2021年12月 宮古諸島へ 池間島篇
2日目:池間島
伊良部島を後に、宮古島島内を経て、池間大橋を渡って池間島へ。以前にも来たことはあるが、数時間しか滞在しなかった。なので、今回は1泊することにした。池間島は宮古諸島の中でも少々変わっているらしい。なにせ、池間民族と島出身者を呼んでいて、方言も異なる。まずは池間湿原へ。途中で車の前を、足の長い鳥が横切った。オオクイナ。写真を撮りたかったなあ。車を駐めて、展望台から湿原を見渡す。鳥が飛び立っていく。コンパクトカメラしか今回は持ってきてないので、寄り切れない。ムラサキサギ、それともオオバン?
こちらはカモの仲間。
海岸沿いに出てみる。カギンミビーチ。ロープの浜。文字通り、ロープを伝って降りる。
と、美しいビーチ。
しかし、浜をよくよく見てみたら、ありゃ、ここにも来てるわ。軽石。2ヵ月前に加計呂麻で見たのが初めてだったなあ。
そして、池間燈台。
道端にはリュウキュウアサギマダラ。
今夜のお宿は、本当は友人御用達の勝連荘のつもりだったが、工事の人たちで満室と言われ、ぎりぎりまで待ったのだが、1週間ほど前に電話がかかってきて、やはり空きそうにないから知り合いの宿に泊まってほしいと言われた。そこは素泊まりだから、食事はウチで用意するから、とも。そういうわけで世話になることになった、ブーゲンビリア。母屋の隣に立つ離れ丸ごと1棟。きれいな部屋、キッチン、バストイレ、全部ゆったりした造りで揃っている。クーちゃんというワンコが大歓迎してくれた。
そして、広々したベランダもある。庭の木々の向こうには海も見えて居心地いい。ウェルカムドリンクを出していただいたので、ここでいただいた。
こちらのご夫妻は、元は千葉県の松戸にお住まいだった。ご主人の退職を機に、奥さんの実家へ移住された。ご主人がこっちへ来てから練習し始めたという三線を聴かせて下さった。島唄を弾き語りし、奥さんも三板で、唄も合いの手を入れて、エエ感じやわ。他の島の唄を、池間島に読み替えての熱演。
さて、近辺を歩いてこよう。こちらが宿の全景。文字通り、ブーゲンビリアがたくさん咲いている。
海際には移住者の自宅か、それとも別荘だろうか、お洒落な真っ白の邸宅が立ち、芝生が敷き詰められている。お、路地に花が咲いているが、名前が分からない。
ブーゲンビリアから徒歩数分の所に、後で食事をするために来る勝連荘が立っている。ポップなペイントやなあ。いいねえ。
海に面して公民館がある。子供らが中で数名遊んでいた。外には大人が数名、タバコを吸ったりして集まっている。この前の広場で、ミヤークヅツという伝統的なお祭りが行われるのだ。
一回りして、近くの商店で買ったビールなど吞んで、18時半、夕食をいただきに勝連荘へ。なんと、満室のはずが、工事が終わって皆さん帰ったのだとか。ブーゲンビリアに声をかけて頼んでしまったから悪いと思って、とお母さん。夕食は漁師のお父さんが相手をしてくれる。お二人にはすでに孫どころかひ孫までいる。若く見えるなあ。そういえば、ブーゲンビリアの奥さんとこちらのお母さんは踊りの練習仲間。池間民族は美人が多いと聞いたことがあるが、確かにどちらも美人。
夕食膳はこんなご馳走。刺身皿には、ここではティラジャと呼ぶマガキガイ(加計呂麻ではテラダ、奄美大島ではトビンニャ)、タコ、そしてお父さんが獲ってきてくれたイソマグロ(島弁でクカチン)。イソマグロが旨い。煮魚はレンコダイ。南蛮漬けにした揚げ魚はオジサン。そしてシャコ貝刺身。シャコ貝はもっと大きいのも貝殻をよく見かけるが、食べるのはこのサイズが一番美味しいそうな。キモも旨いねえ! すると、お父さんが、このシャコ貝を獲った漁師さんに電話して、その人も一緒に吞むことになった。二人で会話されると、何を話してるのか全く分からん。多良川を何杯もお代わりしてしまった。
外装といい、部屋の内装や、飾ってあるものなど、お洒落なセンスを感じさせてくれる。誰がしたのか訊いたら、お孫さんの女子高生だった。やるじゃん。自分であれこれ工夫して壁紙など探したり、先代が遠洋へ出かけていた時代に南洋などで買い集めてしまい込まれていたモノを引っ張り出してきて飾ったり、すべて彼女のセンスとのこと。とってもいいねえ。隣の部屋からはその彼女らの笑い声が絶えることなく、響き渡っていて、本当にいいご家庭だなと思わせてくれた。たっぷり2時間あまり、吞んで食べて、お話をさせてもらって、大満足でもう1軒の宿に帰った。
3日目:池間島
翌朝の朝食も勝連荘で。女子高生は入れ違いに学校へ出かけていった。朝ご飯も美味しかった。特に焼き魚(アツアツの玉子焼きの下に隠れている)。訊けば、昨夜のイソマグロの大トロ部分を焼いて下さったそう。ひょえー。旨い訳だ。ご馳走様でした。
チェックアウト前に集落をもう一回り。
貝殻を飾った塀がいい感じ。
白い猫がご挨拶。
港にはお祭りに使うのか、カラフルなサバニが並んでいた。
港近くで目に留まったのは、石碑と丸いドーム。碑の方は、1797年に近くで座礁した英国船の来航200年記念碑。ドームは中に銛のようなものが入っているだけで訳が分からない。
昨夜も話を聞いたが、池間島はかつてはカツオ漁でものすごく栄えて、若い人たちも大勢働きに来ていた。この小さな島に映画館が3軒もあったという。が、今は昔。カツオのモニュメントが立つ公園も草がぼうぼうで寂しい風情だった。さて、池間大橋を渡って、大神島へ向かうとするか。