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2022年11月 肘折温泉で本読み湯治1

今年1月、雪に埋もれた肘折温泉でプチ湯治を楽しんだ。泊まったのは、以前別の宿に泊まった時に肘折温泉常連先達から教えてもらった木村屋旅館。とても居心地が良く、再訪することにした。今回もカミさんと2人連れ、ただし新幹線ではなく車で行く。いろいろ荷物を積み込めるのはありがたい。早朝に出発し、昼メシは東根の肉そばの東亭で。6月に山仲間と蔵王周辺の山歩きに来た時、立ち寄った店。その時、名物の肉そば(スライスした鶏肉が載った冷たいそば)を食べて美味しかったが、周囲のお客の多くが、同じ肉そばでも麺を中華麺にしたバージョンを注文していて気になっていた。で、食べてみた。これはこれで旨い。が、そばは新そばの時期。カミさんのを味見させてもらったら、めっちゃ旨くてこっちにすればよかったと少々後悔。

東根の東亭。11時半過ぎに到着したが、案の定、駐車場はほぼ満杯の盛況ぶりだった。
これが肉そばではなく肉中華。スープは鶏の出汁、少し濃いめの味わい。
そばバージョンより、若干あっさりめの食感かな。このあたりの皆さんは、この肉そば以外にもそばを食べる機会は多いだろうから、味変で中華麺を選びたくなるのかもしれない。

まだ時間は早いし、口の中をさっぱりさせたくて、10分ほど走ったところにある自家焙煎コーヒーの店へ寄ってみた。ばいせんはうすNISHI。ご自宅の脇にこぢんまりした店がある。豆の販売がメインのよう。店内でも飲めることを確認して入店。コロンビアとケニアを注文。香りもいいが、クリアな旨味が特徴だと思った。なかなか深い味わい。

焙煎したコーヒー豆は生ものだから2週間ほどで飲みきってほしいと、焙煎日も明記し、飲み頃の豆もちゃんと教えてくれる。
店内の片隅のイスに座っていただいたコーヒーは大変美味しかった。
それでいて1杯、220円と200円。帰路、豆を買いにまた寄らせてもらおうと思った。

さあ、少し早いけど肘折温泉に向かおう。温泉街手前の蕎麦畑は刈り取り終えてだだっ広い空き地になっていた。そして、肘折希望大橋展望台からは秋景色の肘折温泉を眺めることができた。

急ターンの九十九折り、肘折希望大橋を一気に下っていく。

温泉街の非常に狭い道をゆっくり走り抜け、木村旅館前に車を駐めて,荷物の整理を始めると、ご主人が出てきて、荷物を運んでくれた。お久しぶり、お世話になります。

温泉街の一番奥の方に位置する木村屋旅館。ぼくらより少しお若いご夫婦が切り盛りしていらっしゃる。6室のみの家庭的な宿。
早速、2階の部屋に案内され、全国旅行支援や肘折温泉独自の優待などについて説明をしてもらった。
宿泊料が4割引きになり、地域クーポンが平日2日分と休日1日分、ひとり合計7000円。
加えて肘折温泉独自クーポンが4000円いただける。
3泊して実質2人で3600円払うだけでいいことになる。なんだか申し訳ない気になる。

一息ついてから、近くの共同浴場、上ノ湯へ。宿で入浴券をもらってから。

神社への階段下に地蔵。また来たよと御挨拶。
先客2名、うちおひとりは浴槽縁で寝転がっておる。うわ、入りづらいぞ。
記憶にあるより湯温高め、かな。まあ、入ってしまえばOK。

湯上がりに、これまた前回入り浸ったカネヤマ商店。生ビール飲みたかったのに、切らしてた。しゃあないから、部屋で飲む缶ビールや夕食時の日本酒など買い込む。支払いは地域クーポンが使える。いいねえ。さて、日が傾き始めた温泉街を宿へ戻る。

浴衣姿が似合うねえ、温泉街には。

部屋で缶ビールを飲み、テレビ見たりしてるうちに、夕食の時間。こちらのお宿は、お膳を部屋まで運んでいただける。前回は贅沢プラン、おかず8品で宿泊したが、帰る時にご主人から次の機会があれば、スタンダードプランでいいんじゃないですか、と言われていてその通りとカミさんと確認済みなので、今回はおかず6品のスタンダードプラン。

こちらのお料理は味付けが控えめで好ましい。もってのほかは木の実和え。
このベースのおかずに、自宅から持参した鶏ササミ燻製や、チーズなどを加え、
さらには持参したスダチを絞ってグレードアップ。
アルコール類は持ち込み制なので、カネヤマ商店で買い込んできて、冷蔵庫に保管。
日本酒は、昨日が孫の誕生日だったので、初孫にした。
みそ汁はナメコ汁。季節の恵み、だねえ。
食後の甘味はほていまんじゅう。

その後、一服した後、一風呂。

1階の中浴場。温泉は2階と同じ源泉。2種類の源泉のブレンド。

ほてった体を鎮めた後、持参したウィスキーを少々。滑り出し、上々。
夜中は雨がけっこう降っていた。翌朝、5時過ぎに起床。2階の風呂には先客ありだったので、1階の貸切浴室へ。ここが一番小さな浴室。温泉で体全体がシャキッと目覚める。6時半、朝市を見ようと表へ出た。

朝市には10名あまりの売り子が並んでいた。浴衣姿の泊まり客たちが、
一生懸命品物を見定めていた。
並んでいるのは、野菜や自家製の漬物類、塩漬けにした山菜やキノコ類など。
自ら採ってきたキノコを売っている人もいた。大人気。

宿へ戻る前に温泉薬師(湯座)神社へお詣り。

石段を登っていくと温泉薬師神社。
神社が立つ高台からは温泉街を見渡せるが、朝霧がかかって見晴がきなかった。
銅山川上流のダムの方は霧に霞んでいた。

宿に戻り、朝食。なかなか盛りだくさんの献立。どれも塩味が薄めに調整されていて好ましい。

ご飯が美味しいのは嬉しいこと。漬物も毎食変わっている。
ご飯をお代わりしたくなるが、ぐっと堪えて1杯だけにする。

朝食後は、今回の本来の目的のひとつ、本読み。難しい本を読む気にはなれないので、小説を5冊持ってきた。カミさんと2人で、共に読む本も中にはある。本読み滞在中、最低でも2冊は読み終えたい。とりかかったのは、遠田潤子のイオカステの揺籃(ゆりかご)。
半分ほど読み終え、10時半、散歩と入浴、昼食のため外出。片道30分、目指すはカルデラ温泉館。閉鎖されていた露天風呂が本日から再開する。宿で50円の割引券をもらってきた。

秋色の景色の中、足取りも軽くカルデラ温泉館を目指す。
入浴券450円、50円割引きの400円券を自販機で買って入場。
内湯の入り口前には、炭酸泉の飲泉場。湯上がりに飲んでみたら、ほんのり甘味があり、
シュワッとしてとても美味しかった。
温泉街の源泉とは異なる源泉。こちらの方が少々強めなのかしら。
先客のおじいさんがあれこれ話してくれた。カルデラの名前は、ここが大昔、
火口だったことに由来、1200年前から沸いているという。
ここは休火山だから、ひょっとしたら再噴火する可能性もあるらしい。
こちらは内湯。建物内部はちょっとお洒落な造りになっている。

いいお湯だった。歩き始めると、頬を撫でていく風が気持ちいい。

1月にも食べに来た蕎麦屋、寿屋。店内の右側イス席はすべて塞がっていた。
やむなく小上がり座敷にあがって注文。
名物、ざぶとん。大きな油揚げを焼いてある。旨味がたっぷりで美味しい。
早い時間に売り切れになる人気メニュー。
ざぶとんひとつと、天ぷら盛合せひとつ、もりそばをふたつ、キリン瓶ビール1本。
そばは新そば、ワサビは使わず、一味をかける。香りよく、甘味もあって旨い。
もりはお皿に載っているが底が深く量は多い。

寿屋のお勘定、地域クーポン3枚と現金275円。ご馳走様でした。
カネヤマ商店でお土産をあれこれ、またまた地域クーポンで買い物して宿に戻った。再び、本読み。16時半、読了。よっしゃあ。
外へ出て、スタンプラリーみたいな案内板巡り。
戻って、2階のお風呂。ふうう。湯上がりにビール。いいペース。

宿の中のお風呂で一番大きいのが2階の展望風呂。
入口の戸が開いていれば誰も入っていない。男の暖簾がかかっていれば、
男性入浴中のため、男は入ってもいい。女の暖簾の時は逆。
源泉が注がれる湯口。かなり高温。

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