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『スピナマラダ!』の聖地 製紙とホッキ貝とアイスホッケーの町 苫小牧

野田サトルのゴールデンカムイが完結して、次回作として発表されたのがアイスホッケースポ根作品のスピナマラダ!。ゴールデンカムイ連載前に連載していて、悲しくも打ち切りという形で一度終わっている。作者本人も並々ならぬ思いがあるようで、リニューアルというのは楽しみですね。

そのスピナマラダ!の舞台となっているのが苫小牧市。ちょっとばかり聖地巡礼してきました。

苫小牧は北海道中南部の都市、衰退の一途をたどる札幌以外の北海道各地方都市とは一線を画し比較的最近まで人口増加して北海道第4の都市となった。北海道最大の港湾都市で、製紙とホッキ貝とアイスホッケーの町。

1996年にできた白鳥王子アイスアリーナ。クラブチーム レッドイーグルスの本拠地、もちろんリーグ戦や大会にも使う。
オフシーズンだったので中も見学できた。
こちらが1955年にできた白鳥の方ができるまでの苫小牧アイスホッケーの聖地。閉鎖されている。

日本ではマイナースポーツであるアイスホッケーの聖地。野球でも有名な駒大苫小牧高校がアイスホッケーインターハイにおいて過去71年で32回優勝している圧倒的強豪校があり、王子製紙の部活が元となったクラブチーム レッドイーグルスの本拠地もある。

スピナマラダ!はフィギュアスケートの天才の主人公が引越してきてアイスホッケーを始めるという最近の王道展開なので、ネームバリューを得た今なら打ち切られないはず。「スピナラマ」という回転して守備をかわす技と、北海道弁の「なまら」が組み合わさった造語が作品名の由来(というか主人公の言い間違いからのセリフなんですが)。

北大演習林の神社のある坂。スピナマラダ!でもトレーニングしているシーンがある。実際に地元の運動部員が実際に駆け上がってた。
そういえばこっちの藤巻高校も駒苫がモデルだった。

元々北海道の港町は函館と小樽だったところ太平洋航路の重要性が増していき、石狩・空知からの石炭の出荷港として戦後に海を掘り込んで大規模港湾を整備した。札幌圏の太平洋側の玄関、雪も少ない、新千歳空港にも近いということもあり製紙・石油・自動車産業などが集積した北海道有数の工業・港湾としてして成長してきた。北海道と他都府県間で移出中される貨物は重量ベースで8割が海運、その9割が苫小牧港という圧倒的な地位。

苫小牧北部のウトナイ湖。苫小牧付近はもともと低湿地帯。
本州から新千歳空港へ飛ぶと必ず苫小牧上空を飛ぶ。これは進行方向右側(東側)。左側だと苫小牧市街地が見える。左の方にウトナイ湖、奥に見えるのが北海道最大の石油備蓄基地。
渋沢栄一の立ち上げた会社が由来、東京北区の王子からスタートしたので王子製紙。王子製紙最初の製紙工場が1910年に設置された、その流れ汲む歴史ある拠点。
製紙原料である木材チップを積み下ろしてるところ

苫小牧から北西20kmほど内陸に支笏湖がある。王子製紙は工場で使う電力を得るために支笏湖から流れる千歳川に発電所を建設。そのための作ったのが王子軽便鉄道の通称「山線」。発電所の資材や、木材を工場へ輸送、支笏湖への観光路線としても利用された。しかし1951年に廃線となっている。

この自然に似つかわしくない王子軽便鉄道の廃線跡の鉄橋は地味に北海道最古の鉄道鉄橋。元は函館本線の前身である上川線で使用されていた鉄橋、まともな鋼材が貴重な時代。イギリスから輸入された鉄橋は王子製紙が払下げて大切に使用していた。



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