2022年5月 宮古諸島3 伊良部島
宮古諸島のバスやタクシー、レンタカーなど交通機関は、島ごとに乗り入れ規制など厳しいようで、宮古島から伊良部島への路線バスは協栄バス(下地空港から伊良部島経由宮古島へは協栄バスと中央交通2社)のみ。すごいバスが市役所前に待っていた。マイクロバスサイズ。動き出すとブルンブルンとマジで音がする。坂道は比喩ではなく、喘ぎながら走る。バスマニアは泣いて喜ぶだろうな。
伊良部島では昔、宮古島から連絡船が通っていた東海岸の佐良浜港へ寄ってから、島の西側へ向かう。運転手は乗客の下車場所を把握してるようで、バス停ではない場所で次々下ろしていく。ただし、お客はちゃんと下車前にピンポンとだけは鳴らすのがルールみたい。乗車時に伝えていたバス停は、宿の最寄りではなかった。もうひとつ先で下ろしてもらった。いつも世話になるハンモックの宿、カサ・デ・アマカ。
自転車を借りて、佐和田の浜へ。海岸縁で工事中のホテルはずいぶん出来つつあった。
伊良部島と下地島の間には、海峡より狭い海の部分が存在する。水路と呼ばれる。2つの島は6本の橋で結ばれているが、時々、どっちにいるのか分からなくなる。マングローブも生えていて、独特の景観を生み出しているが、個人的には大好きな景色だ。
自転車で走っていたら、道端に小さな小さなマモル君が立っていた。伊良部島でも、新たに造られた宿や店が目に付く。気ままにあちこち自転車でふらふらと回る。
最後に地元のスーパーに寄って、缶ビールなど買い込んで宿へ戻った。シャワーを浴びて、ビールを吞みながら大相撲観戦。ちなみにこの宿にはテレビはない。スマホでNHKプラス。柏出身力士、琴勝峰は負けたが、隆の勝は勝った。
夕食はいつもは近くのおでん屋さんへ行くが、たまには違う店もいいかと、少し歩いて、むつ美という店へ。
開店早々のためか、他に客はナシ。まずは、ビールとチーイリチー、アグー豚の揚げ餃子。店内のBGMは、いわゆる沖縄モノ。ブームの島唄とかビギンなどメジャーな沖縄ポップスが延々と繰り返し流れていて、ちょっと勘弁してほしかった。
島やっこ、美味しいよ。さあ、泡盛を。伊良部島の宮の華。女性が中心になって仕込んでいるらしい。ロックでいただく。いける。伊良部島のトマトサラダ。凄い量が出てきた。ま、野菜だからいけるか。泡盛お代わりは、ゆら。これも伊良部島産。25度。でもしっかり香る。珍味3点盛りを注文。女将さんから2年前に開店したこと、それまでここは割烹だったり定食屋だったりしたが、リフォームして始めた、などの話を聞いた。珍味3点、というから、3種類の酒肴かと思いきや、3つの小さな豆腐の上に、塩辛が載っている。ありゃ、ハズレだったか、と思ったが、口にしたらとんでもなく旨い。真ん中はスクガラス、左はカツオの内臓の塩辛、右はカツオハラスの塩辛。どれもご主人手造りとのこと。
お勘定して、ご主人に手造り塩辛が気に入った、と伝えたら嬉しそうにしていた。
帰り道、まだ明るいが少し黄昏れかけてきた。と、バタバタ飛んできたのが電線にぶら下がった。オオコウモリだ。
宿に戻ると、テラスで宿主のSさんがビールを吞んでいた。黄昏時の贅沢。これから夕食、と言うので、バー開店まで部屋で待機。
20時45分頃、もういいかなと思って、吞みませんかと声をかけたら、定時は21時なんですけどねえ、と苦笑いしながら出てこられた。
手土産で国産ウィスキーの小さなボトルを2種類持参して渡してある。まずは、倉吉から。
Sさんとあれこれ四方山話。コロナ以降、彼はそれまで毎年年明けに出かけていた中南米方面へ行けず、来年1月は絶対行こうと思ってる、と宣言していた。その頃、コロナはどうなっているかしら。あと、来間島で泊まったハイビスカスの話。ご主人にはいろいろあったらしい。
ふだん早寝のぼくにしては、ずいぶん遅くまで吞んでしまった。ハンモックの寝心地は心地よい。
翌朝、今朝もまた雨は降っていないようだ。が、間もなく降りそうなので、その前にちょいとお散歩へ。
帰りのジェットスターは、11時25分発。雨さえ降っていなければ、空港まで歩いて行くつもりだったが、10時過ぎ、ぱらついてきた。Sさんに車で送っていただいた。お世話になりました。