生き様が芸術に・・・ ~【櫻坂46】タイトルとアー写が示すもの~
昨日公開されてから、最新アーティスト写真を隅々、何度も見返している。
ドレスアップしたまま、海の中に並んでいるのが、櫻坂46としては異例のことである。
今までも、自然の中で苦労しながら、美しい映像を残してきているが、今回は、オフショットと言っても良いほど、リラックスした表情が特徴と言えるだろう。
全体に青く不鮮明な仕上げとなっているが、細かな制作データが確認できていないので、あくまでも推測であるが、出来上がりの感じをみると、同じ制作陣による仕事のように感じられる。
先日放送されていた「情熱大陸」で、映像作家OSRINさんが紹介されていた時、櫻坂46のジャケット撮影風景も紹介されていた。
放送では4枚目シングル「五月雨よ」のものが収録されていたが、仕上がりで感じる以上に、アナログにこだわった制作姿勢が印象的であった。
あの滲んだような映像が、現場の照明によって演出されていることに驚かされた。
この番組の中で、OSRINさんが沖縄で仕事をしていたことを話している場面があり、ファンの間では、今回のアルバムジャケット撮影ではないかという憶測が飛び交っていた。
土生さんのインスタでも、沖縄にいる様子が上がっていたので、どうなのか気になっていたところで、昨日のアー写発表である。
「やっぱり!」と思ったファンも多かっただろう。
どこで撮影されたものか、全く分からないが、春先の海で撮影していることを考えると、南の海だろうことは予測ができる。
4枚目シングルは、表題曲MVも、とことんアナログにこだわっていた。
このような映像作家のこだわりと、櫻坂46は非常に相性が良い。
1stシングル「Nobody's fault」の時から、作り込んだセットの中、計算されたアングルと表情で、撮影されたものがジャケットに採用されている。
欅坂46時代は、もう少し、瞬間の煌めきや輝きにフォーカスされていた感じがあったが、櫻坂46となってからは、想定している仕上がりに近づけようという姿勢が感じられることが多い。
櫻坂46となってからの流れを観ていたからこそ、最新アーティスト写真の意外性が際立っていると言えるだろう。
このような大きな変化を目の当たりにすると、そこに何かしらのコンセプト変更が感じられる。
最近の冠番組を観ていても、メンバーのキャラがかなり確立してきているのがわかる。
今までは、彼女たちを『素材』として、各分野のプロが持てる能力の限りを尽くして、「アーティスト欅坂46」「アーティスト櫻坂46」というスタイルが作り上げ、世間に発信していたが、「これからは違う」ということを示したいのかもしれない。
一流のミュージシャンがそうであるように、楽曲も含め、彼女たちの生き様そのものが、「既に芸術である」というステージに来ていることを宣言する意思が強く伝わってくる。
その流れがわかると、タイトルの『As you know?』が妙にしっくりくる。
「ご存じの通り・・・」を意味する言葉に、「?」がつくことによって、「あなたが知っている私たちは、果たして本物かしら?」というニュアンスが生まれてくる。
表面だけでは分からない部分を掘っていけばいくほど、もっと魅力的なことがわかって、「知りたい」「もっと聞きたい」という気持ちが湧いてくることを知らせようとしている可能性もある。
そんなことを考えながら、改めてアーティスト写真を観ると、彼女たちの表情が違って見える。
「サイレントマジョリティー」MVの最後、一列に並んでいたメンバーの表情からは、これからエンタメの世界に飛び込む「戸惑い」や「恐れ」のようなものも感じられたのだが、そんな顔をしたメンバーは、もういない。