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2024年12月 八戸から東鳴子温泉へ

大曲から秋田新幹線で盛岡へ出て、東北新幹線に乗り換え、八戸へ。さらに鈍行で本八戸まで。

八戸駅新幹線改札を出ると、八幡駒のお出迎え。
本八戸駅を出ると、歩道が凍っていた。ヤバイ。滑らないよう注意して歩く。

今夜の宿は街の中心部にあるドーミーイン。近頃ドーミーインは高くなってなかなか泊まる機会はなくなった。

素泊まり7000円弱。これなら何とか許容範囲。

本当は翌朝、陸奥湊駅まで列車で行って、行列必至の食堂で海鮮朝メシのつもりだったが、この雪と氷の状況では、無理しないことが肝心と、ホテルの朝ご飯を追加料金支払い、さらにタクシーの予約もしておいた。
さて、今夜は17年ぶりの八戸の夜。

ホテル近くの地元デパート。地下の食品売り場を一巡り。つい買いたくなるものもあったが、まだ旅の途中。荷物を増やす訳にはいかない。
オシャレなガラス張りの建物ができていた。八戸まちなか広場という誰でも利用できるスペースで、中央には水の樹というアート。

いや、八戸はずいぶんがんばってるな、という印象。さあ、目指す店は17年前にも行った名店、ばんや。念のため開店前に並ぼうと15分前に着くと、先客2名。

ドーミーインの隣だった。
前に来た時、カウンターの中にいらっしゃった大将は引退されていたが、息子さんがあとを継ぎ、若いスタッフがきびきび仕事をしている。今日のおすすめから、ヒラメ刺身とタコの白子。
旬の酒、陸奥八仙生酒じか汲み。香りが、ああこれは八仙の香り。いや旨い。
ヒラメは熟成させているのか、ねっとり甘い。エンガワも旨し。
そして、タコの白子。まさに酒飲みのための肴。いやあこれは初体験かな。
目の前に並ぶ大皿料理から、バイ貝煮付けとこの昆布と椎茸煮。昔も食べたような気がする。
冷酒を3種、半合ずつ飲んだ後、田酒をお燗で。食中酒にはサイコー。

ばんやのカウンターに座っていたのは全員地元民ではない旅の男ばかり。ぼくの左隣には札幌からマイルを使って東北巡りしてるという人、仙台からぼくと同じくおとQパスで回ってる人、2人とも少し歳下だった。さらにその向こうに座る二人組、開店待ちの時の先客は40代かな、酒蔵巡りしてて、明日行く予定の八戸酒造を見学してきたという。聞けば、雪の茅舎や山本などにも行ってて、それならと能代天洋酒店の名を出せば、べらぼうも川床べらぼうもご存じ。5人で話があれこれ盛り上がった。
さて、そろそろ2軒目へ。

やってきたのはソウルバー、SaultAvenu。

オープンして3年目というが、その前には住宅街で先代のマスターが同名でやっていたが、ぼくと同い年の先代は亡くなったそうだ。43歳の現マスターががんばって跡を継いだというわけ。サザンソウルを聴きたいという客はいないらしく、そっち系が好きと告げたら、嬉しそうに、アン・ピーブルズ、ローラ・リー、オーティス・レディングなどのレコードをかけてくれた。いい夜だ。
滑らないよう気をつけてホテルに戻り、温泉大浴場に浸かり、湯上がりアイスの後、久しぶりにドーミーイン名物をいただいた。

無料でふるまわれる夜鳴きそば。半量というのが、心憎い気配り。

翌朝は、プラン変更したのでゆったり過ごせる。朝風呂に浸かり、日の出を風呂から眺めた。最上階の大浴場には露天風呂もあるが、冷たい風が強く吹いて寒かった。

地のものが少しずつあれこれ選べて楽しい朝食。汁は名物せんべい汁。

予約しておいたタクシーで八戸酒造へ。タクシー料金は老人割引で1割引だった。八戸酒造は8年ぶり。

有形文化財に指定されてる蔵の建物。社長は代々駒井庄三郎の名を継いでいる。
酒林の鮮やかな緑が新酒の到来を告げたばかりであることを教えてくれる。

初めて蔵見学した17年前は作業現場を見せてもらえたが、東日本大震災後の2回目には立入がかなり制限されていた。今回はもっと厳しく、作業場は一切見られず。コロナ後はそういう蔵が増えた。仕方ないけど、寂しい。

昔、名調子で見学案内をしてくれた宮本さんはすでに退職されていた。再会できて嬉しかった。

ビデオで酒造りの様子を見てからお楽しみの試飲。5種類並べられた。

若手がタンク1本任されて腕を振るう。こちらはスパークリング。飲みやすく女性にも受けそう。
重厚な雰囲気、純米大吟醸。さすがの風格。正月用に買い求めた。
焼酎も各種。ヒバ、ホップなどあったが、インパクトあったのは山椒。ガツンとした味わい。

自宅に3本発送してもらうことにして、蔵を出た。最寄りの陸奥湊駅へ。

駅前の銅像。
駅前の魚菜市場は、大きな食堂に変身していた。刺身やワンパック200円とか300円の色々な惣菜を買って、ご飯と味噌汁を注文する仕組み。お腹が空いてなかったのでパス。

八戸から新幹線で南下。

盛岡までのはやぶさは、ディズニーペイントの車両だった。

盛岡、古川で乗り継ぎ、鳴子御殿湯駅まで。1駅前くらいから雪の気配に豹変した。

小雪が舞う鳴子御殿湯駅。列車は鳴子まで。その先は夏の大雨で運休中で代行バスが走っている。
周辺の様々な宿にこれまで泊まったが、今回は勘七湯。大きめの宿。

1週間ほど前に電話で、15時前に着く列車で行くと伝えてあったのに、部屋はまだ用意できてない、ロビーで待ってくれと言う。もう1人の客とボロい椅子が置かれたロビーで待ったが、20分以上経ってようやく3階の部屋に案内された。窓の障子は破れ放題。なんちゅう宿じゃ。

大きい方の浴室。黒い湯の花がたくさん舞うお湯は気持ち良い湯。
レトロな体重計があった。

宿は1泊朝食で予約してあり、夕食は近くの焼肉屋を予約してある。夏にも別の宿と同じ店を予約していたが、大雨で列車が止まっていて急遽別の場所へ行った経緯がある。この店のことは近辺の宿に泊まった折、あそこはいい、でも予約がなかなか取れない、などとその評判を聞いていた。雪道を歩くのは難儀だなと思っていたら、宿主が送迎してくれるという。これは助かる。

焼肉店、八兆。カウンター4席のひとつだけ空けてくれていた。

左隣の客は横浜からおとQパスで来てるという。相当な常連のようで焼酎のボトルキープをしてる。彼と焼き台を半分ずつ使う。

この店、ひとり客はハーフ&ハーフで注文できるのがありがたい。牛タンと上カルビ。これは塩コショウでいただいた。旨い。あとは牛サガリと牛レバー。そちらはタレで。
常連さんの隣に座ったからだろう。時々マスターがメニューにもない特別なものを勝手に置いてくれる。上のはなんとナマコ。美味しかった。

右隣に入れ替わりに座った男女は父娘かな。父は30年来西表島に通ってるという。先月、白浜に泊まってきたと話すと、宿のお母さんのことなど話してくる。今回は面白い人たちと出会うなあ。左隣のオッちゃんは大崎市の水道は旨いという話を聞かせてくれ、この近隣のおすすめ宿や食堂などを教えてもらった。

最後にマスターが勝手に置いてくれたのは、たぶんイノシシではないか。これまた旨い。何の肉か聞いたら、キョンなどとふざけていたが。

帰りも迎えにきてもらえたが、雪が本格的に降っていて、ありがたかった。

今度は小浴場の方に入る。源泉が違うらしい。

寝酒を少々やって、早めに寝た。
朝風呂は小浴場で。やがて、外は明るくなった。雪はさほど積もらなかった後ようだ。

屋根にうっすら雪が積もっていた。

朝メシはまずまず。

さすが米どころ、ご飯は美味しい。

さて、最後に一風呂浴びたら、今日は帰るだけ。なかなか面白い旅だった。

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