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2021年12月 西表島2 日本最南端の温泉

宿を出て、浦内川のボート乗り場へ向かう。朝一番の船は9時発。30分以上前にチケットを買って待つ。一番乗り。後から来た家族連れが、長靴を借りて履き替えているのを見て、ぼくも借りた。

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2階は今は物置になっているが資料館だったようで、昔の写真など展示してあった。昨日見てきた炭鉱関連の古い写真。

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なかなか船には乗せてもらえず、結局、ずいぶん後からやってきたツアーの団体客を乗せてから、乗ってもいいという。失礼な話。

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浦内川の両岸にはマングローブ。代表的なものは3種、オヒルギ、メヒルギ、そして根っこがタコ足のように伸びているヤエヤマヒルギ。

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川面にオオバン。

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そして、カッコ良く飛んで見せたのは、カンムリワシではないよね、きっと。サシバかしら。

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船は30分ほどで軍艦岩に到着。ここからジャングルを歩いて、滝めぐり。道の両脇には、サキシマスオウやオキナワウラジロガシ、ヒカゲヘゴなど密生。さらに、所々に、小さな滝が落ちている。30分ほどでマリユドゥの滝展望台。遠くに2段の滝が見える。日本の滝百選のひとつだそうな。

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展望台からさらに奥へ。12月なので花には会えないだろうと思っていたが、こんなカワイイ花が足下に。マルバルリミノキ。毛深いのが印象的。実は青い。

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そして、アリモリソウも。花に興味ない人は、立ち止まりもせず、どんどん先へ歩いて行ってしまう。お気の毒に。

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展望台から20分ほどで、カンピレーの滝に出た。滝と言ってもゆるやかな斜面を流れ落ちている。

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河原にはポットホール。

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滝の流れを見ていると、あちらこちらの石の隙間からきれいな鳴き声がきこえてくる。キュロロロ、キュロロロ…。後で野生生物センターで様々なカエルの声を聴き比べて、ヤエヤマアオガエルであると判明。

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案内図を見ると、昨日、自転車で立ち寄った仲間川展望台からさらに奥へ山を登ると、ここまで繋がっているらしい。うーん、面白そう。

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帰り道、川べりに階段を下りてみたら、マリユドゥの滝の真上だった。

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おや、蝶が地面に留まっている。ヤエヤマイチモンジ。ひらひら飛んでる姿もよく見かけた。

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帰りの船がやってきた。お客さんは少なめ。11時発の折り返しとなる。往路はゆっくり走って、あれこれ解説もしてくれたので30分かかったが、復路はまっすぐ走るだけ。あっという間に乗船場まで戻ってきた。

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上原の集落でお昼を食べようと思ったが、お目当ての食堂は2軒とも閉まっている。しょうがないので、開いている店で八重山そばを食べたが、あまり美味しくなかった。

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島の北岸沿いを走ると、沖には今回行けなかった鳩間島がよく見える。次の機会には絶対渡って泊まりたい。

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大見謝ロードパークで車を降りて、海辺へ出てみると、なかなかいい眺め。

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ヒカゲヘゴも。

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海縁のマングローブも。

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道路端には時々、車が駐められている。おそらく、滝などを見るトレッキングツアーに来てるのだろう。お、リュウキュウアサギマダラがいた。この蝶もたくさん飛び交っている。

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東海岸の方へ回り込むと、美しい海の向こうに石垣島がよく見える。

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以前にも立ち寄ったことがある西表野生生物保護センターへ。

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これが、カンピレーの滝で鳴き声を聴いたヤエヤマアオガエル。他のコーナーでカエルの声の聴き比べができたのは感動的。

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そして、島内におけるイリオモテヤマネコの目撃マップ。現れるのは夜だけかと思ったら、昼間もけっこう目撃されている。そういえば、浦内川のボートでも、このあたりを泳いでいる姿を見たこともあると船長さんが案内していたな。

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こちらは剥製。これで我慢しておきなさい。

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振り出しの大原に戻り、さらに先へ。道路の突き当たりは、南風見田の浜。ありゃ、キャンプ場ができてる。日本最南端のキャンプ場だと。浜への入り口は閉じている。イノシシ除けみたい。自分で開けてから入る。

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この浜は16年前来た時は、本当に最果て感漂っていた。砂浜に足跡ひとつなく、強く印象に残っている。が、様変わり。浜は足跡だらけ。家族連れが遊んでいる。美しい浜であることに変わりはないが、少々がっかり。

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さて、今夜のお宿、日本最南端の温泉を擁する、ラ・ティーダ西表。16年前、最南端の温泉は、西表ジャングル温泉だった。もちろん、入浴した。水着をはいて、プールみたいな屋外のでっかい風呂に入ったのをよく覚えている。その後、そちらは温泉が出なくなり、最近、この地に新たな源泉が掘り当てられた、というわけ。部屋はコテージ。ひとりで寝るには広すぎる。満室でもなさそうなのに、なぜか海が見えない部屋をあてがわれた。

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早速、温泉棟へ。今回利用した宿泊プランには温泉利用も含まれているが、そうでないと別途1800円も払わなくてはいけない。どんな立派な浴室かと思いきや、内湯と外湯があるだけのそっけない作り。しかもお湯は全く温泉っぽくない。がっかり。

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夕食はロビー棟2階のレストランで。セットメニューだが、テーブルに並べられた前菜の小鉢の中に、お品書きと書かれたメニューに書かれた、ナーベラー餡掛け、が見当たらない。若い男性スタッフに、どれがナーベラー?と訊くと、青菜のおひたしを指してこれがそうだと、平然と言うからびっくり。呆れかえって、問いただす気にもなれず。代わりにパパイヤ炒めが並んでいたのである。刺身の、カーエー(ゴマアイゴ)、タマン(フエフキダイ)はそこそこ美味しい。泡盛は、いりおもて。

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ステーキ、揚げ物と出てきた後、もちきびご飯と共に出された汁は、猪汁そば。これは美味しかった。

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久しぶりに満天の星を眺められるかと思ったが、月の明かりでさほどでもなかった。翌朝、朝食前に温泉棟の下、マーレ浜へ下りると、サンゴのかけらがびっしり。7時になってもまだ朝日は昇ってこない。

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朝食を食べようとレストランへ向かうと、やっと昇り始めた朝日が海に映えていた。

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南風見田の浜の手前にある忘勿石(わすれないし)へ。戦時中、軍から強制疎開を命じられた波照間島民がこのあたりに移り、マラリアなどにより多くの方が亡くなったという悲惨な歴史を忘れることなかれと建立された。

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入り口には大きな岩がごろごろしていているが、浜自体はきれいで、今となっては南風見田の浜より風情が感じられるように思った。

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お、小さなカニが走った。ミナミスナガニ、というのかな。

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小さな青紫色の花も咲いていた。こちらは、ムラサキムカシヨモギだろう。別名、ヤンバルヒゴタイ。こっちの名前の方がピンとくるね。

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ホテル近くの交流センター裏手の山に登ると、波照山展望台。海岸からも波照間島は見えるが、やはり上から見た方が見やすい。

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展望台の下に三角点を発見。四等三角点、って珍しいなあ。

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展望台までの山道にはいろいろな蝶がたくさん飛んでいた。なかなか止まってくれないので、撮影が難しい。やっとこさ、この子を捉えることができた。スジグロカバマダラ。南の島の蝶らしい。

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さて、車を返すまでまだ時間がある。初日に自転車で行ったのとは違う展望台へ行ってみるか。登ってみたら、仲間川は見えず。まあ、マングローブ林は確かに見えたけど。

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近くの牧場には子牛が何頭もいた。一番、元気が良かったのはこの子。

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さらに大原港の向かい側の岬、仲間崎へ行ってみたが、浜には入れず。

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さらに名所でも何でもない川のあたりからマングローブを見てたら、白い鳥がいた。

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給油して約束より30分以上前に車を返そうと戻ったら、事務所に誰もいない。電話してそのまま車を置き捨てた。初日と同じお店で、今度は八重山そばを。なかなか美味しい。千葉から来たというと、お母さんの親戚が木更津にいると嬉しそうに話してくれた。

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ちょうど、サーターアンダギーが揚がったばかりだったので、1個もらうと、アチコーコーで旨いこと。70円なり。

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港へ向かう曲がり角には、初日にマウンテンバイクを借りたお店が立っている。最後もイリオモテヤマネコに見送られて、島を出た。

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