、僕自身も彼らの発信する情報に影響されて、さもそれが当たり前の世界なんだと思うくらいにある種の洗脳状態になっていった。
大事なのは、断熱性能と機密性能だと。
彼等が温熱環境の重要性を主張する理由はこうである。
まずは、ヒートショック対策。
ヒートショックを引き起こさないためには、住居内の寒暖差を無くす。そのためには、家一棟を魔法瓶のように丸っと断熱材で包み込み、更には外から冷たい空気の侵入を防ぐために隙間の無い家を作る。
こうする事で、少ない光熱費で家全体を同じ室温に保つことが可能となる。
寒暖差のない住宅は、そのまま生活品質の向上につながる。
もう一つは地球環境への配慮。
今後さらに脱炭素社会が進むにつれ、各家庭の電気代が高騰するという。
この対応には、住宅内での省エネや自然エネルギーの活用が、必要になってくる。
省エネについては、住宅内の保温性を高めれば、夏だろうが冬だろうがエアコン一台で住居内の空調を賄うことができる。
更に、設計の工夫で真冬の太陽の熱を屋内にうまく取り入れることができれば、日中のエアコンはほとんど動かなくても良くなる。
これはパッシブ設計というもの。
また、太陽光パネルを設置することで家庭で使用する電力をある程度賄うことができ経済的なメリットもある。
おそらくZEHのコンセプトも同じようなものである。
各YouTubeチャンネルで、それぞれ強みとしているものは異なるものの質のいい温熱環境を目指す点ではどこも似たようなものである。
というわけで、僕の頭の中も温熱環境重視した住宅づくりに定着していくのである。
とはいえ、今後年老いていく自分自身や家族の健康のことを考えれば間違った考えでは無いし、投資する対象としてもごもっともである。そうして断熱機密を重視した高性能住宅は僕の家づくりの指針となったのである。
Ua値とC値が僕の住宅への価値基準
断熱性能と機密性能はそれぞれ定量的な指標が存在する。
断熱性能の指標であるUa値は直接的に家の暑さ/寒さに影響すると言われている。
ちなみに現時点でその高性能な家を体験したことはないが、逆の条件であれば散々体験してきている。
幼少期に僕が住んでいた住居は、断熱材などは使われておらず、暖房でいくら部屋をあたためても壁際や窓際はキンキンに冷えており、一階の畳の隙間からは冷たい空気が入り込んでいた。機密性を図るC値という概念が当てはまるわけがない旧来の住宅だ。
その後、大人になって借りたマンションも真夏にエアコンの付いていない部屋に移動するだけで汗ばむし、トイレに長時間は座ってられない。
真冬は一度布団に入ってしまえば次に布団から出るのは朝になってからだ。そのせいで寝た格好でできることしか行動の選択肢は無かった。僕個人の人間性だが、住居内の寒暖差が激しいと活動範囲も狭くなってしまう。
屋外だろうが屋内だろうが夏は暑くて冬は寒いのが当たり前のことだが、それが当たり前ではない環境を手に入れることができる。
この二つの性能指標の存在を知った時から、関連する動画を食い入るように漁った。フォロー対象となった建築士達は僕のこれまでの住宅への価値観を論理的に崩していき、そして僕自身に全く新しい価値基準を植え付けたのである。
住宅と言う大きな買い物をしようと思ってから、その金額に見合う価値を感じていなかったが、快適な温熱環境で家族が健康的に暮らすことができる。その価値を図る指標を知ることができた。注文住宅を選択するに十分な理由になりえたのである。
今日はここまで。
(住宅への価値観の変遷 7 へ続く)
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