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幸せの黄色い列車 島原鉄道

1号機関車ラッピング。1号機関車は1871年にイギリスで製造され、翌1872年に日本で最初の鉄道新橋-横浜間を走った機関車。その後島原鉄道開業時に払い下げられ戦前まで島原鉄道で走っていた。その後は戦争中もちゃんと保存され今はさいたまの鉄道博物間で展示されている。結構すごいこと。

島原鉄道は長崎県第三の都市の諫早市の諫早駅から、島原半島東部島原市の島原港駅まで、42.3km 24駅の鉄道路線。諫早駅は長崎本線と大村線が分岐し、今では西九州新幹線も停車する拠点。諫早郊外から雲仙市を通り、有明海沿いに、右手には雲仙普賢岳を見ながら進む。途中の古部駅はジョージアのCM、大三東駅はキリンレモンやマクドナルドのCMなどで使われている海にせり出した駅が売り。島原は島原藩の城下町、島原港からは有明海を渡るフェリーに連絡していて、熊本と大牟田につながっている。

諫早駅はJRと隣接。
諫早駅から一駅の本諫早駅。諫早市役所の目の前で旧市街の中心にあって、全体の半分は諫早駅と本諫早駅の1駅を行ったり来たりしている。そのためこの区間だけ昼間でも30分に1本ある。
島原道路という無料の自動車専用道が長崎自動車道から分岐して途中まで完全並走している。こういうのができるとますます鉄道は不利に。将来的には島原市まで計画始動、構想段階だけど天草に橋で繋げようとしているらしい。

島原鉄道の会社設立は1908年、諫早から愛野の最初の区間が開業したのは1911年、その後延伸で現在の島原船津駅まで開業。島原船津駅からはグループの口之津鉄道によって延伸され加津佐駅まで開業したのが1928年となる。合併し島原鉄道の最盛期は諫早駅から加津佐駅の78.5km。その後、長崎駅方面への直通などもあったものの、ローカル線の常として利用者は振るわず、2008年3月31日に島原港駅から加津佐駅の区間が廃止となってしまった。

愛が付く駅なので。旧愛野村の中心駅で最初の開業区間。
吾妻駅は旧吾妻町中心駅、いまでは合併で雲仙市になり旧吾妻町役場が雲仙市役所になり最寄り駅。
多比良駅目の前の多比良港からは熊本の長洲へのフェリーがある。島原半島は多比良-熊本長洲、島原-大牟田、島原-熊本、南島原口之津-天草鬼池の4航路があり、いずれも島原鉄道、バスで連絡できる。
ジョージアのCMで使われた古部駅。米津玄師がホームで歌ってた。
大三東(おおみさき)駅。愛媛の下灘駅かというくらい鉄道に乗らない観光客が押し寄せてた・・・。島鉄の案内にも駐車場無いから鉄道で来てと書いてあるし、本来駅に入るには入場料が要ります。黄色いハンカチは町おこしとして考案され、願い事を書いて結べるようになっている。大三東駅にガチャがあったり、島原駅でハンカチ付き往復券が買える。
海に近い駅はJR鶴見線の海芝浦、伊予鉄の梅津寺などいろいろあるけど、見ての通りホームから柵無しで直海なのが売り。
雲仙岳の噴火が形成したなだらかな斜面に海と畑とソーラーパネル。島原の風景。
島原城イメージの島原駅駅舎。
島原駅ホーム。
島原駅徒歩3分の島原城。本丸と天守は堀の反対側からしか入れないので少し遠い。
島原船津駅は車両基地があるため。
船津の地名通り入江と港がある。
ここから先は2008年に廃止。島原港駅まで残したのは目の前がフェリーターミナルのため。パチンコ屋に侵食されている・・・。島鉄はタクシー事業撤退が発表されているのでこの看板もなくなるのだろうか。

島原鉄道株式会社は創業より島原鉄道の社名。現在は鉄道、バス、タクシー、フェリーと、ごく小規模な不動産とホテルを運営する私鉄会社で、長崎県と島原市が出資しているけど9割以上の株を長崎自動車という長崎市を中心にバス事業を展開する民間企業が保有する。珍しく国鉄赤字路線引継ぎパターンではない路線。

島原半島と島鉄の位置関係

バスは島原半島一周、雲仙温泉など、後述の口之津と鬼池を結ぶフェリーへの連絡などの路線もある。2008年に廃止された島原港駅から加津佐駅まで区間も、フェリー連絡と合わせてバスが引き継いで運営している。

島原駅前には島原城に雲仙平成新山。駅前には島鉄バス、島鉄タクシー。

フェリーは南島原市の口之津と、対岸8.1kmの熊本県天草市の鬼池を結んでいる。地図を見ての通り一番狭いところをしっかり連絡しているインフラとしても重要な航路を担っているよう。

数年前ですがこのフェリーも乗ったことがあります。車だったのでこの時島鉄には乗ってないのです。

タクシーに関してはニュースになっていたけど2024年1月末をもって利用者が低迷していることもあり撤退するとのこと。島鉄の場合は別事業へ人材転換するにしても地方のタクシーも深刻な人手不足で、私も出張で地方のタクシーを利用するけどコロナ禍を経て本当に拾えなくなった。特急が停まる市の中心駅付近でも電話で呼んでも1時間待たされるのもざら。コロナでギリギリまで頑張ろうとしていたとか、踏ん切りがつかなかった高齢ドライバーが一気に辞めてしまうとか話をよく聞く。

不動産とはイオン島原店。ホテルは諫早駅前のビジネスホテル。両方とも黒字のようで鉄道事業の慢性的赤字を埋めるには足りないけど手堅い事業のよう。ちなみに2023年3月期は鉄道事業4.9億円の収入に対して、6.4億円の費用がかかっている状況、バスもフェリーも赤字で全事業で1.1億円の赤字。補助金何とか黒字にしている状況で経営がいいとはとても言えない。

ヘッドマークは島原新聞。
黄色い鯉のキャラクター、幸でさっちゃん。島原城下町の鯉が泳ぐ水路から。ひよこみたいって言われるらしいけど、私は島原のイルカかと・・・。
さっちゃんラッピングもあります。

今回利用したのは1日乗車券。普通に乗ると片道1540円なので80円だけお得になる。本来はバスとかフェリーも使って周遊するのに使用することを想定していると思いますけども。いろいろ調べたけど島原港と熊本港を結ぶフェリーとかを組み合わせた片道通過とかの方がお得度が高かった。実際このあと熊本港へ渡ったのだけどカブ付きなので。いずれにしても往復が必要。

島原から熊本へのフェリーから望む手前は眉山。左奥の高い山が1991年の噴火できた平成新山。この噴火で島原半島は被害を受け、島原鉄道も火砕流で一部区間が埋まってしまった。
2両と2両がすれ違う。朝の時間帯なので平日ならそれなりの利用者を想定していると思う。この日は年末休みも入っていて観光客がそれなりに利用しているのと、地元の家族連れや、東南アジア系など諫早方面は席が埋まる程度には結構な利用者がいた。


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