2019年2月19日～22日 加計呂麻島、イザリ
大潮の夜、遠くまで潮が引いた浜で行う真夜中の潮干狩り。それがイザリ。それを目当てに加計呂麻島へ出かけた。19日はちょうどスーパームーン。
主たる獲物はこの貝、テラダ。マガキガイが標準名だが、奄美大島ではトビンニャ、沖縄ではティラジャー、高知ではチャンバラガイなど地域によって様々な呼称を持つ。
宿のお父さんが大物を仕留めた。穴の中に潜り込んで、引っ張り出すのに相当手こずったようだが、上々の獲物。
2時間ほどでテラダを30～40個ほど拾った。トングで砂の上にいる貝を文字通り拾うのだ。同行した友人は100個ほど。でも宿のお父さん、お母さんからはそれっぽっちかと笑われた。
翌朝、早速、獲物のテラダの一部を大鍋で茹で上げる。残りは冷凍庫へ。
茹で上がったテラダは1個ずつ、爪を引っ張り身を取り出して、砂を含むワタの部分を指でしごいて外し、爪の周囲の小砂も洗い流す。これをつまみながら、朝ビール。最高だね。
タコは茹でる。身は柔らかく噛みしめると、ジュワッと旨味がほとばしり美味しい。これまたビールが止まらない。
宿の隣の集落にある製糖工場では、ちょうど黒糖の製造作業中だった。冬場がサトウキビを収穫して製糖加工するシーズンなのだ。
大鍋の脇にへばりついた黒糖の垂れカス。
上の写真のカスをヘラで刮ぎ落として、食べてみろと差し出された。ガンサダ、と呼ばれる、製造現場でないと食べられない珍味中の珍味。上品な甘さで、めちゃくちゃ美味しい。
攪拌機で作っているのは粉砂糖、サンサダ。お菓子作りなどに使われる最上級品。これも試食させてもらった。ほんわり甘い。
搾ったまま濾過しない、キビ原酢。昨年までは使い回しの瓶に詰めて、もっと安く販売されていたのだが、おしゃれに生まれ変わり、その分、高くなっていた。
製糖所の向かいの海岸沿いにシマアザミがあった。昔から薬草として使われてきたが、近年激減し、島内でもめっきり見かけなくなったそうだ。
リュウキュウコスミレがあちらこちらで花盛り。紫色、白色、2色の混じり合ったの、花の色は様々。
加計呂麻島の南側からの景色。右手が与路島、左手が請島。その奥に霞むのが徳之島。
宿の看板ネコ3匹のうちの長老、ロール。
アオリイカの墨汁、マダ汁。ダイコンとイカの身が入っている。滋養食。
待網岬展望台から見た大島海峡。周囲には砲台跡などの戦跡も残る。この展望台からクジラが見えることもあるという。
アカボシタツナミソウ。屋久島以南にみられる。歯の裏面に赤い斑点があるのが名前の由来らしいが、そこまで確かめられず。
渡連集落にいた人なつこいネコ。勝手にすり寄ってきては、いろいろ芸を見せてくれた。
デイゴ並木で有名な緒鈍の浜にも黒いネコがいた。こちらは近づいても、我関せず気ままにしていた。
須子茂小学校は8年前に閉校となった。学校設立後130年以上経っていたそうだ。校庭のど真ん中にデイゴの大木があり、登れるようになっているのが素晴らしい。
旧須子茂小の片隅には、菊の御紋を掲げた奉安殿が残っていた。その前には立派な滑り台。
須子茂の海岸沿いには古民家を改装した宿泊施設がある。海みる屋根の宿。屋根の上に小さな台があって座れば、目の前は美しいサンゴ礁の海。ここにも人なつこいネコがいた。
花富(けどみ)という美しい名前の集落。小さな集落のあちこちに思い思いのオブジェが飾られていて可愛らしい。
花富のネコは塀の上、屋根の上に、3匹。少々人見知りするタイプのネコ達のようだった。
宿の最後の晩、お父さんが三線を聴かせてくれた。島にはその響きがよく似合う。このお方は家や神社まで自力で造る人。確か三線も自作だったと思う。
宿の前、海に面してテラスがあるが、昨秋の直撃台風で破壊された。堤防を1ｍ嵩上げすると役所が言ってるらしい。
サンゴで手造りしたモビール。これらはお母さんの手造り。お母さんは絵も上手。
宿の付近にはキランソウがびっしり咲き誇っていた。この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？