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2021年6月 利尻島1 姫沼へ自転車で

フェリーが利尻島に近づくと、ペシ岬を回り込む。鴛泊港へ入る前、今日から世話になる宿、うみねこゲストハウスが見えた。

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上陸して宿までは歩いてすぐだが、港の漁協ストアをちょいとのぞいていく。礼文の漁協ストアと売っているものはさほど変わらないように見える。店の外へ出ると、突然、軽自動車が停車しておネエさんが叫びながら駆け寄ってきた。あれ? 星観荘で泊まり合わせたMさん。昨日、礼文を島抜けして利尻に1泊、今頃は飛行機に乗って札幌へ向かっているはずだったのに。霧が濃くて欠航になり、僕たちが乗ってきたフェリーで稚内へ渡ってから帰るという。おいおい、早く行かなきゃ。記念撮影してる場合じゃないよ。

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さて、お宿へ。ここもJさんの馴染みの宿。といっても宿自体がまだ新しいのだけど。ご主人と東京の島イベント、アイランダーで知り合ったそうな。奥さんは、元バスガイド。今でも助っ人ガイドすることもあるそう。

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部屋は2階にそれぞれ個室で。奥さんとおしゃべりしていたら、霧が晴れて、利尻富士のてっぺんが顔を出した。おお。

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まだ早いので、電動自転車を借りて、姫沼まで行き、自転車道を終点まで走って、温泉に入ってくることにした。海岸縁ではコンブ干し。養殖物ですね。

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海岸線を走るのは楽ちんだけど、姫沼へは急坂を登る。が、さすが、電動。ラクラク登ってくれる。姫沼、初めてのような気がしたけど、帰宅後調べたら、35年前にも、10年前にも、しっかり来ていた。利尻富士もバッチリ見えて、いい景色。

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ヒトリシズカが咲こうとしていた。

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道路の脇にはかわいい動物たちが取り付けられている。

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少し戻って、自転車専用道路へ入る。この自転車道が素晴らしい。高い所に設けてあるので、海や山の眺めがとてもいいのだ。

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橋からは遠く礼文島まで見える。

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お、フェリーが鴛泊港に向かっているぞ。

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で、利尻富士温泉でひとっ風呂。露天風呂からも利尻富士が見える。サウナも快適。冷水がめっちゃ冷たい。礼文では湯上がりビールを我慢したが、ここは缶ビールOK。うまいなあ。

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宿は素泊まりなので、夕食は麻婆豆腐が美味しいと礼文の星観荘でも評判だった「笑う門」という中華料理店へ。アルコール類提供は19時までのはずだから、早め、17時半過ぎに。

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生ビールで乾杯。つまみは、ピータン豆腐と餃子。ボリューム満点。しかも旨いよ。

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で、えびの塩炒めも。これまた旨いぞ。エビもたっぷり、フクロダケも入ってる。しかもこのボリュームで930円は安いなあ。

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お兄さん一人で、店全部を切り盛りしてる。後からお客さんが来たので、飲み物頼むのは、合間を見て。さあ、ウワサの麻婆豆腐を。ご飯にも合わせたいので小ライスを1つ。うーん、山椒の辛みが心地よい。確かにこれは美味しい。いやあ、いい店だ。

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店の外へ出ると、空一面が夕焼け。

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海際へ出てみると、ビックリ仰天の絶景。礼文島の山並みを雲海が乗り越えようとしていて、しかもその上に、幻日。これはJさんが気がついた。本物の夕陽は左手にあるが、礼文島の上にももうひとつ夕陽があるように見えるのだ。

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しばらく、この大絶景に見とれて、大撮影大会。利尻富士の山頂も赤く染まっていた。

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足下を見れば、栽培ヒナゲシ。これは利尻岳山頂に生える絶滅危惧種リシリヒナゲシとは異なる園芸品種。昔、リシリヒナゲシが少なくなった山の上に、よかれと思って栽培ヒナゲシを植えた人がいて繁殖し、現在では除去されている。セイコーマートで、焼酎用の氷とソーダ、明日の朝食を買って宿へ戻った。

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宿に戻り、礼文島で吞みそびれたコンブ焼酎を飲みながら、同宿者たちと談笑。もちろん、ウィズマスクで。年配の男性はかつて桃岩荘YHでヘルパーもしていたという桃岩荘ネーム、バーニングさん。相当な長期滞在みたい。もうひとりの女性は、間もなくこの宿で働くという。彼女が昨日の早朝、すぐ脇にあるペシ岬へ登っていったら、ブロッケン現象が見られたと、写真を見せてくれた。こりゃすごい。利尻、礼文は、高山で見られる植物がすぐそこで見られたり、高山でしか起きない現象が起きたり、やっぱり特別な場所なんだなあ。こちらのお宿は、緊急事態宣言を意識して、1階の談話室「島時間」は通常は23時までのところ、21時までとしている。お2人とも島出身ではないので、とりわけ周囲に気を遣っていらっしゃるようだ。21時以降は、部屋で少し呑み足した。

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