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2021年6月 大隅半島先端をひと巡り

今年になってからジェットスターで予約した便が欠航となり、フライトバウチャーで払い戻しをして、新たに別便を予約し直し、それがまた欠航し、払い戻され、日にちも行く先も改めて取り直して…、なんてことを何度もやっていて、宮崎便をやっと利用できることになった。成田空港第3ターミナルへ来るのは、半年ぶり。あれ、PCRセンターなんてできている。

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第2から第3へ移動するバス乗り場が工事中で、バスは昔のように大回りして第3ターミナルへ向かうから時間がかかる。急ぐ時は歩いた方がよさそうだな。で、第3ターミナルは案の定、人は少ない。定刻に出発した宮崎便は乗客半分ちょっとぐらい。座席の割り振りがアカン。LCCをひとりで利用する時は追加料金一切払いたくないから、座席指定などしない。出発前にWEBチェックインして割り当てられたのは16C。AとBにはしっかり客がいる。DEFも16列は埋まってる。が、1列前は6席すべて空席。見渡せば、そんな空席列が結構ある。3人並ばせるより、空席があるのだから密を避けて割り当てればいいのに、配慮がないなあ。推測するに、システム上の限界なのだろうけど。少なくともANAやJALでは均一に割り振っているように思うが。

定刻少し前に宮崎空港着。スカイレンタカーの迎えの車でレンタカー屋へ。今日から48時間、あしかけ3日間で、4500円というチョー格安料金。安い訳は車種未定、自分では選べず、どんな車か当日行ってみないと分からんというプラン。どうせ軽自動車だろうと思っていたら、なんと日産セレナ。デカいなあ。慣れたら運転も快適。

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さて、今日は宿泊地、鹿屋市を目指す。朝、家を出てくるときは小雨が降っていたが、こちらは快晴。気温も高く、暑い。さすが南国。高速を走っていると、頂に雲を被った霧島連山に雲の隙間から幾筋もの光が降り注ぎ、神々しく見えた。脇見運転注意。高速を下りて、道の駅で飲み物を買う。財宝と脇に書かれた自販機。財宝とは、温泉水の販売で有名なところ。その温泉水を80円で買える。体に良さそうな味。

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17時過ぎ、今夜の宿、太平温泉に着いた。広い駐車場には車がたくさん停まっている。銭湯形式の温泉が人気で地元の常連客が朝から晩まで入浴するために来ているのだ。部屋は別館のシングルルーム。素泊まり4400円。朝食500円を付けてもらった。別館の階段入り口には、こんな注意書き。そういえば口コミで、別館入り口周辺が野良猫臭いと指摘している人もいた。

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別館はちょっと上等な飯場宿舎みたい。荷物を置いたら飯に出かけよう。こんなご時世だし、飲み屋ではなく、とんかつ屋で簡単に夕食を済ませようと思っていたが、フロントで今日は定休日と教えられたので、飲み屋の様子を探ることに。早い時間にサクッと済ませばいいかな。で、飲み屋街の入り口、黒ぢょかという店をのぞいてみた。17時半過ぎ、先客老夫婦2名。よし、ここだ。

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まずは生ビール。先客はまもなく帰られた。養蜂を仕事とされていて、ここ鹿屋から花と共に北上する暮らしで、鹿屋と北海道に自宅があるそうな。へえ。奥さんは外国の方だけど、もちろん達者な日本語。ロシアの方かな。さて、つまみはモズク酢、姫甘エビ唐揚げ。唐揚げは1人前だと量が多いから、少しにしておきましょう、と女将さん優しい。千葉から来たと話したら、お姉さん夫妻が木更津にお住まいとか。唐揚げは甘エビの香りがとてもいい。生をお代わり。

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奥の部屋に4人グループが入った。さて、名物のおでんをもらいますか。味噌で煮込んだ、豚バラとナンコツ。酒は前割のイモ焼酎をお燗で。店の名が千代香だもんね。ナンコツ、とろける旨さ。味噌の味が優しく染み込んでいる。バラの脂はこれまた絶品。脂だけ食べていたいくらい。焼酎も旨いねえ。

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おでんをさらに、ダイコンと玉子。そして、イワシのつけ揚げ。どれも美味しい。で、とどめは竹の子。トカラで食べた大名タケノコと同じかと思ったら、これは種子島産の苦竹、とのこと。調べたら、えらい高値で売られてる。名前とは違って、苦くはなく、とても柔らかくて風味もあり美味しい。これだけ盛ってくれて、150円は安い。サイコー。

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気がつけば、1時間半ほど楽しませてもらっていた。お勘定も、生ビールも2杯、焼酎も2合いただいて、3400円とリーズナブル。まだ明るい空の下、ぶらぶらと歩いて帰った。

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宿は、というか、温泉は大繁盛。さっそく入ってみると、炭酸水素泉のヌルヌル系のお湯。いわゆる美人の湯。いいお湯だ。サウナも2種類。いや、さっぱりした。部屋に戻り、コンビニで買ってきたイモ焼酎島美人のハイボールを飲み、22時からはピーチのバーゲンセールにトライしてみたが、脆弱なWi-Fi環境でほとんど繋がらず、諦めた。

翌朝は5時過ぎ起床。今日も晴れている。ありがたや。朝風呂の前に近所を散歩。高台に野球場や武道館などの運動公園があるのでそこへ。熊野神社にまずはお参り。

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一角に土俵があるのが鹿児島ならでは。

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東の空に朝陽が昇っている。自宅よりずいぶん日の出が遅い感じ。

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公園内に昔の蒸気機関車の動輪が置かれていた。そうか昭和47年に国鉄大隅線は全通したのか。

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宿に戻って、朝風呂。早くも駐車場には車がやってきて、浴室も賑わっていた。朝食はシンプル、十分。昨夜のおでんの味噌もそうだったが、味噌汁の味噌はやや甘め。こちらは醤油も甘いもんね。

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チェックアウトして、昨夜の店の女将さんからぜひ行くようにと勧められた、海岸沿いの2ヵ所へ。まず荒平神社。満潮時は消える参道が歩けた。犬を連れたジイサンがひとりぼんやり。

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階段を登っていくといきなり急になって、ロープまで出てきた。

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鹿児島湾の穏やかな眺めを楽しみ、すぐ近くのユクサおおすみ海の学校へ。廃校になった小学校を利用して、宿泊施設やカフェ、自転車やカヤックのショップなどに使われている。広いグランドの先に海。キャンプもできるようで、楽しいだろうな。

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九州最南端の佐多岬を目指して、大隅半島の西海岸を南下する。振り返れば、桜島が見える。

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やがて右手前方には開聞岳が見えてきた。南下するにつれ、どんどん大きくなっていく。

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先へ先へ進むと、小さな入り江にぎゅっとかたまった小魚村。なんだか離島に来てるような感じ。そして、とうとう突き当たり、佐多岬。俯瞰した風景が冒頭の写真。駐車場に車を置いて、長いトンネルを歩く。

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抜けてから、さらに神社脇を通り、下って、登って。屋久島行きの船かな、けっこう大きな船がいく。

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やっと、展望台に着いた。

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屋久島は海上にうっすら。写真では写せないくらい。三島村の竹島、硫黄島がよく見える。黒島は見えず。このあたりの島へもいずれ来なくては。

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駐車場へ戻り、ショップでソフトクリームを買って、ひとやすみ。

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さあ、ここからは大隅半島の東海岸へ。目指したのは、美しいビーチ、辺塚海岸。秘境っぽい、行き止まりみたいな場所。人っ子ひとりいない。東南アジアのリゾートビーチみたい。

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ウミガメの上陸地でもあるらしい。人がいないからウミガメも安心して上陸できそうだな。

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美しい砂浜に下りてみると、いろいろな花が咲いていた。まずは、ハマゴウ。

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こちらはテリハノイバラ、かな。

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さらに、黄色い花。これは調べてもよく分からない。ハマニガナかな、と思ったが、葉っぱが違う。ウェデリア(アメリカハマグルマ)というやつかも。

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辺塚海岸から少し北へ行くと、そこもまた美しいビーチ。岸良海岸。こっちは行き止まりではないし、消波ブロックが置かれていたりして、秘境という感じは薄い。まあ、でも十分に美しい砂浜。

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さらに行くと、内之浦。ロケットセンターは、この後、打ち上げ計画があるようで、見学できるのはパラボラアンテナ2ヵ所付近のみだった。大きなアンテナからはジーとか音がして、帰りには角度が変わっていた。動いていたのか。

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さらに海の近くのアンテナ。

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遠望する発射台。

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一度、入口まで戻り、資料館へ。ここにロケットセンターを作ったのは糸川英夫博士。展示内容は総じて古め。種子島で見学した内容が現代バリバリの内容だっただけに、見劣りしてしまった。種子島の方には、ロケットマニアのロシア人も見学に来ていたくらいだからな。彼は元気にしてるかしら。

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さあ、先へ行こう。志布志、大阪からフェリー、さんふらわあが通っている。

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もうまもなく県境。越えれば、今夜の宿がある串間市だ。

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