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2021年10月 高知県西南端、沖の島へ

高知県の西南部、宿毛市沖に沖の島という島がある。石垣と狭い石段が独特の景観を作りだしている島。以前から一度行ってみたいと思っていて、昨年来、何度かトライしようとしたが、コロナ禍のため来島自粛となっていて、機会を逸していたが、緊急事態宣言も明けて、ようやく行けることとなった。LCCでまずは高知龍馬空港へ。が、空港周辺激しい雷雲が発生しているので、場合によっては成田へ引き換え可能性アリという条件付き運航。空港上空で10分ほど旋回して、なんとか着陸できた。降機すると、雨はほとんど降っていなかったが、レンタカー会社の人によれば激しい豪雨と雷が続いていたそうだ。レンタカーを借りだし、一路、西へ。自動車道部分が大半のため、2時間半ほどで宿毛市着。ビジネスホテルにチェックインし、おすすめという居酒屋へ。眞兵衛。

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夫婦二人で切り盛りする店。カウンター端に陣取り、生ビール。刺身盛合せは、カツオ、イサキ、ケンサキイカ。おお、どれも旨い。ひょっとしたら予約で混み合ってるかもしれないからとホテルのフロントが電話をしてくれたのだが、地元でも人気の店らしい。カウンターの棚にはずらり焼酎の一升瓶が並ぶが、日本酒は、と訊いたら、冷蔵庫からあれこれ出してくれた。亀泉の純米吟醸が美味しそう。グビリ。お、これはいけます。

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肴はウツボから揚げ。ねっとりと旨い。次のお酒は仁井田米でつくった純米酒。しっかりとした旨味。川エビのから揚げ。真っ赤な殻。芳ばしくて美味しい。

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奥の座敷に、続々お客さんが入っていく。早めに切り上げるとするか。終着駅、宿毛駅を見に行ってみた。高架駅。

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明日の朝は早いのでコンビニで朝食や寝酒を買ってホテルに戻った。

沖の島への船は7時発。簡単な朝食を済ませて港へ。沖の島で世話になる宿の駐車場があるので、そこへレンタカーを停め置く。小さな待合所の先に船はもう停泊している。船は宿毛市営の定期船「すくも」。昨日とは違って、朝から上天気。

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対岸には小さな造船所が見える。

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島までは片道1350円。6時40分、乗船。

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港には色とりどりの渡船が停泊中。

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穏やかな海へと定刻7時出航。50分で鵜来(うぐる)島。数名の乗り降り。朝刊や郵便などの荷物も下ろされた。この島へも本当は寄りたかったのだが、船のダイヤの都合上、無理だった。港には10軒ほどの小集落。

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船は沖の島へ向かう。はじめに、島の南の港、弘瀬港へ。で、次に目的地、母島(もじま)港へ入港。宿を予約した時、迎えに行きますと宿の人に言われたが、岸壁の目の前が旅館おきのしま、だった。

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早速、2階の部屋へ案内された。荷を置いて、電動自転車を借りて、島内探検へ。できれば島山100選にも選ばれた妹背山へも登りたかったが、宿のご主人は昨日の雨がひどかったから、登山道が荒れていると思うからやめた方がいいとアドバイスしてくれた。午前中は島の西側へ行く方が良いとも。急坂を電動アシストで登り、島の中央西部に突き出す白岩岬へ向かう。見下ろす海の青い色がハンパなく美しい。

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道路脇には所々で激しく流れ落ちる湧き水。水量が凄まじい。こりゃ登山道も危ない訳だわ。

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そして白岩岬。

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沖に浮かぶのは姫島。緑の芝生はキャンプ場で、トイレ、水場、BBQ台などが整備されていた。右端の島は鵜来島。先端まで行くと、四国最南端の灯、という石碑が島の南端に立つ燈台の方向を指していた。

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周辺にはハイビスカスの花。南国っぽいねえ。

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岬からしばらく平坦な道を南下、やがて弘瀬集落へ下りていく。先ほど船から見た弘瀬港には、保健婦初子の像。この地で大正生まれの荒木初子さんは、戦後の衛生管理、健康管理が不十分な中で、乳児死亡率改善やフィラリア撲滅に尽力された功労者。

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集落外れの岩場に立つ鴨姫神社へ。小さなカニがいる。

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各集落のイラストマップを港の待合所で入手したので、それを頼りに、集落の上の方へ自転車を向けたら、途中から急に細くなり、人が歩く道だと分かったが、もう遅い。自転車を押し歩き、階段は担いで上り下り、やっとこさ車道へ抜けた。いやはや、スゴイ所で暮らしているんだなあ。

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集落外れには廃校。

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一度、母島へ戻り、折り返して海岸線を南下。前の浜は丸石の浜、波がひくとしゃらしゃらと音がする。背後には長い長い石段が続く日吉神社。

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近くの防波堤へ寄ると、海の中を泳ぐ魚がよく見えた。

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一度、宿に戻り、昼ご飯。宿で食べるしかない。1軒ある店も今日は定休日。ちゃんぽん。野菜たっぷりで美味しい。

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壁には大物釣りの成果がたくさん。魚拓や写真。

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午後島の島の東部へ。まずは久保浦。ここはさっきの前の浜より大きな丸石の浜。

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海の中を泳ぐ黄色い縞模様の魚たち。海水温は高め。同宿の大阪からのおネエさん達は泳ぎに行くと言ってたなあ。十分泳げそうな海。

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久保浦海岸、あまり気持ちよさそうなので、日陰で読書タイム。日なたは暑いが、日陰は風も通ってひんやり気持ちいい。

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水分補給もして、さて南へ向かうか。まずは、浜から登らなくては。浜までに民家は2軒かな。それでも衆議院選のポスター掲示板が立っていた。

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道端にアサギマダラ。蝶だけなく、野鳥も非常に多い。後で確認したら、秋は特に猛禽類がたくさん渡ってくるそうだ。自転車の前を、まるで道案内するかのように飛んでは休み、飛んでは休みを繰り返す、キセキレイも多かった。

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左手に小さな廃校跡を見て、しばらく進むと、長浜集落への降り口。天満宮がひっそり立っていた。

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左手の海を見ると、彼方に足摺岬。

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さらにどんどん進むと、やがて道は行き止まり。帰り道、貝の古場のあこう、という巨樹を仰ぎ見た。

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その先の道端に石碑。土伊国境跡。かつて島が土佐と伊予に分断されていたのである。なんでこの小さな島が、と不思議。

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母島への分岐路に、島の小中学校が立っている。ここへ集約したのだな。

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母島へ戻って、改めて傾斜状の集落を眺めてみると、本当に斜面にへばりつく感じで家々が建てられている。

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集落内を往来するには狭くて急な石段を歩くしかない。

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宿に戻り、おつかれさんのビールタイム。ほぼ島の中を回ってきた。午後便の船が入港してきた。荷物を受け取りに島の皆さんが港へ集まってきて、また散らばっていく。船はあっという間に着岸して、あっという間に離岸していく。

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夕食前に、夕日を見ようと散歩に出た。集落中心部はこんな感じ。

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海岸線で沈む夕陽を楽しんだ。雲に隠れて、海に落ちる陽は見られなかったが、その代わり、ゴジラが吠えているような雲が現れて面白かった。

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夕食はこんな感じ。刺身はキハダマグロ、小魚と野菜のフライ、カボチャやエビ、サトイモなどの煮物、ゴボウサラダ。

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貝はこのあたりでタカタカと呼んでいるというギンタカハマ。神津島で昔、たくさん焼いて食べた思い出があるが、あちらはタカセガイ。種類がビミョーに違うらしいが、見た目だけではよく分からない。

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寝酒にハイボールを1缶もらって部屋に戻った。翌朝もよく晴れた。7時に朝食を済ませて、身支度して隣の宿の下の小屋で船の切符を購入。やがて昨日の朝、乗ってきた同じ便で今度は帰路につく。

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出航すると宿の皆さんが手を振ってくれた。いいなあ、こういうのは。また来たいな。

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