近鉄電車全部乗る④ 鈴鹿線・湯の山線
近鉄名古屋線の伊勢若松駅から分岐するのが鈴鹿線、近鉄四日市駅から分岐するのが湯の山線。近鉄線でもこれは乗らんだろという2路線ではあります。名古屋線自体は過去にも何度も乗っているのでこのシリーズで書くつもりはないです。
この旅程では近鉄名物の特急に乗るのも目的としたので、大阪からひのとりで津まで、津から賢島へは普通列車で、賢島からは伊勢志摩ライナーでまた津まで。そして名古屋行の急行で伊勢若松と来ました。
鈴鹿線
鈴鹿線は伊勢若松から平田町の8.2kmわずか5駅の路線。開業は1925年で、先に桑名と津の間を開通させていた伊勢鉄道の路線として伊勢神戸(現 鈴鹿市中心部)へ分岐する路線として誕生。その後は例によって近鉄に。1960年には平田町まで延伸される。平田町駅周辺は旧日本海軍工廠が置かれていて戦後は紡績工場(倉毛紡績→鐘淵紡績→現 カネボウだけど紡績事業は切り売りされてる、呉羽紡績→現 東洋紡で2社とも工場撤退済み、今はイオンモール)、旭化成(当時は旭ダウ、サランラップの工場)や本田技研(カブに始まり、現在は二輪ではなく軽自動車とか作ってる)の工場を誘致していたことで人の流入が増えていたため。特に本田技研の工場は鈴鹿サーキットの開設にもつながる鈴鹿を代表する企業。
路線として全線単線で、3両編成の電車が走る。ラッシュ時は最大1時間に4本、昼間は1時間に2本程度。休日の夕方ということもあるのか買い物帰りなどの利用者結多かった。途中の鈴鹿市駅は一応鈴鹿市役所の最寄り駅といっても、鈴鹿線では平田町駅が最も利用者が多い。起点の伊勢若松駅は名古屋線との乗り換え駅で名古屋線の急行が停まる。平田町から近鉄四日市までは30分ちょっと、名古屋までは1時間ちょっとかかる。
湯の山線
近鉄四日市駅から分岐し湯の山温泉駅まで15.4km、近鉄四日市駅を入れて10駅の路線。開業は早く1913年、762㎜幅の軽便鉄道に始まる。三重交通、三重電気鉄道を経て近鉄に吸収される。湯の山温泉への観光利用のため近鉄名古屋線と同じ1435㎜の標準軌に改軌されていて、少し前までは名古屋や大阪から直通特急もあったよう。現在は基本的には近鉄名古屋線への乗り入れは無く、近鉄四日市と湯の山温泉の間の各駅停車のみが走っている。鈴鹿線と同じく一部駅で行き違いができるものの全線単線で3両編成、ラッシュ時は最大1時間に4本、昼間は1時間に2本の運行。
同じ近鉄四日市駅を基点とする三重交通の路線は湯の山線のほかに内部線と八王子線があり、元々は3路線とも仲良く近鉄線だった。ただ、内部線と八王子線は採算が悪く近鉄から切り離され(株主としては残ってるけど)、現在は第三セクターのあすなろう鉄道線となり珍しい762㎜幅のナローゲージの路線として存続している。