2019年7月17~18日 大日岳(2501m)
日程:7/17雷鳥荘9:15→9:52雷鳥平→10:30新室堂乗越10:35→12:55奥大日岳13:31→15:24中大日岳→15:36大日小屋15:50→16:14大日岳16:24→16:43大日小屋(泊) 7/18大日小屋6:15→8:30大日平小屋9:00→11:07登山口
歩行データ:7/17平均登高スピード登り216、平均登高スピード下り-232、消費エネルギー1351 7/18平均登高スピード登り213、平均登高スピード下り-380、消費エネルギー1093
メンバー:秋田、糸の会メンバー11名、コーチ
大台ヶ原大杉谷に続いて糸の会の遠征山行。基本コースは夜行バスで富山から室堂に入り、そのまま大日岳までというプラン。前泊することにして、前日に室堂入りした。梅雨明けしないまま迎えたため、この間の天気予報は雨と曇り。実際、富山から電鉄で立山へ向かう途中は雨。ケーブルカーで美女平へ着くと、真っ白な霧。弥陀ヶ原までバスが登るとやっと雲の中を抜けて、ちらりと青空も見えた。室堂に着いた時点では曇り。立山の雄山は見えていた。宿の雷鳥荘を目指して歩くと、みくりが池を過ぎたあたりで雨が降り出し、大粒の激しい雨になった。宿に駆け込み、温泉で汗を流し、テラスで生ビールを飲んでいたら、雲が晴れて、立山連峰がくっきり立ちはだかった。青空と入道雲をバックに。
結局、ぼくを含めて8名が雷鳥荘に前泊した。7月17日は、朝風呂に入り、朝食後、ミドリガ池まで散策。お天気は上々。今日はなんとかもちそうな予報。9時過ぎから、夜行組5名を宿の前で待ち、合流して、9時15分出発となった。糸の会でメンバー13名というのはあまりないこと。いつものように先頭10分交代で歩き始めた。
いったん、キャンプ場のある雷鳥平へ下り、川を渡り、新室堂乗越へと雪渓も越えて登る。念のため軽アイゼンは持参したが、今回は最後まで使うことはなかった。その代わり、というか、帽子の下に被るインナーフレームというのをコーチの勧めにより着用している。370円で買えた。
登山道脇にはいろいろな花が咲いていて目を楽しませてくれる。ミツバオーレン、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、ハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、ミヤマリンドウ、サンカヨウなど。
花の他に、今日の道中の楽しみは、なかなか顔を出してくれない劒岳を見られるかどうかということ。新室堂乗越から先は、奥大日岳へ向けて稜線を歩く。振り返ってみるが、劒岳のあたりにはやはり雲がかかっている。次第に高度を上げる。お、シナノキンバイ。そして、雪渓脇に、雷鳥。雛もいる。
キバナノコマノツメを眺めながら進み、その先、室堂乗越で長目の休憩。小屋で作ってもらったおにぎり弁当を食べた。休憩後、歩き出してすぐ、また雷鳥の親子。今度はさらに近い。逃げない。親鳥は近くを歩き回る雛の様子をしっかり見守っている。羽根はすっかり夏毛。
少し進むと、右手に劒岳が雲をまとっているものの、全体が見えた。山頂部分も雲越しにおぼろげに見えた。やったあ! そしてやがて奥大日岳山頂。標高で言えば、少し手前に、戻るような位置関係でピークがあったが、そちらの方が高いようだ。2611m。立山方面は山頂あたりは雲がかかっていて見えない。ヘリコプターがすぐ近くまで飛んできた。夏休みを前に、登山道の点検かしら。
先へ進む。と、キヌガサソウの大群落。ひとつひとつの花も大きい。次第に立山連峰にかかっていた雲がとれて青空が広がった。と、また雷鳥。今日は良く出会うなあ。観音様のような岩が見えた。七福園かな。庭園のような一角。そして峠を越すと、やっと大日小屋の赤い屋根が見えた。
荷を置いて、大日岳山頂へ。ほとんど雪渓の上を登り、25分ほどで山頂。ガスに包まれて眺望はなし。下山時にまた雷鳥。小屋が見えると、パラパラ雨が落ち始めた。危機一髪。小屋は若者達が切り盛りしていた。夕食はなかなか美味しかった。事前に小屋のHPを調べたら、ギターを弾いて聴かせてくれるようだったので、食堂で日本酒を飲みながら、今夜は聴かせてもらえるんですかと訊いてみたら、片付けを済ませたらやりますと快諾。
部屋にいたメンバーにも声をかけ、ミニライブを楽しんだ。壁に2本ギターが掛けてあったが、後で調べると小屋のオーナーがギター職人で、お手製のギターだったようだ。2曲、クラシックとポップをギター演奏で。もうひとり加わって、高田渡の生活の柄を歌とボンゴ付きで。大受け。最後はオーストラリア先住民の楽器、ディジュリドゥを吹いてみせてくれた。サンキュ。これからもお客さんを楽しませてね。
翌朝、晴れていたら、大日岳山頂へ行くはずだったが、濃霧のため中止。5時過ぎに外へ出てみたら、朝焼け空の下、目の前に劒岳。山頂だけ少し雲をかぶっていたものの独特の険しい稜線はバッチリ見えた。大満足。朝食後、出発。今日の天気予報は午後から雨。降り出す前に下山したい。
いきなり険しい下り。足下は花崗岩の岩。比較的歩きやすい。どんどん下る。やがて木々の合間に、大日平と大日平小屋が見えた。次第に下ると、今度は濡れてコケも生えて滑りやすそうな石の下りになった。一度、滑って転んでしまった。1時間半ちょっと下って、やっと大日平。ワタスゲが揺れていた。そして大日平小屋。ここで小屋のコーヒーを。あんパン食べて、美味しいコーヒーを飲んで満足。小屋の裏手に、不動滝の展望台があった。弥陀ヶ原と大日平を切り裂く深い谷の向こうに、流れ落ちる不動滝。絶景。
その先は下っていくと、花もヤマアジサイが現れ、セミの声も聞こえてきた。そして沢の音。11時過ぎに登山口へ下山。雨にならなくてよかった。少し歩いて、称名滝を見に行った。落差日本一の滝、近づくと水しぶきが雨のように襲ってくる。雨が続いたから水量も多くて、迫力満点。その後、午後のバスで立山駅へ。さらに電鉄を乗り継ぎ、富山。市内の温泉に浸かり汗を流した後、駅前の寿司屋で富山湾の幸に舌鼓。もちろん富山の酒とともに。ここで解散となり、Wさんと二人でもう一軒ハシゴ酒。そこで驚くべき人に出会った。まさにこの山旅の締め括りに相応しい幕切れ。これは別の場所に書き留めておきたい。