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2023年8月 北海道2

本日は、渡島半島の内浦湾沿いの縄文遺跡を巡る。その前に、長万部のかにめしと森のいかめしをぜひとも食べたいと若もん組。若もんと言っても十分オジサンではあるが。

まずは長万部駅近くのかにめし本舗。
店に隣接した「自由席」なるスペースでかにめしを食べることが出来る。

長万部駅をのぞいてみると、大変なことになっていた。大雨で列車運休。

それ以降の列車は運転予定となっていた。

高速道路で南下。次の目的地は鷲ノ木遺跡。が、遺跡現場は高速の真上。お、トンネルに鷲ノ木遺跡の文字。見学会の時しか行けない。代わりに森町遺跡発掘調査事務所で展示物を見学できる。

これまた不思議な顔やなあ。
遺跡現場の航空写真。環状列石が目立つ。
ここの目玉はなんといってもこれ! イカ形土製品。ほかにも鐸形土製品あるが、イカの形はここでしか出ていないとか。いかめしの森にだけイカ形。しかも大きさが同じくらい。
説明パネルには、これといかめしを並べて撮影した写真が掲載されているが、面白すぎる。
この土偶も不思議なフォルムだった。

で、この後、森駅前でいかめしタイム。

製造元の安部商店では販売はしておらず。定価は880円! 昔は5~600円だったはず。
森駅ではまもなく運転再開した列車が来るようだった。ホーム向こうの壁にカモメの列。

さあ、お次は大船(おおふね)遺跡。このあたりから先はすべて函館市。

駐車場は高台に新たに造られていて、整備された遊歩道を下って遺跡へ。
管理棟に出土品を展示。複雑な形の土器。管理棟横には多数の石皿が積み上げられている。
縄文前期後半から中期後半にかけての大規模集落遺跡。
竪穴式住居跡はどれも深く掘り込まれている。寒さ避けだったのかねえ。

さて、昼メシ。そば屋には車がたくさん。少し待って席へ。

ここは宿もやっているようだった。後で調べるとそば屋は今年4月に始めたようだ。
今日のおすすめ。アナゴ天ぷらせいろ。カリッと揚げられた天ぷらも、そばも美味しい。

残るは垣ノ島遺跡。隣接して函館市縄文文化交流センターが立っている。

シカの角で作られた角偶。こうきたか、という感じ。
シャチ形土製品。土偶と違って抽象化されずにリアルな造形。
足形付土版。両足のものもあり、手形もある。亡くなった子供の足形や手形をとって住居内に吊し、子を偲び、親が亡くなると一緒に埋葬されたと考えられているという。東北から北海道にかけて縄文時代早期から晩期にかけての遺物。

センターを出ると大雨。少し雨脚が弱まるのを待って、下に広がる垣ノ島遺跡へ。

海を見下ろす高台に広がる垣ノ島遺跡。
コの字形をした大規模な盛土遺構。その中央には盛り上がったマウンドがあり、祭祀、儀礼などが行われた神聖な場と思われる。ここも貝塚同様、送り場であったとも。

これで縄文関連のスポットはすべて観終えた。いやあ、改めて面白かった。半島をそのまま海沿いに南下。水無海浜温泉へ寄ってみた。

プール状に囲われた部分はけっこう温かいお湯。塩辛くないので、湧いている湯と分かる。

そのまま半島を回り込む道はないので、ぐるり回り込んで恵山の展望台へ。今回の旅で初めて坂道を少し登り、山歩き気分。と言っても山頂までは行かない。

エゾシカが2匹、お食事中だった。
噴気を上げる恵山山頂直下。
恵山をバックに記念撮影。
恵山山腹では地熱発電の噴気試験を実施中だった。
下北半島、大間岬が海の向こうに見えた。
アザミが咲いていたが、アメリカオニアザミだったかも。それなら道内各地で駆除活動が行われている在来種で、やっかいなヤツだ。

では、函館へ向かいましょう。今夜の宿は湯の川温泉の雨宮館。その前に、W君は函館市内のデパートで開催中のゴールデンカムイ展へ寄りたいとのことで、途中下車。残る3名は宿へ。

少々狭い部屋だが、十分。エアコンもあるから嬉しい。けどウォシュレットじゃなかった。
安いからしゃあないか。4500円、軽朝食付き。もちろん風呂は天然温泉。

晩メシは、ホテル向かいの居酒屋、和市。予約しておいて良かった。

なぜかシャッターが一部しか開いてない。
千歳の店のお通しも驚いたが、この店もびっくり。刺し盛りがお通しだった。刺身旨いし。
ホタテバター焼き。

生ビール2杯の後は日本酒。まず、地酒。函館奉行の純米。おおいける。地元のお客さんがメインらしく、あまり地酒はなく、各地の銘酒が揃えられている。じゃあ、豊盃。うーん、やっぱ旨いわ。最後は船中八策。高知まで南下しちまった。野菜もあれこれ美味しく食べて、ご馳走さん。

和市を出たら、ホテルの全容。8階部分が昔は展望タワーだったんだろうな。今は客室。

若いもんらはラーメンを食べたいと言う。市電で五稜郭前まで。市電はかなりのスピードで走る。ちょっと怖い。着いたのはラーメン2代目ひらき家。

こんな古めかしい車両だけど、猛スピード運転。
若いもんだけでなく、なんと最高齢のYさんもラーメン注文。ぼくは生ビールと焼きワンタン、おつまみチャーシュー。ひとくちだけ小椀に塩ラーメンをもらって味見した。

さて、これで終了かと思いきや、来る時に妙な店を見てしまったので、入らざるを得ない。和菓子屋で立ち飲みをやっているのだ。餅の北屋。表には豆もち、豆大福、串団子などのメニュー。暖簾には、YORU北、とある。店内はお客が大勢いて賑やかに吞んでいる。ぼくたちは横のテーブルに案内された。座り席。で、日本酒メニューが聞き慣れない、しかも西日本の酒が並んでる。ぼくは広島の槽搾り清酒大号令純米酒。若いもんらは岡山の真夏の果実純吟。おお、うまい。どうやら店の人もお客と一緒に吞んで話している。女性がひとりやってきて、彼女の実家で、お酒がらみの仕事もしていたので、夜だけ立ち飲みの店を始めたと教えてくれた。今日は日曜なので餅はついてないとのことで残念。代わりに磯辺焼きを少しずついただいた。

お客は常連さんが多い感じだが、旅行者も時々やってくるとか。
奥の酒が清酒大号令。真夏の果実はライチーの香り。

市電にふたたび乗って、コンビニ経由でホテルへ。温泉に入って、寝酒を吞んで寝た。
翌朝も朝風呂へ。6時に行くと、すぐにお客が入ってきた。ここは宿泊客だけでなく、日帰り入浴もやってる。

浴槽ふたつとサウナ、水風呂がある。源泉掛け流し。いいお湯だった。
1階でおにぎりを受取り、フロント脇でお茶をいれて、部屋でいただいた。

最終日、もう縄文遺跡はない。松前から江差へ回ることになった。ぼくは松前には行ったことあるが、他の皆さんはどちらも初めて。松前半島の底の部分を海沿いに松前まで。なかなかの道のり。まずは、松前城。ご存じ、サクラの名所。昔、母を連れて花見に来たことがある。

松前城(ただしくは福島城)の復元天守。かつて国宝に指定されたが、昭和24年に焼けた。
天守の中は資料展示。フランスの博物館に収蔵されている蠣崎波郷の夷酋列像の写真複製。
争いの際に松前藩に協力的だった道内各地アイヌのリーダー12名を蠣崎波郷が描いた。
それぞれが纏っている蝦夷錦と呼ばれる衣装が豪華。
築城当時のまま残る本丸御門は国指定重文。

海岸沿いを北上。江差を目指すが、手前の上ノ国でランチ。ふくはらというスープカレーの店。

大きなチキンの骨付きモモ肉が入っている。スパイシーで美味しい。ご飯はバターライス。それでいて880円と安いのが素晴らしい。続々とお客さんが入店してきた。

江差はまず開陽丸へ。

徳川幕府がオランダに発注した開陽丸。幕末、戊辰戦争の際、榎本武揚らが乗り組んで北海道へ来たが、船は江差沖で座礁沈没した。
開陽丸船内は意外に広い。大砲や多量の砲弾が積載されていた。
開陽丸の甲板からは、すぐ脇の海で海水浴を楽しむ家族の姿が見られた。

江差の町の中は、昔の町並みを再現しようときれいに昔風の建物が並んでいる。が、旧中村家住宅は趣を留めている。道路からかつての海岸線に向かって4段に造られ、表から主屋、文庫倉、下ノ倉、ハネダシと続き、トオリニワと称される通路で繋がっている。

独特の造りの旧中村家住宅。元は近江商人大橋家の店舗兼住居。
大橋家は網元、問屋などで栄えたが、大正時代に江差を離れる際に中村家に譲った。
ハネダシから下ノ倉を見上げる。

坂道を登ると、旧檜山爾志郡役所。

坂道を登ると、とにかく暑い。旧郡役所は洋館。

江差で立ち寄った最後は、旧江差駅跡。

江差駅跡に残っていたのはこれだけ。敷地は市営住宅に利用された。

肝心の山には登れなかったが、あれこれ堪能できた旅だった。しかも、この辺は晴れていて暑かったが、道内各地では相変わらず大雨だったり、札幌も最高気温24℃など、様々だったようだ。そんな中、とにもかくにも快適に旅することが出来て幸いだった。

函館空港で生ビール。イカ天、ホッキサラダなど。
〆の酒は、上川大雪酒造の函館蔵、五稜純米。パスタ2種をいただき終了。

帰りのANA便も行きと同様、使用機材の遅れなどで遅延。これもしゃあないか。

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