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2024年10月 京都1

コロナ前は、毎年、ライブをやるために京都へ来ていたが、当然中断した。今年、やっと、5年ぶりに京都ライブができることになった。で、カミさんと本番2日前から京都入り。折しも3連休を控えて、それでなくても混んでいる京都がさらに輪をかけて大混雑。

当然、ホテルも高い。半年ほど前に予約したイビススタイルズ京都四条。ツイン4泊で4万4000円。安い方だと思う。四条烏丸から西へ少し歩いた四条通に面している。写真は裏口。

チェックインして、付近を探検してみた。裏口は風情のある小路に面している。今日は上天気、京都は関東より気温が高くて暑い。

小路に出てすぐに、小さな神田明神のお社があった。説明板によれば、平将門が討たれた際、その首を晒した場所で、小さな祠が建っていたという。平成30年に、平将門を祀る東京の神田明神から祭神を迎えて、京都神田明神としたそうだ。

狭い通りの両側には昔ながらの家が連なっている。

家の玄関には、祇園祭の時に授けられるチマキが飾られている。
こんな感じの風情たっぷりの小路。飲食店や、右手前の木版画の店などが並んでいる。

さてさて、まずは最初の晩メシは、四条通を大宮まで歩いて、べた焼きの店へ。べた焼きとは、溶いた小麦粉に玉子や野菜などの具材を混ぜてしまう大阪式ではなく、台の生地として小麦粉を薄くのばして焼き、その上に野菜や具を載せて焼く昔ながらのお好み焼き。実は、岐阜生まれのぼくの家ではこれと同じ方式で鉄板の上でお好み焼きを焼いていた。そのため、我が家でお好み焼きをやる時も、岐阜式と称してこの焼き方にしてきた。ただ、京都でべた焼きを食べるのは初めて。

モッさんのべた焼き、というベタな名前の店。予約した18時に入ったが、他に誰もいなかった。が、1時間もしないうちに満席。人気店だった。
ビールのつまみに、焼き枝豆バター、セセリ焼き、ゲソ焼きなど食べてから、一番人気という塩べた焼きとスペシャルべた焼きの小をペアで注文した。写真は塩べた焼き。塩でお好み焼きを食べたのは初めてだが、意外と旨かった。家で電熱鉄板で焼くと台の生地がなかなかパリッと焼けないのだが、ここのはパリッどころかバリッと焼けてて感動ものだった。

翌日も朝から快晴。ひとり周辺をウォーキング。

四条通から御池通まで軽くウォーキング。あれ、去年も泊まった三井ガーデンホテル三条が違うホテル名になっていた。ロワジール。三井ガーデンは近くに同系列でより高級なホテルが2軒あるので、整理したということなのかなあ。

一度、部屋に戻って、朝食を食べに歩いて高木珈琲へ。前田珈琲やイノダなど、京都の有名喫茶店のモーニングは1500円以上もする。ネットで探したら、高木珈琲は900円でモーニングが提供されている。

食事プレートは量も質も文句なし。コーヒーも濃いめで美味しい。さほど広くない店内には常連さんらしき人の他に、観光客や外人さんがちらほら。落ち着いて朝食を味わえた。

ホテルのすぐ近くに杉本家住宅という重要文化財の町屋がある。ちょうど公開中だったので寄ってみた。こちらの先代御当主は、杉本秀太郎氏という著名な仏文学者。カミさんが通っていた京都女子大の教授をしておられ、授業も受けていたというご縁もある。

期間限定で公開されている。見学料1500円。
初代は江戸時代に伊賀国から奈良屋という呉服屋に丁稚奉公に出てきた。奉公を終え、独立後は江戸へ進出するため千葉県へ出店。その後、千葉市にはデパート奈良屋も出した。

屋敷内はボランティアガイドの男性が案内してくれた。屋敷は、元治の大火で焼失後に再建され、明治3年に上棟。市内でも最大規模の町屋で、屋敷は重要文化財、庭は国の名勝に指定されている。
部屋は細部に至るまで贅をこらした造り。襖も部屋ごとに異なる紙、欄間も細かな細工がされている。電球のシェードも部屋ごとに違うお洒落な意匠。

名古屋からお嫁入りした嫁のために、部屋と庭を新築したという。その庭には石のウサギが対で置かれていた。
こちらの庭は、円礫という角が丸い同じ大きさの石を敷き詰め、青海波を表している。石は1年に2回、ひとつずつ丁寧に洗い清められるそうだ。
円筒形の手水鉢の石は、秀吉が掛け替えさせた五条大橋の礎石。
天井が高い台所。カマドが並んでいるが、一番左はガスが引かれている。杉本家当代は料理研究家の杉本節子氏。NHKの番組などにこの台所も登場するとのこと。

見学を終えて、庭を見ながら一服していたら、杉本先生の奥様が出ていらっしゃって、少しお話をすることができた。お元気そうで何より。
さて、昼メシはそば処みやこで、ちょいと奮発。

マツタケそば。1800円。もちろん輸入物だが、ちゃんと香ってくれた。そばも美味しかった。

食後のコーヒーは、ホテル裏の小路を抜けた先のGoodman Roaster Kyotoで。この店、台北から出店している。いつ見てもお客がいっぱい入っていて気になっていた。店内、日本人はひとりもいない。すべて外国からの人。

Goodman Roaster Kyoto。コーヒーはブラックかホワイト。すなわち、ミルクを混ぜるか否かでメニューが分かれている。ぼくはLongBlack。濃いめの香り高いコーヒーだった。

部屋で一服した後、開催中のイベント、藤袴祭りへ行ってみることにした。まずは、地下鉄で丸太町、そして御所へ。

御苑はとても10月とは思えない、思いっきり夏空が広がっていた。暑い。

藤袴祭りは寺町通りで行われているので、烏丸側から御苑の中を抜けて、寺町通りへ。京都市歴史資料館。入口に地味な花が植木鉢に入って置かれていた。フジバカマって、てっきり青とか紫の花かと思っていたが、白い地味な花だった。その先の新島襄旧邸、教会の入り口にもフジバカマ。丸太町通を渡った先、下御霊神社、境内の舞台周囲にびっしりプラ容器植木鉢に植えられたフジバカマが並んでいた。

植木鉢にはそれぞれに小学生の名前が記されていた。地域をあげての祭りなのだな。

さらに先の革堂行願寺、ここは露店がたくさん並んで賑やか。ここにもたくさんのフジバカマの植木鉢。花もいっぱいさている。そして、アサギマダラがやってきますようにと願い札が下げられていた。

残念ながらアサギマダラはいなかったが、ツマグロヒョウモンやアオスジアゲハが花に群がっていた。

なにやら奥ゆかしい祭りだった。
この日の晩メシは、昨年予約なしでたまたま入れたミシュラン掲載居酒屋。今年は事前に予約を取って再訪。恒屋伝助。カウンター席の端に案内された。目の前で大将が包丁を振るう。

去年は20時頃、ダメモトで寄ってみた。小上がりだけ空いていて、入れてもらえた。メニューに料金が書かれておらず、ビビリながら注文したが、どれも美味しく、会計も心配するほどではなかった。さすが、評価の高い店と思った。それを踏まえての再訪。

突き出しは、小皿ふたつにタコの酢味噌和えと生湯葉。いいお味。さて、何を頼むか。こちらはメニューの種類がとても多い。旬の食材がずらり並んでいる。

シャコの酢の物。シャコは子持ちで旨い。久しぶりに食べたなあ。
造りの盛合せ。見た目も麗しい。どれも美味しかったが、左手前の淡路島のアジはめちゃくちゃ旨かった。タイにもタコにも驚かされたが、アジが一番。
ハモフライも鴨ねぎ焼きも美味しかったが、写真の賀茂ナス揚げ出しは、なんでこんなにナスが美味しいのかと思うほど美味しかった。若い板前さんが出してくれたので、そう伝えたら、嬉しそうに笑っていた。

ビールの後、日本酒を冷酒とお燗で1合ずつ飲んでお勘定。納得の会計をして、呼んでもらったタクシーでホテルに帰った。
さて、翌日はいよいよライブ本番当日。朝は、まず、近所の銭湯の朝風呂へ行った。日曜の朝は7時から朝風呂があると、初日に近所探検した時にチェックしていた。

7時ちょっと過ぎに行ったのだが、すでに大勢のお客さんが入っていた。年寄りばかりかと思いきや、若い人も多い。洗い場はほとんど埋まっていて、空いている所に入れてもらった。サウナも人気で、お尻に敷くシートを自分のマイシートを持参している人もいた。
今日の朝メシは、四条烏丸の地下鉄駅内、志津屋のパンを買ってきた。ビーフカツサンドとふんわりオムレツサンド。京都のパン屋、とりわけ惣菜パンのレベルは極めて高い。

モーニングは高いけど、やはり京都に来たら、イノダでコーヒーを飲みたい。店の前には行列。

地元の常連さんも観光客も外人さんたちも、いろいろなお客で賑わっているイノダコーヒー店内。

三条通の京都文化博物館では、クラフトマーケットと称して、館内に小さな露店を並べて、個人作家たちが自作の手工芸品を売っていた。

文化博物館は、旧日本銀行京都支店。高い天井が美しい。この下で、この日はマーケット開催中。ごちゃごちゃ露店がひしめき合う様はあまり美しくなかった。

2階の総合展示室では、大河ドラマにからめて陽明文庫名宝展、御堂関白記と源氏物語展をやっていたので見学した。

総合展示室入り口前には、紫式部像。展示品の目玉は、藤原道長直筆の御堂関白記。これは国宝だぞ。他に室町時代や鎌倉時代の源氏物語写本など。

一度、ホテルに戻り、15時、そろそろライブハウスへ行こう。その前に四条大橋から眺めた鴨川の光景が、冒頭の写真。
ライブの様子は、別項で。さらに翌日以降の京都滞在記もさらに別項にて。


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