あられもない崖っぷちの錦川鉄道錦川清流線
錦川鉄道錦川清流線は山口県岩国市の川西駅から錦町駅まで32.7kmの路線。路線名はほぼ全線が文字通り清流の錦川に沿っていることから。錦川清流線の全列車が岩国駅発着になっていてJR岩徳線の途中駅の川西駅から分岐、川西駅から直通乗り入れしているような形になっている。
この路線も例にもれず国鉄の赤字路線で廃止され、第三セクター会社として存続しているもの。ただこの路線が歴史あるローカル線というわけでもなく、この路線の最初の区間の開業は1960年、錦町駅までの延伸開業は1963年とかなり新しい。元は山陽と山陰を連絡する路線の1つとして、岩国と山口線の日原(現島根県津和野町)を連絡する岩日線として計画さたもの。そもそも早くも地方路線の利用者が目に見えて減ってきた時代、戦前の無謀な計画のまま建設が続けられていて、錦町駅から先もかなりの区間で建設工事が進んでいたところ国鉄再編が決定し工事は凍結し、終ぞ開通することなく今に至っている状況。
私はカブなので分岐駅の川西駅からスタート。1月3日の朝早い時間ということもあるけど、利用者はかなり少ない。一方でJR岩徳線はそれなりの人数が岩国方面乗っていたのでやはり差がある。全列車がJR岩国駅と錦町駅の間を1日10往復で、2時間くらい間が空く時間帯もある。片道は岩国駅から約70分、JRの西岩国駅と川西駅を除いて11駅。
2023年3月期の鉄道事業の売上は約7200万円、費用は1億8000万超と1億円以上の赤字。市営バスや観光地の錦帯橋、岩国城の運営事業の委託を受けていていてそちらの方が売り上げが大きいもの赤字ではあり、結局補助金で全社赤字を埋めている状況。
ついに2025年3月までに廃線・バス転換を含めた今後の在り方を決定することになっている。ローカル線の最大顧客である学生についても、沿線唯一の高校である錦町駅そばの岩国高校広瀬分校が2025年3月に閉校することが決まっている。頼みの観光客についても錦町駅から先の未成区間を利用したアトラクションのとことこトレインや秘境駅の清流みはらし駅に行くツアーなどの観光列車など様々な取り組みをしている状況。
JR岩徳線に乗った時の話はこちらから。