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2023年11月 カンボジア・シェムリアップ4

さて、旅も最終日となった。おかげで滞在中は天気にも恵まれた。暑かったけどね。

ホテルで最後の朝食はやはりクイティウ。お粥用のトッピングも載せた。
部屋に飾ってあった絵画。
結局、ホテルのプールで泳ぐことはなかった。ジムもジャクジーもあったけど同様。

午前中は、車で1時間ほど離れた遺跡、バンテアイ・スレイ。冒頭に掲げた東洋のモナリザで有名。

バスの車窓に稲刈りをする人々の姿が見えた。田んぼの規模が大きくないので人力でしているとのこと。この沿道はずっと電気なしの暮らし、コロナ期にやっと電気が引かれた。

途中、未舗装路もあり、ようやく遺跡の駐車場へ到着。

遺跡手前の池では、水草を刈っている人がいた。

さて、バンテアイ・スレイは10世紀の建造。大きさはさほどでもないが、赤色砂岩に深く掘り込まれたレリーフは見事な出来映えで、保存状態もとてもいい。100年あまり前に野焼きをしていて偶然発見されたという。所々が黒ずんでいるのはその時に焦げた跡。フランスの作家、アンドレ・マルローがデバター像を盗もうとして逮捕されたことで一躍有名になった遺跡。マルローはしっかりそれを小説「王道」として発表した。

こぢんまりした東門から境内に入っていく。
東門の先には参道がまっすぐ伸びている。
東門の上のレリーフ。中央の像に乗るのはヴィシュヌ神、だったかな。
上の東門の下部、描かれているのはカーラ。他の遺跡でもよく見かけた。インド神話には食欲旺盛な怪物として登場するが、時間を象徴する神で、死者の王であるヤマの別名でもある。仏教でいう閻魔王に相当するようだ。

門を潜ると参道。両脇には男性器の象徴、リンガが立ち並ぶ。

屹立するリンガがずらりと並んで、参拝者を迎えている。

参道を進むと脇に、かつては屋根の上に載っていた破風部分が地面に置かれていて、そのためにレリーフを間近に眺められる。

ラーマーヤナの一場面。魔王がシータ姫を誘拐しているシーン。

第一周壁の中には濠がある。乾季になれば干上がってしまうとのこと。その中に第二周壁に囲まれた中央祠堂がある。


第一周壁も所々崩れ落ちている。

濠を越え、補強材で支えられた門を潜る。この門は美しい。

バンテアイ・スレイで最も美しいといわれるレリーフ、カーラの上に乗るヴィシュヌ神。
門をくぐって、もうひとつの門の上を見ると、象の聖水で身を清めるヴィシュヌ神の妻ラクシュミーがいる。見所の連続。

第二周壁の中には守衛像に守られた中央祠堂が立つが、第二周壁の中は立入禁止。昔は入れたそうだ。

守衛像はすべてコピーだそうで、本物は博物館に保存されている。中央祠堂の壁面は隙間なく細やかな彫刻がびっしり施されている。
2つある経蔵の南側。屋根の隅は聖獣が守っている。周辺部分も精細に彫り込まれている。
中央祠堂手前の屋根は苔むしていた。
南側の経蔵。右に見えている入口は扉のように見えるが塞がっている。
中央祠堂南塔。あちらこちらにデバター像が彫られている。

さあ、最大の見所、東洋のモナリザとのご対面。中央祠堂北塔の西側に回り込むと、扉の両側にデバター。その右側が東洋のモナリザ。かつては近くまで寄って見られたそうだが、今はこの距離でしか見られない。ツアーでは双眼鏡を用意してくれている。

中央祠堂北塔、その扉の右側が東洋のモナリザ。アンコール・トムやアンコール・ワットで見てきたデバターと違って、非常に深く彫られているので表情が豊か。
実は、扉の左側のデバターもとても美しい。こちらは瞳が入っている。今は見られないが、近づくことが出来た頃にはもっと多くのデバターを見られて、見る人それぞれにお気に入りを探すことが出来たという。
上のデバターのアップ。こちらもステキだなあ。

これで最後の遺跡見学も終了。

濠にはハスの花や、白い小さな花が咲いていた。
駐車場に見慣れない木の花が咲いていた。帰国後、調べたらハノイの秋を象徴するホアスアという木だと分かった。

バスは市内へ戻る。車窓からは人々の暮らしぶりがうかがえる。

刈り取った稲の脱穀は機械でしているようだった。
結婚式でも行われるのだろうか。きれいな飾り付けがされていた。
カンボジアの国樹、パルミラ椰子の花の蜜や樹液などを大鍋で煮詰めて造るのがパームシュガー。所々、こうやって道路脇でパームシュガーを造り、直売している所を見かけた。カンボジアの代表的なお菓子、ノム・ノム・トーンもパームシュガーを使って作る。

まだ11時だが、今日は帰国日、この後のスケジュールもあり、早めのお昼ご飯。西洋料理と言われたが、果たしてどんなメニューかな。

Street27というお洒落なレストラン。中庭にはプールもある。その奥にはバーカウンター。
木造りの高い天井にはファンが回っていてお洒落なのだが、一方の壁だけ場違いな感じ。
美味しいシーザーサラダ、マッシュルームクリームスープの後、メインディッシュ。大きなポークチョップだった。全部食べきれず。

ホテルに戻ると、華やかな飾り物。

雨季が終わったことを祝う水かけ祭りが行われるそうで、そのための飾り付けだった。

部屋に戻り、着替えをしてから、バゲージを廊下に出したら、ホテル内でアフタヌーンティー。さっき早いランチを済ませたばかりなので、二口三口つまむのみ。

夜はバーになるラウンジでアフタヌーンティー。
美味しそうなんだけど、お腹にはなかなか納められない。残したお菓子はガイドのキューさんに持ち帰ってもらった。

ガイドのキューさんと空港で別れを惜しんで、出国手続き。

一応、出発ロビーにはこんな飾りも造られていたんだ。
まあ、でもそっけない新シェムリアップ空港ですわ。迷わなくて済むのはいいかも。

そしてハノイでの乗り継ぎがまた4時間ちょっと。搭乗は現地時間23時半。我らのツアーにはちょっとアクシデントがあってハラハラドキドキしたが、結果的には問題なしだった。人騒がせな人がいるんだ。

ハノイ発のベトナム航空機内食、美味しくない。CAも人数少ないし、愛想もまったくなしで、まったく感じ悪いったらありゃしない。次にベトナム方面へ行く時はANAだな。
成田~ハノイ、行きは6時間半だが、帰りは4時間半。房総半島が見えてきた。
成田着は早朝6時半過ぎ。寒かった。
成田空港でスーツケースは宅配に預け、身軽に電車で帰宅。

日本が寒いのは覚悟していたが、帰国の翌日、風邪をひいてしまった。

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