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個を高めていくことの大切さ ~【櫻坂46】「4thシングルヒット祈願」を観て~

昨晩の「そこ曲がったら、櫻坂?」では、「櫻坂46 4thシングルヒット祈願」企画が放送された。
櫻坂46となってから、シングル発売ごとに行われているのだが、今回は、センターを務める山﨑さん、理佐さん、森田さんが「弓道」に挑戦した。
弓道は、武道の一つであるにも関わらず、「相手を倒す」と言うより、「自分と闘う」と言う要素が強い。
決められた所作(礼法)の中で、自我を無くし、的と一体となった時に矢を放つ。
この境地は、ドイツの哲学者ヘリゲルが書いた「弓と禅」の中に記されているものである。
彼が「弓禅一如」を体得した時の話が、この本では紹介されている。

今回の「ヒット祈願」に挑戦した三人は、皆、運動神経が良いメンバーなのだが、「三人連続で的に当てる」という課題に、かなり苦戦した様子が放送されていた。
このあたりからも、弓道が単なるスポーツではなく、それぞれの心持ちに左右されるものであることがわかる。
それでも、このような経験は、今後のパフォーマンスに良い影響を与えてくれるだろう。
パフォーマンスを通して、楽曲の世界観や込められたメッセージを観客に届けることに、全身全霊をかけている彼女たちをもってしても、今回の課題は乗り越えるのが大変だったようだ。
的に「当たる時」と「当たらない時」、この違いを身体で覚えていくことで、これからの楽曲披露でも大きく活かされるだろう。
放送された田村さんや武元さんのコメントを観ても、三人の気持ちのこもった奮闘ぶりによって、魂に響くものがあったようである。
聴く人の気持ちに寄り添い、一人でも多くの人々に幸せを届けたいと、日頃から心掛けていることが、今回の放送を観ていても、しっかりと感じられる。

ご時世から、今回も全員によるヒット祈願とはならなかったが、23人の魂が3本の矢に込められていたことは間違いない。
グループで活動していても、それぞれが己を磨いていくことが、グループ全体に貢献することにつながることを、この挑戦から学んだメンバーも多いだろう。
「五月雨よ」は、ゆったりとした穏やかな楽曲である。
そのため、その場の雰囲気や勢いだけでは、ごまかすことが出来ない高いスキルと表現力が要求される。
彼女たちの「静かなる革新」が、世間から、どれ位受け入れられるのか、まさに勝負の時と言えるだろう。
弓道では、正しい礼法と構えで弓を射れば、的を狙わずとも、放たれた矢は必ず的に当たると言われている。
彼女たちのパフォーマンスが、すぐには受け入れられない場合もあるだろう。それでも、進化を続け、高いところを目指していれば、いつの間にか、周りには比べるものが無いほどの「表現者パフォーマー」となることができるだろう。
彼女たちがそうなる日まで、応援を続けることだけが、ファンが出来る唯一のことである。


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