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2017年6月17日 早池峰山(1917m)

日程:岳駐車場7:00→シャトルバス→7:30小田越7:38→8:30樹林帯抜ける→五合目→10:30ハシゴ→10:55早池峰山山頂(昼食)11:15→12:00五合目→13:14小田越13:42→シャトルバス→14:15岳駐車場

メンバー:横井、秋田、長崎

昨年、礼文島から稚内の花旅では自生のレブンアツモリソウ、ホテイアツモリソウ、レブンコザクラ、サクラソウモドキ、テシオコザクラ、オゼソウなど花酔いするぐらい様々な高山植物を観ることができた。が、ひとつ残念だったのは絶滅危惧種のトチナイソウが見つけられなかったこと。ただし、数年前の大雨で流されてしまったという話を聞いて、国内でトチナイソウを観るなら早池峰山しかないと分かった。早池峰山には12年前、すなわちぼくが山の花に目覚めた極初期に来ている。7月でハヤチネウスユキソウに出逢えて感激したことを覚えている。今回の3名は全員、その時以来の早池峰山。さてトチナイソウに逢うことができるのか。宿泊は岳集落で通年泊まれる唯一の宿となってしまった大和坊。金曜夜、客はぼくたち3名だけ。女将さんが神楽のことなど面白い話をたくさん聞かせてくれた。おじいさんの話になった時、今は80半ばで登らなくなったけど、76歳までは毎日早池峰山に登っていたと言う。しかもカメラを持ち歩いて、高山植物の写真も撮っていた。廊下にたくさん飾ってある花の写真はすべておじいさんの作品だった。トチナイソウの写真もある。1995年6月28日の日付入り。どうしてもトチナイソウを観たくて来たのだと話すと、おじいさんに場所を訊いて手がかりを教えてくれた。おお、なんと素晴らしい。トチナイソウを早池峰で見て写真をネット上に上げている人は少なからずいるが、場所がどこか分からないように皆さんぼかしているのだ。監視員の人達もそれだけは教えてくれないらしい。少し前に盗掘の被害もあったから相当ガードは堅いはず。必死に探すしかないと思っていただけにありがたかった。さて、当日。6時に前夜の夕食同様、大変美味しい朝ご飯をいただいてから、岳の駐車場へ。登山道入口へは自家用車進入禁止。ここからシャトルバスで向かう。素晴らしい青空の好天気、しかも土曜日とあって登山客は多い。バスは30分おきだが、7時発は2台で出発。30ほどかけて小田越着。トイレを済ませ、携帯トイレを購入して出発。最初は樹林帯の中の道をいく。ミツバオウレン、ミヤマスミレ、オサバグサ、ニオイタチツボスミレなどなど、都度足を止めて撮影していると、どんどん追い越されていく。そして、ウスバスミレ。これはちょっと珍しい。白い小さな花。ツバメオモトも咲いている。1時間弱で樹林帯を抜けると、目の前が開けた。その先は岩場。ミヤマキンバイ、キバナノコマノツメなど黄色い花が増えた。お、ミヤマアズマギク、ミヤマシオガマも。さて、そろそろ要注意地帯。あ、ヒメコザクラ。これは今回の主目的の花のひとつ。可愛いなあ。岩場の陰をじっくり見ながら登る。双眼鏡も持参している。見た人の記述によれば、下りでは絶対見つけられない、登りにしか見つけられないとある。そういう岩陰を丹念に探すが、白い小さな花があっても、すべてヒメコザクラ。チシマアマナも増えてきた。そしてチングルマ。さらには固有種で絶滅危惧種の貴重なナンブイヌナズナも咲いている。しかし、肝心のトチナイソウだけは見つからず。やがて急斜面の岩をハシゴで登り、雪渓をふたつ越して山頂。山頂には早池峰神社の奥社が祀られている。広い山頂で簡単にお昼を食べ、下山開始。避難小屋近くにいた監視員にダメモトで、トチナイソウは今年はまだ咲いてないですか、と訊いたら、まだみたいですね、と嘘か本当か分からぬ答ではぐらかされた。おまけに、トチナソウを本当に見たいなら1週間は通わないと、と笑われてしまった。あちゃ、すみません。下山時も相当目を凝らしたが見つけることはできなかった。今年は雪も多く残っていたし、花は遅めのようだったから、早過ぎたのだろう。残念、無念。最後は駈けるようにして下った。再リベンジ、するかどうか今後の協議次第。

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