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2024年5月 出雲

ホテルを出て、宍道湖の北側を西へ。平田は、もともとは近江商人が開発した町、江戸時代には京都や大阪で人気の「雲州平田木綿」の産地として栄えたそうだ。今も古い町並みが残り、酒蔵や醤油蔵が今も続いている。

トキワツユクサが花盛り。
木の玩具を作って販売している店。
軒下にはツバメの巣。ヒナたちがエサを待っていた。
日向ぼっこが気持ちイイねえ、白猫君。
竹筒に花を生けているお宅が多かった。
町外れの宇美神社は縁切りの神様。ここで悪い縁を切ってから、出雲大社で縁を結ぶといいそうな。

さらに西へ。日御碕。

日御碕灯台。レトロな灯台の佇まいが、いい感じ。この日、日本海は穏やかだった。
灯台近くの岩場には、釣り人がいた。怖くないのかしらねえ。
土産物屋にはフグの飾り。近くの店でマンゴーソフトクリームを買って一服した。

さあ、いよいよ本日のメイン、出雲大社へ。まずは昼メシ。レトロな洋館でパスタランチを、と行ってみたら、あちゃ、定休日。近くにシブい寿司屋があった。少し待って、入店。外人さんカップルも後ろに並んでいた。きっと口コミ情報だな。

浪花鮓。大正解だった。ランチセット、握りの他に、小鉢と茶碗蒸し、みそ汁。ネタはどれも上等なり。たまたま、来る途中、カミさんが近頃まともな寿司屋に行ってないとグチをこぼしていたので、サイコーのご機嫌取りとなった。

さあ、お詣りするか。その前に、参道へ。

門前の老舗旅館竹野屋は、某有名歌手のご実家。
出雲名物、ぜんざいを冷たいバージョンでいただく。うん、甘過ぎず、美味しい。

さあ、いよいよ今度こそお詣り。事前にNHKの2時間で回る出雲大社という番組を観て予習してきてある。アンコールワットへ行った時も、2時間で回るシリーズが大変役に立ったので、今回も大いに心強い。

ぼくは昔、お詣りしたことあるが、カミさんは今回が初めて。
大鳥居をくぐると、参道はゆるく下っていく。まずは、ちょっと先の右手、祓社にお詣り。

川を渡る手前左手に、土俵。相撲の元祖野見宿禰神社が祀られている。土俵は工事中のようだった。松の参道左手を進むと、参道左右に大国主命の像がある。左にはウサギと対面する大国主命、右には波の上に乗る光の玉と対面する大国主命。神話のワンシーン。

ムスビのご神像。大国主命が、海の彼方から飛んできた光、すなわち、「幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)」の力を受取り、縁結びの神となった。

で、いよいよ、銅の鳥居をくぐる。

拝殿。日本一の注連縄はこれではない。
ご本殿に参拝。ここは、二礼四拍手一礼。ご本殿前にこのような紋様。これが、発掘調査によって明らかになった、3本の太い心柱をたばねて4ヵ所の基礎としたその場所を示す。

正面から参拝後、一度、右後ろに下がり、振り返る、というのがNHK番組のルート。

すると、その場所が、ご本殿がもっとも美しく見えるビューポイントである。大社造りの屋根の様子もバッチリ。
さすがに出雲大社。おみくじや絵馬の量がハンパない。

宝物殿をかるく見学して、ご本殿右側を回り込む。そこには、10月、全国から集まる神々が鎮座する場所、十九社。さらに裏手に回り込めば、素戔嗚尊を祀る素鵞社(そがのやしろ)。

出雲大社境内各所にはこのようなウサギの像が置かれていて、映えを狙う女子達が群がっている。うーん、ついて行けんなあ。

さらに西に回り込むと、ご本殿の真西。実は本殿内の神座は西を向いているため、こちらで拝むとご神体の正面となるのだ。

もちろん、ここでも二礼四柏手一礼。

さてこれで、銅の鳥居に戻る。番組通りにするなら、鳥居を出て、左手へ行き、真名井の清水まで向かうのだが、さすがにこれはパス。大注連縄の神楽殿へ。

これはNHK番組で知った。銅の鳥井脇の石垣の上の木の囲いは、石の形に合わせて木が削られている。細かな技がそこにあるのだ。
こちらが正真正銘、大注連縄。神楽殿正面。昨年4月に掛け替えられたばかり。

これで参拝は終了。2時間まではかからず。お隣にある古代出雲歴史博物館へ車を移動。

ご本殿前の発掘調査から様々な学者先生が大昔の出雲大社を復元想定。そのひとつ。凄いねえ。ありがたさも一入だったことだろう。
前に見学したときにも圧倒された。国宝、銅剣、銅矛、そして下の写真、銅鐸。
こんなに国宝が並べられていると、ありがたみも薄まるような気がしてしまう。
今回気になった展示。東北地方の縄文時代の土偶が出雲まで伝わっていたという。いったい、どうやってやって来たのか。
ご本殿前から発掘された心柱。

宿へ向かう前に、最後にもう1ヵ所、寄り道。出雲キルト美術館。看板が出ていたのを見て、自らもキルトをやるカミさんが行ってみたいと言う。出雲空港の近く。美術館のキルト作品は撮影禁止。周囲の風景が素晴らしかった。

美術館前に、田植えのための水を張った水田の向こうに、立派な築地松。かつてこの地方の屋敷は、洪水を防ぐために周囲に土居を築き、それを崩れぬよう固めるために松を植えたという。
麦秋の季節。強い風に麦がたなびいていた。

さて、今夜の宿は出雲市駅裏のホテル。チェックインしてから、まず1人で酒蔵へ。昔、見学もさせてもらったことがある。十旭日を醸す旭日酒造。利き酒を少々、1本、赤いラベルを購入。

出雲市駅正面。ホテルは反対側。
濃潤な味わいの酒。東京近辺では飲める店は少ないのが残念。

夕食は、前に蔵見学をした時に、女性杜氏さんから勧められた店を再訪。粉屋こん吉堂。事前に予約お願いしていたが、勘違いして日を間違えていた。大失敗。幸いにも席はあったからいいものの。冷や汗ですなあ。

粉屋こん吉堂。基本は明石焼きの店。
まずは、ひやおろしをひやで。うーん、旨いなあ。
つまみ類は中華料理。韮菜薄餅、ニラを炒めて、米粉のクレープで包んでいただく。他には、アジなめろう、薄餅、涼拌茄子などいただいたが、どれも美味しい。
そして、こん吉堂といえば、お燗。島根県産酒米で仕込んだ純米吟醸。こりゃ旨い。
〆はもちろん玉子焼き、こと明石焼き。出汁が旨いんだ。

この後、いわゆる出雲らしいものをもう少し食べようと、目星をつけていた居酒屋へ行こうとしたが、金曜の夜とあってか、2軒とも予約がないと満席と断られた。しょうがない、おとなしくホテルに戻って、大浴場へ。

温泉ではないが、大浴場あり。
このホテル、出雲グリーンホテルモーリス。漫画ライブラリーが充実してる。
このシリーズ面白い。2冊読んだけど、続き読みたいかも。

さあ、明日は石見銀山から温泉津温泉へ。

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