私の可愛いPOLY800
昔の相棒を紹介します。
キーボードを弾いていました。
高校時代のバンド活動については触れたくないので端折ります。
大学で所属していた音楽サークルではバンド編成は流動的でした。「こんなのやりたい!」と思い立った人が、その都度メンバーを集めるというやり方です。
だいたいバンドを二股していました。ロックが好きでキーボードを弾くという人は意外に少なく、需要があったから。ギター弾きはたくさんいたんですけれど。
下手クソでも周りに負けない爆音を出す度胸さえあればOKなのです。
楽しければよし!
私の愛機はコルグのPOLY800。
小さくて軽いのが選んだ理由です。
ヘッダー用に絵を描きました。
似てます。(自画自賛)
自分の楽器くらい自分で運びたいもの。とはいえ私はチビで非力。立派なキーボードはとても持ち歩きできません。10kg以上あるんだもの。お米より重いのですよ。
その点、POLY800は4kgしかないので私でもひょいと片手で抱えられます。コンパクトだから電車で移動する時も邪魔にならない(これ大事)。セッティングも楽々!
鍵盤が49しかなくて足りなくなることがあるけれどいいの、いいの。音作りにも限界があって、思い通りの音がどうしても作れなかったり。でもいいの。ちよっと足りないくらいが可愛いじゃないですか。
しかし音色はもう少しなんとかしたいと思うようになり、そのうちエフェクターを組むようになりました。
せっかく小さくて軽いキーボードにしたのに、肩にキーボード担いで手にはエフェクターボード。ギターの人みたいに大荷物になってしまったという。
POLY800にはシーケンス機能がついていました。短いフレーズを入力しておくと、スイッチオンでそのフレーズを延々と繰り返してくれるものです。
これが・・使い物になりませんでした。
POLY800がみんなそうなのか?私のが不良品なのか?流したフレーズがわずかずつ速くなっていくのです。結局、全部自分で弾かなくてはなりませんでした。
ほんと、使えない 可愛いヤツ。
サークルの定期的なライブだけじゃなく、声が掛かればなんでも参加しました。卒業した後も音楽のつながりはあって、ちょっとしたセッションやライブに呼ばれることもちょこちょこありました。
キーボードが小さいから、さらっ!と参加できたんです。身軽って大事。
さて、POLY800の1番可愛いところを紹介しましょう。
それは初期化する方法!
目一杯音をいじるので、一区切りつく頃には収拾がつかなくなってしまいます。そうなると元の音源に戻すのですがーー
付属品でカセットテープが1個ついています。絶対に失くしてはいけない、最重要備品。
これをカセットデッキに入れて、キーボードとデッキを繋ぎまして・・・あとはデッキの再生ボタンを押すだけ。
ピィー、ガァー、ヒュルルルー
〈大丈夫なの?〉と不安を煽る機械音が鳴り響きます。ドキドキするけど落ち着いて待ちましょう。
ゴゴー、ルロロロロ‥‥、ピュー
なんか、えらい音してるけど大丈夫。うん、大丈夫なはず。
そのうちカセットテープがブチッと切れるんじゃないかと気が気じゃありません。そんな音なのです。
やがて静かになったら初期化終了。
大丈夫とわかってはいても、音を出して元に戻っていることを確認するまで心臓バクバクです。こんなふうに心配させるところも可愛い。
(勝手に心配しているだけ)
15年くらいでしょうか。濃い密度で使いました。全ての機能を使い切ったとは言いませんが、かなり使い込みました。
そしてとうとう、音が不安定になってしまったのでした。
おつかれさま。
ありがとう。
楽しかったよ。
‥というのが25年前クローゼットの奥の奥にしまい込んだ元相棒のお話。
・・・か、かびてないよね?・・
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