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余り聞いたことがない言葉 ~【櫻坂46】理佐さんのラストメッセージ~

今週の「そこさく」で、理佐さんの卒業記念企画が完結した。
番組最後に、MCのお二人から花束を受け取り、視聴者の皆さんに向けた最後のメッセージが伝えられた。

これまで約7年間本当にお世話になりました。
応援してくださる皆さんがいらっしゃらなかったら
ここまで続けてくることはできなかったなと
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも櫻坂46と、そして私のことをよろしくお願いします。

「そこ曲がったら、櫻坂?」理佐さん卒業記念回・後半より

理佐さんが卒業するにあたって、コンサート後に配信されたSHOWROOMでも、観てくれた方々に向けて、同じようなメッセージを残している。
これらのメッセージを聞いた時、メンバーが卒業するタイミングで余り耳にすることがない台詞が入っていたため、少し違和感を覚えた。
それは、「私のこと」という言葉が含まれていたからである。

今までのメンバーは、卒業する時に、
「今まで応援してくださった方々に恩返しができるように頑張ります」
「今まで応援ありがとうございました」
と言う場合が多く、その後に一言付け加える場合には、
「欅坂46(櫻坂46)をよろしくお願いします」
と続ける場合が多かった。
この言葉の裏には、「自分はグループ活動の中で、応援してくださった皆さんの期待に応えることができないことがあった」という意味合いが少なからず含まれていたはずである。
今回の「そこさく」でも、理佐さんとMCのお二人が車で移動する中、番組の収録時には伝えることができなった話をしている場面でも、「思うように活動できない時期があって、思い知らされました」という発言があった。
年にシングルを1枚しか出せない時期が続き、その頃、卒業するメンバーが多かったので、理佐さんにとって、一番歯痒く辛い時期だったのだろう。
卒業するメンバーも、どこか不完全燃焼のまま卒業することになるため、「自分は、グループを離れて頑張ることに決めたけど、グループに残るメンバーたちを引き続き応援してください」と言うのが精一杯だったのかもしれない。

その点、理佐さんは、やりたいことをやり切った形で卒業することになった。
卒業コンサート、メモリアルブックをはじめ、TVやラジオの冠番組では記念企画が放送されている。しかも、理佐さんが提案した内容は可能な限り盛り込まれていたようである。
表題曲でこそなかったが、櫻坂46のシングルとして、理佐さんがセンターを任された楽曲も準備され、グループでパフォーマンスする上で、目標となる項目は、ほとんどクリアした形で卒業している。

欅坂46時代、non・no専属モデルに挑戦した時、「グループを知ってもらうきっかけとなれるように」という動機で、モデルオーディションに臨んでいたようである。
その言葉でもわかるように、彼女は「グループのため」に少しでも貢献できる存在となれるように活動を続けてきた。
パフォーマンスはもちろん、個人の仕事でもその姿勢は変わることなく、卒業する最後の時まで貫かれていた。
その姿勢は、卒業した後も続いていくだろう。
彼女なら、グループ出身の1人として、グループの名を汚すことがないように、活動をしていってくれるはずである。
以前にも少し書いたが、理佐さんは、パフォーマンスの時も、自分が映らないような役回りになろうとも、それを厭わず、きっちりとその役目を果たしてきた。
あれだけのビジュアルであれば、最前列でスポットライトを浴びていても不思議ではない逸材でありながら、グループのために、自分の身を挺して、パフォーマンスのクオリティーを上げることに尽力してきた。
それはまさに「わたくし」を消してグループに奉仕する姿勢と言えるだろう。

そんな理佐さんだからこそ、冒頭で紹介したように、「私のこと」という一言を付け加えている意味は大きいと考えるべきである。
少し無粋だが、彼女の発言に、彼女が思っているだろう内容を付け加えると、次のようになるだろう。

これからも〔私が心血を注いで尽力してきた〕櫻坂46〔はこれからも、二期生を中心にどんどん進化し大きくなっていくはずなので、変わらぬ応援をお願いします〕と、そして〔これからは、グループの一員として直接貢献することはできなくなりますが、今まで以上に頑張って櫻坂46の活躍に負けないようにいろいろなことに挑戦していきますので〕私のこと〔も忘れずに、引き続き応援〕をよろしくお願いします。

彼女のコメントをみると、周りのスタッフやメンバーなどから、「自分のことも大切にしなさい」と言われているのかもしれない。
「そこさく」などでも、理佐さんが「愛情深い」人であることは、度々紹介されている。
本人としては、そんなつもりはないのかもしれないが、いざグループを離れることを決断した時、自分がやってきたことを振り返ったのだろう。
グループを優先し「私」を消すことで、自分の存在意義を見いだしていた感がある理佐さんが、「自分」を押し出すことになる今後の活躍が、非常に楽しみである。


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