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100%の力

 音楽の話ですが、今日ちょうど教則動画【セッションの心得】の収録を終えて、また字に起こしておこうと思って綴っています。

動画はこちら↓

 皆さん、いつも何%くらいの力で演奏していますか?私はもっと若い頃は力をこめてなんぼだと思っていました。特にベースアンプがない現場が多いNYでは「あの人音が大きいんだよ!」ていうのが褒め言葉の一つでもありました。それは音楽的になのか、単に物理的に音量が馬鹿でかいのかは謎ですが、自分がそう言われると誇らしげに思ったりもしました。

実際、毎回そんな演奏の翌日は必ず両腕が怠くて少し痛みました。そんなことずっと続けていたらきっと腱鞘炎になっていたでしょう。

 でもある日、300bpmくらいのテンポの曲を弾いた時、なぜか調子が良かったのです。いつもだったらそんな高速の曲をコールされたらドラゴンボールの悟空のように腕をくるくるさせて「よーし!」って感じでしたが、その日はパラパラパラっと弾けたのです。何が違ったかというと力を抜いたこと。音量も小さくなりますが、早く弾かないといけないから動かす腕も力を込めてではないのでした。そこで大事なのは頭の中でベースラインを歌うこと。頭で鳴ってもいない音を弾けるわけがありません。それも瞬時に。

 私は大きい音よりも人に届く音を意識して演奏しています。一つ一つの音に気持ちを込めて。要らない力はかけずに、ポーンと音を飛ばすイメージを持って弦を弾く。体重を上手いことかけてあげると腕の力もそんなにいらないです。力いっぱい弾いた音は潰れてしまいますものね。ぜひ試してみてくださいね。

 NYは本当にクールな街。ジャズメンもクールなんです。ド派手なものは「ふ〜ん」って感じ。静と動があったとしたら、静の方かな。仲間の挨拶すらクールな感じです。音楽もデカイ音よりも繊細でメロディアスな音が好まれるような気がします。

 日本に帰ってきて、大きい音を出すことで大きな拍手をもらっているのをたまに目にしますが、プレイヤーは気をつけないといけないところかなとわたしは思います。楽器を投げたり、歯で楽器を弾いたりするのは違うジャンルの人たちにお任せしましょう。

 インスタントな刺激や映えばかりを追いかける世の中ですが、私はジャズは全く別の美しさがあるのではないかな、と思います。

 自分の人生もジャズに反映させて30〜40%の力で楽に余裕を持って楽しくできたらいいなと思っています。

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