2024年12月 八戸から東鳴子温泉へ
大曲から秋田新幹線で盛岡へ出て、東北新幹線に乗り換え、八戸へ。さらに鈍行で本八戸まで。
今夜の宿は街の中心部にあるドーミーイン。近頃ドーミーインは高くなってなかなか泊まる機会はなくなった。
本当は翌朝、陸奥湊駅まで列車で行って、行列必至の食堂で海鮮朝メシのつもりだったが、この雪と氷の状況では、無理しないことが肝心と、ホテルの朝ご飯を追加料金支払い、さらにタクシーの予約もしておいた。
さて、今夜は17年ぶりの八戸の夜。
いや、八戸はずいぶんがんばってるな、という印象。さあ、目指す店は17年前にも行った名店、ばんや。念のため開店前に並ぼうと15分前に着くと、先客2名。
ばんやのカウンターに座っていたのは全員地元民ではない旅の男ばかり。ぼくの左隣には札幌からマイルを使って東北巡りしてるという人、仙台からぼくと同じくおとQパスで回ってる人、2人とも少し歳下だった。さらにその向こうに座る二人組、開店待ちの時の先客は40代かな、酒蔵巡りしてて、明日行く予定の八戸酒造を見学してきたという。聞けば、雪の茅舎や山本などにも行ってて、それならと能代天洋酒店の名を出せば、べらぼうも川床べらぼうもご存じ。5人で話があれこれ盛り上がった。
さて、そろそろ2軒目へ。
オープンして3年目というが、その前には住宅街で先代のマスターが同名でやっていたが、ぼくと同い年の先代は亡くなったそうだ。43歳の現マスターががんばって跡を継いだというわけ。サザンソウルを聴きたいという客はいないらしく、そっち系が好きと告げたら、嬉しそうに、アン・ピーブルズ、ローラ・リー、オーティス・レディングなどのレコードをかけてくれた。いい夜だ。
滑らないよう気をつけてホテルに戻り、温泉大浴場に浸かり、湯上がりアイスの後、久しぶりにドーミーイン名物をいただいた。
翌朝は、プラン変更したのでゆったり過ごせる。朝風呂に浸かり、日の出を風呂から眺めた。最上階の大浴場には露天風呂もあるが、冷たい風が強く吹いて寒かった。
予約しておいたタクシーで八戸酒造へ。タクシー料金は老人割引で1割引だった。八戸酒造は8年ぶり。
初めて蔵見学した17年前は作業現場を見せてもらえたが、東日本大震災後の2回目には立入がかなり制限されていた。今回はもっと厳しく、作業場は一切見られず。コロナ後はそういう蔵が増えた。仕方ないけど、寂しい。
ビデオで酒造りの様子を見てからお楽しみの試飲。5種類並べられた。
自宅に3本発送してもらうことにして、蔵を出た。最寄りの陸奥湊駅へ。
八戸から新幹線で南下。
盛岡、古川で乗り継ぎ、鳴子御殿湯駅まで。1駅前くらいから雪の気配に豹変した。
1週間ほど前に電話で、15時前に着く列車で行くと伝えてあったのに、部屋はまだ用意できてない、ロビーで待ってくれと言う。もう1人の客とボロい椅子が置かれたロビーで待ったが、20分以上経ってようやく3階の部屋に案内された。窓の障子は破れ放題。なんちゅう宿じゃ。
宿は1泊朝食で予約してあり、夕食は近くの焼肉屋を予約してある。夏にも別の宿と同じ店を予約していたが、大雨で列車が止まっていて急遽別の場所へ行った経緯がある。この店のことは近辺の宿に泊まった折、あそこはいい、でも予約がなかなか取れない、などとその評判を聞いていた。雪道を歩くのは難儀だなと思っていたら、宿主が送迎してくれるという。これは助かる。
左隣の客は横浜からおとQパスで来てるという。相当な常連のようで焼酎のボトルキープをしてる。彼と焼き台を半分ずつ使う。
右隣に入れ替わりに座った男女は父娘かな。父は30年来西表島に通ってるという。先月、白浜に泊まってきたと話すと、宿のお母さんのことなど話してくる。今回は面白い人たちと出会うなあ。左隣のオッちゃんは大崎市の水道は旨いという話を聞かせてくれ、この近隣のおすすめ宿や食堂などを教えてもらった。
帰りも迎えにきてもらえたが、雪が本格的に降っていて、ありがたかった。
寝酒を少々やって、早めに寝た。
朝風呂は小浴場で。やがて、外は明るくなった。雪はさほど積もらなかった後ようだ。
朝メシはまずまず。
さて、最後に一風呂浴びたら、今日は帰るだけ。なかなか面白い旅だった。