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2022年11月 八丈島

本当は全国旅行支援の恩恵を最大に生かすために、2泊3日のツアーで八丈島へ行こうと相談していたが、条件を満たすツアーがなくて、個別手配となった。それでも宿の割引き、とりわけ都民は都民割と全国割の併用、さらにしまぽ通貨の利用でなんやかんやでかなりおトクに旅ができ事になった。アシは往復ANA便、金曜日の1便で行き、日曜日の3便で帰る。宿は椿荘。青ヶ島と縁がある宿。

ほぼ満席の飛行機から下りると、八丈島空港でクリスマスツリーがお出迎え。
青ヶ島行きのヘリの出発時刻が出ていたが、実際にはこの日、飛ばなかった。
それは後になって分かったこと。実は、せっかくなので前後に青ヶ島へ行けないかなと
事前に調べたが、9席しかないヘリはずっと予約満席だった。

レンタカーは荷物がたくさん積める商用ワゴン車。乗り心地は悪いが、まあしょうがない。とりあえず、八丈富士に登ろうと出かけた。その様子はこちら
下山して、七合目の牧場へ寄った。

広々した牧場で牛たちがのびのびしていた。耳にそれぞれ名札を付けていて、
翔平という仔牛もいた。目指せ二刀流。

この日、八丈富士の山頂付近はあいにくガスがかかっていたが、下界は好天。三原山もよく見えた。

八丈富士が西山と呼ばれるのに対し、三原山は東山。こっちの方が格段に古い山。
12年前に来た時に、一応、両方とも山頂は踏んだ。
三原山はほとんど山頂近くまで車で行けるのだ。

初日の午後はヘゴの森ツアー。案内してくれる高橋さんの砥石工房まで行った。これまで八丈島で本格的に砥石を作る人はいなかったらしい。プロの料理人からも高い評価を得ているという高橋さんの砥石。小さなカケラの砥石を土産にいただいた。

集落の石垣に使われている丸石の中に砥石の材料となる石があるという。
工房の向かいの作業場に案内されたが、青ヶ島がよく見えた。
また行きたいな、青ヶ島。
こちらは間もなく新規開店するおでん屋さん。
イスやテーブル、内装などの木材関連を高橋さんが手伝ったという。
作業場にはチェーンソーなど木材加工のための道具類もあれこれ置かれていた。
ヘゴの森ツアーを終えて、近くのガーデン荘へ。小笠原のマルハチが植えられていた。
高橋さんの八丈砥石工房にはこんな木材も置かれていて、これらの細工もしている。

初日から、八丈富士登山とヘゴの森歩きという充実した1日を過ごすことができた。宿へ戻る前に海辺で夕陽を見ようと行ったが、ちょっと遅かった。

太平洋に陽が沈んでいった。

椿荘へ向かう。底土港に近い場所。メインストリート沿いに立っていた。我々の部屋は離れ。仕事で長期滞在している人が多いようだった。夕刻、その人たちが仕事から帰ってきて、1人用の浴室2つは、順番待ち。テレビで大相撲を見てから風呂へ行くと、その方々はもう夕食を食べていらっしゃって、空いていた。
椿荘、事前の下調べでは漁師の宿で魚介類が美味しいと評判だった。19時から夕食。今夜は飲み放題プラン。割引きもあるからおトクだと勧められたみたい。仕事で来ている方々はもう食事も終わっている人もいる。後ろの部屋ではご家族の皆さんがお食事。仏壇の前のお婆さんが、ウクレレをポロリポロリと弾いていた。見ると、民謡用の縦書きの譜面を見ながらつま弾いている。凄いなあ。でもいい感じ。

刺身はマグロとカンパチ、名産うみかぜシイタケ塩焼き、巨大ハンバーグ、
キンメダイ塩焼き、多量のすき焼き、キンメダイアラ汁。
このほかにお寿司がある。
廊下で宿のお嬢さんたちが八丈太鼓の練習を始めた。後で分かったのだが、
翌日から行われる24時間ノンストップで八丈太鼓を叩き続けるイベントに
参加するためのウォーミングアップだったのだ。
飲み放題プランだったので、ビールから始めて、八丈島の焼酎をいろいろ。
八重椿、情け嶋、黄八丈などなど。しかし青酎がやはり一番旨かった。
もうお腹がいっぱい。左下は島海苔。結局、ハンバーグは半分残してしまった。

翌朝、宿の周りを散歩。きれいに晴れ上がっている。よし、八丈小島へ行けそうだぞ。

平屋建ての椿荘。建物は広くて、離れまで繋がって、部屋はかなり多い。
近くの民家の壁。八丈富士の浅間神社に奉納されていた石にもドラえもんが描かれていたが、八丈島とドラえもん、何か関係があったんだっけ?
椿荘の朝ご飯、朝もボリューム満点。

八丈小島へ行く前に、南原千畳敷へ。溶岩が造った海岸。ここにはイソギクが咲いている、はずだったが、道路の方に少し咲いているだけだった。

千畳敷の向こうにこれから向かおうとしている八丈小島がくっきり見える。
気分が盛り上がる。
八丈小島を離れざるを得なかった方々の思いを込めた碑が立っていた。
千畳敷の海岸近くにハナナタマメの花が咲いていた。
溶岩ならではの造形美。
八丈富士に敬意を表して記念撮影。
八丈富士をバックに、道路際のイソギク。

さて、そろそろ八重根漁港へ向かうか。その前に公衆トイレへ。と、脇に猫がたくさんいた。

島にたくさんのネコがいるのは当たり前の風景。

八丈小島から戻って、お昼ご飯はガイドの岩崎さんオススメのうちの1軒、一休庵の明日葉うどん。ぼくは冷やしエビ天にした。明日葉を練り込んだ麺はもっちりしていて美味しかった。支払いを宿でもらったクーポンでしようと思ったら、紙クーポンはダメでアプリにチャージしてからでないと使えなかった。これが大変面倒な手続きが必要で、大慌てした。

冷やしエビ天明日葉うどん。明日葉の天ぷらも付いている。

たくさんクーポンをもらっているので、使うのは明日にして、今日は使う候補の店を下見。まずは、民芸あき。

こちらは品揃えが豊富で、一通り、八丈島土産は揃っていた。結局、翌日、こちらの店で、
明日葉茶石けん、明日葉エキスフェイスパック、くさや、青酎小瓶など買った。

酒屋に立ち寄った後、とりあえず島を1周しようと、まずは八丈富士の周囲を一回り、さらに三原山の周りを北から東へ。登龍(ノボリョウ)峠展望台。底土港が見下ろせる。

昼前はあれほどお天気が良かったのに、午後は島内の各地で雨降り。
峠からは底土港、八丈富士、八丈小島が見渡せる。
おお、港には青ヶ島との間を走る貨物船くろしお丸が停泊していた。
駐車場の階段には、たくさんのヤスデの死骸が並んでいた。大量発生するらしい。
気温が低くなって死んだのかな。

さらに細いくねくね道を島の東側を南下して、温泉へ入っていくことにした。

みはらしの湯。海が見える露天風呂が気持ちよかった。入浴料500円。
内湯は少々熱めだったが、露天は適温で快適。潮湯で相当しょっぱい。

宿に戻り、夕食。今夜は夕食後、せっかくなので外へ飲みに行こうと計画している。だから、朝、夕食は控えめにしてもらえると嬉しいな、と言っておいた。さて、テーブルにつくと、ありゃ今夜もたくさんおかずが並んでる。後で飲みに行くのを前提に、今夜はひとり中瓶1本ずつが割り当て。明日葉のおひたしはナメタケ和え、これがいける。

今夜は、鶏の唐揚げ、アカウオかな粕漬け焼き、刺身はマグロと何かしら、エビチリ、
明日葉おひたし、で、お寿司の代わりに大盛りのざるそば。お腹いっぱいだよ。

宿に戻った頃から激しい雨が降っている。食後も降り止まない。どうしようか。宿の人はお店まで送ってあげると言ってくれた。帰りはタクシーを呼んでねと。部屋に戻り、皆で検討したが、この雨の中、さらにこの満腹の中、外飲みはパスかな、ということで部屋飲みに変更した。
最終日、雨はまだ少し残っている。気がかりは帰りの飛行機。羽田から八丈島への全便、視界不良のため引き返すかもしれないとの案内が出ている。朝1便は、一度着陸しようとしてできず、8の字を描いて再挑戦、なんとか着陸した。なんとかなるかな。
朝食後、しまぽ通貨で宿代を精算し、チェックアウト。今日は特に予定はない。まずは昨日から続いている24時間八丈太鼓の会場へ。

多くの皆さんが夜通し、交代しながら太鼓を叩き続けて、もうすぐ24時間の終了予定時刻。
最後に短時間ずつ交代して叩きましょうとの案内があった。
この長身のYouは、とてもバチさばきが上手でリズム感もよかった。

さてお次は植物園へ。園内には八丈島のキョンがいる。12年前にここで初対面した時は感動したもんだ、これがあの八丈島のキョンか、と。が、今や房総で大量繁殖しているらしい。ありがたみが薄れたか。

かわいいキョンが落ち葉を喜んで食べてくれた。
それにしても、後輩らはガキデカを知らないんだな。寂しいよね、山上先生。
植物園内のビジターセンターへ。
八丈小島で繁殖しているクロアシアホウドリの写真も展示。脚が長い。
親鳥は餌を遠くの房総半島あたりまで獲りにいくので、小笠原にいるクロアシアホウドリの場合、親鳥が2羽揃って雛鳥と一緒にいることはほとんどないという。だから、この写真はとても珍しい写真なのだと前日、八丈小島で岩崎さんから説明された。

お昼ご飯は、岩崎さんから教えてもらったもう1軒、菜々屋の豆乳担々麺。辛みがマイルドになるんだね、豆乳によって。へええ。なかなか美味しい。一休庵も繁盛していたが、この店も大繁盛。若者たちは麺類と餃子、あるいは小丼を注文している。

菜々屋の豆乳担々麺、900円。

黄八丈の店に立ち寄る。

黄八丈の黄色の糸はコブナグサという草を使って染め上げる。
この黄八丈のマフラー、いいなあと気に入ったが、値段を見て断念。
カミさんも断念した理由を話せばきっと分かってくれるはず。

その後、えこあぐりまーと、という農産物直販所へ。隣接する温室が面白かった。

巨大なウツボグサ。どんなに大きな虫が入るんかいな。
幹から直接に実がなる、不思議な樹木。ジャボチカバ。

服部屋敷は屋敷が残っているのかと思いきや、痕跡すらない。太鼓や踊りのショーを見せる施設だった。片隅に昔の資料やら少々展示してあった。

ステージでは樫立踊りと八丈太鼓が実演される。

最後に歴史民俗資料館。市庁舎内に仮移転中。考古資料など展示されているが、足が止まったのは八丈小島関連の展示。すると、ガイドの方がやってきて、いろいろ詳しく話を聞かせてくれた。ご自分でも資料を読み込んで勉強していらっしゃる。展示スペース下からご自身のファイルを取り出して、説明してくれた。実に面白かった。

八丈小島、宇津木集落最奥の為朝神社は、巫女さんが島を離れた方がいいと告げたため、
八丈島へ宝物などを移した。上は祠の扉。他に移すなという神社もあったそうだ。
東京都指定有形文化財、銅板源為朝神像。江戸時代に何度も海を渡り、江戸の各地の神社で公開されたという記録が残る。が、説明してくれたガイドさんによると、その途中、本物は海に沈んだのではないかと疑念があるという。縦横の本来の寸法が異なるらしい。また右脇に書かれている京都の地名は実在しないとも。真偽のほどは分からぬが、そういうことを調べるのは楽しいだろうなあ。

さあ、そろそろ空港へ向かおう。レンタカーの支払いは残額のクーポンと不足分をキャッシュで精算。あとは無事、羽田からの飛行機が着陸さえしてくれれば帰れる。ちなみに3便は満席。レストランで生ビールで乾杯。いやあ面白い島旅だった。お、どうやら帰れそう。無事に着陸したようだぞ。

島海苔ピザ。

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