ベースライン
最近よく聞かれるのは一体、ベースラインを弾いているときになにを意識しているのか?ということ。今日はわたしが何を意識してベースラインを弾いているのか、綴ってみようと思います。
まず、ジャズの最大の特徴の一つでもあるものってなんでしょう。四分音符を並べた『ウォーキングベースライン』ですよね。ドラムのライドシンバルと共に一緒にスイングするのは気持ちがいいものです。それに加わってくるピアノやギターのコンピング(伴奏)その上でのびのびと歌うソリスト。。。ウォーキングベースラインを弾いている時最高に幸せを感じるのはわたしだけでしょうか?
でもこれって意外とコツがいるのです。四分音符ずっと弾いているだけじゃないの?なんて思ったら大間違い。みんなが気持ちよくソロをしている下でずっと即興演奏を続けているのが私たちベーシスト。でもなかなかグルーヴ出来なかったり、音がぶつぶつ切れてしまったり。1小節に4つの音を並べていくのに悩みがあるんですよね。ベースはグルーヴを出しつつ、ハーモニーのルート(根っこ)音を弾いてバンドというチームをこっちだよーって導いてあげるのが役目だとわたしは思っています。
わたしはNYにいた頃、セッションのホストを長年務めていました。みなさんソロが鬼のように長かったから(長い時は一曲30分なんてことも)随分鍛えられたっけな。もう散々ベースラインという形でインプロ(improvisation)しているので、自分にソロが回ってきた頃には、もうお腹いっぱいです‥なんてこともしばしばありました。
ベーシストによっていろんなスタイルやポリシーみたいなものがあると思うのですが、わたしが心がけていることは、そこのある音楽、またはバンドのメンバーのために大きくて安心感のある絨毯を敷いてあげるようなラインを弾くこと。なんか抽象的でわかりにくいかもしれませんが、イメージはそんな感じです。その絨毯(目指すはレッドカーペット)の上を颯爽とソリストに歩いてもらうこと。授賞式はこちらですよー、と導くようなラインを弾くこと。
技術的にいうと、大事に思っている音を順に言うとすれば、一番大事にしているのがルート。その次は5度。その次は3度。その次あたりが7thかな。ダウンビートにコードトーンがくるようにしたり、文章ではあんまり説明が難しいですが、それを踏まえてラインを考えていきます。まるで山が登ったり降りたりするように。たまに大きくスキップして楽しんでみたり。
でもここで大事なのは、ラインを歌うようにメロディックにしていくということ。ついつい次は何メジャーでこの後はこれのll-7 V7だから‥なんて機械的に考えていませんか?こんなふうにコード進行を学んでおくことは大切ですが、意外と自分ってちゃんとコードを覚えているものです。ベースラインを歌ってみてください。驚くほど出てきます。いつも弾かないようなラインまで。そしてブツブツ切れがちだった音同士も繋がってツーっときれいに絨毯を敷いたように続いていけるのです。
これが練習でできるようになったら、バンドでやってみましょう。バンドと一緒の時はもちろん自分の音だけではなく、周りの音をよく聴いて。周りにはたくさんのいいアイディアや面白いフレーズで溢れているのでソリストに思いっきり自分のベースラインの上で遊んでもらっちゃいましょう。きっとバンドのサウンドがいつもよりよくなっているはず?
ベーシストの皆さんのベースラインを弾いている時のイメージってどんなのだろう。気になるところですね。
次回はグルーヴについて綴ってみようかな。
では、Enjoy Practicing!!
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