2020年6月 古遠部温泉から蔦温泉へ
5年ぶりに訪れた古遠部温泉。ここにもコロナの影響は出ていた。
5月連休明けから営業再開していたようだ。入館前に非接触体温計で体温チェック、もちろんアルコール消毒。スリッパは昔から個人ごとに使い捨てだった。
温泉愛好家なら誰でも古遠部温泉は高評価。湯の質と豊富な湯量。浴舎外には温泉成分が長年固まっている。
実は今回、チェックイン時に館内撮影は一切禁止と言い渡された。この写真と下の写真は5年前に泊まった時のもの。料金が1000円ほど値上がりしたが、料理内容はグレードアップしていた。刺身の量と質も天ぷらの量と質も向上していた。今朝取ってきたというタケノコの味噌汁は絶品だった。
ザバザバと鉄分を含む源泉が溢れている。脇に斜めになって寝転がると背中をお湯が洗ってくれて極楽。
地元の人たちは日帰り入浴で大勢やってくる。会話が外国語みたいで全く理解できない。フランス語のようなのだ。
夕食時のイワナの塩焼きもめっちゃ旨いが、この生け簀でいい水をたっぷり飲んでるから旨くなるのかしら。
弘前市内の百年食堂としてチョー有名になった三忠食堂。ご主人がどこから来たかと訊ねるので、追い返されるのかと思いきや、観光客だと分かると熱弁を振るって津軽そばを語ってくれた。煮干しではなく、手間暇かかって高く付く焼き干しを使う。食べてみろと1匹ずつ。
出汁は関東風ではない、飲み比べろと関東風を小さな器で出す。関東風は甘いね。焼き干し出汁はすっきり旨い。そばはぼろぼろ切れるのが特徴。汁が旨くて全部の飲み切った。
蔦温泉近くの睡蓮沼。雲がかかって八甲田山は見えなかったが、コバイケイソウ、レンゲツツジ、ミツガシワなどの花がきれいだった。
ウラジロヨウラクも見頃だった。この花を見るのもずいぶん久しぶりだ。
睡蓮沼の畔の東屋で、弘前市内の人気洋菓子店、アンジェリックで買ってきたアップルパイを皆で食べた。感動的なほどの美味しさ。パイ生地もリンゴの焼き方もすばらしい。
そして蔦温泉。ハスの花が少し咲いていた。前に泊まったのはもう30年ほど昔。7年前に泊まろうと思ったら、満員で断られた。
チェックインする前に蔦温泉の裏手に広がるブナ原生林の中を沼めぐり。白い霧がかかったブナ林は幻想的。
樹齢何年ぐらいだろうか、ブナの巨樹。雨が降ってもブナの木は葉っぱが雨を集めてしまうのだそうな。小雨が降っていたようだが傘いらずだった。
ブナの老木の樹皮。これはクマのひっかき跡ではない。成長する過程で自然に剥けたんだろうな。
蔦沼も小雨に煙って見通しがきかない。紅葉の時期は多くの見物客で賑わうに違いない。
蔦温泉の夕食。見た目にも美しく、食べても美味しい料理ばかりだった。お供の酒は田酒から。
こちらでもイワナの塩焼きが出た。古遠部温泉のとはまた違った美味しさ。脇のバッケ味噌はご飯まで少し残しておいた。大昔に泊まった時は部屋食だったはずと宿の娘さんらしき女性が教えてくれた。
お汁は南部名物せんべい汁。いい出汁が出ていた。
お風呂は大昔からある小さめの浴室(男女時間別交代制)と男女別の天井が高い大きめの浴室。その大きめ浴室脇に休憩所ができていて、窓に向かってロッキングチェアが置かれていた。
休憩所の欄間には木彫細工が施され、床の間も立派な床柱が使われていた。
帳場脇の廊下。ここは昔からある本館部分。
蔦温泉を愛し、最期はここで亡くなった文人大町桂月の資料館が設けられている。トラベルライター、コピーライターの先駆けだった人。
蔦温泉、朝食もボリュームたっぷり。山へ登る予定がなければ、思わず酒を頼みたくなるメニュー。