幸せの黄色い列車 島原鉄道
島原鉄道は長崎県第三の都市の諫早市の諫早駅から、島原半島東部島原市の島原港駅まで、42.3km 24駅の鉄道路線。諫早駅は長崎本線と大村線が分岐し、今では西九州新幹線も停車する拠点。諫早郊外から雲仙市を通り、有明海沿いに、右手には雲仙普賢岳を見ながら進む。途中の古部駅はジョージアのCM、大三東駅はキリンレモンやマクドナルドのCMなどで使われている海にせり出した駅が売り。島原は島原藩の城下町、島原港からは有明海を渡るフェリーに連絡していて、熊本と大牟田につながっている。
島原鉄道の会社設立は1908年、諫早から愛野の最初の区間が開業したのは1911年、その後延伸で現在の島原船津駅まで開業。島原船津駅からはグループの口之津鉄道によって延伸され加津佐駅まで開業したのが1928年となる。合併し島原鉄道の最盛期は諫早駅から加津佐駅の78.5km。その後、長崎駅方面への直通などもあったものの、ローカル線の常として利用者は振るわず、2008年3月31日に島原港駅から加津佐駅の区間が廃止となってしまった。
島原鉄道株式会社は創業より島原鉄道の社名。現在は鉄道、バス、タクシー、フェリーと、ごく小規模な不動産とホテルを運営する私鉄会社で、長崎県と島原市が出資しているけど9割以上の株を長崎自動車という長崎市を中心にバス事業を展開する民間企業が保有する。珍しく国鉄赤字路線引継ぎパターンではない路線。
バスは島原半島一周、雲仙温泉など、後述の口之津と鬼池を結ぶフェリーへの連絡などの路線もある。2008年に廃止された島原港駅から加津佐駅まで区間も、フェリー連絡と合わせてバスが引き継いで運営している。
フェリーは南島原市の口之津と、対岸8.1kmの熊本県天草市の鬼池を結んでいる。地図を見ての通り一番狭いところをしっかり連絡しているインフラとしても重要な航路を担っているよう。
タクシーに関してはニュースになっていたけど2024年1月末をもって利用者が低迷していることもあり撤退するとのこと。島鉄の場合は別事業へ人材転換するにしても地方のタクシーも深刻な人手不足で、私も出張で地方のタクシーを利用するけどコロナ禍を経て本当に拾えなくなった。特急が停まる市の中心駅付近でも電話で呼んでも1時間待たされるのもざら。コロナでギリギリまで頑張ろうとしていたとか、踏ん切りがつかなかった高齢ドライバーが一気に辞めてしまうとか話をよく聞く。
不動産とはイオン島原店。ホテルは諫早駅前のビジネスホテル。両方とも黒字のようで鉄道事業の慢性的赤字を埋めるには足りないけど手堅い事業のよう。ちなみに2023年3月期は鉄道事業4.9億円の収入に対して、6.4億円の費用がかかっている状況、バスもフェリーも赤字で全事業で1.1億円の赤字。補助金何とか黒字にしている状況で経営がいいとはとても言えない。
今回利用したのは1日乗車券。普通に乗ると片道1540円なので80円だけお得になる。本来はバスとかフェリーも使って周遊するのに使用することを想定していると思いますけども。いろいろ調べたけど島原港と熊本港を結ぶフェリーとかを組み合わせた片道通過とかの方がお得度が高かった。実際このあと熊本港へ渡ったのだけどカブ付きなので。いずれにしても往復が必要。