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ソルボンヌ大学の「文明講座」という呼び名からフランス人の根底マインドを考察した

2010年5月に渡仏した私。フランス語といえば大学時代の第二外国語として習っていた程度、その後いまの旦那さんと知り合ってからちょっとフランス語会話も習っておこうかなー、なんて気持ちになって当時銀座にあった(今もあるかな?)小さな語学学校に通ったりもしていた。でもそんな程度で上達するはずもなく、、
とりあえず渡仏して現地で学校に通えばなんとかなるのかしら、と甘ーーーく軽い期待を持って出発したのでした。

大学附属で開催されている長期の語学コースを受ける方が私立の語学学校のように毎週月曜日から新規生徒を受け入れる学校よりも腰をしっかり据えて落ち着いて学べるかと思い、狙いを定めたのはパリ・カトリックとソルボンヌ大学の文明講座。そう、「文明講座」と日本語には訳されているコース名、フランス語では

Cours de civilisation française de la Sorbonne

ソルボンヌの講座開講は5月の渡仏時には時期的に合わなかったのでとりあえずパリ・カトリックの夏季講座を受けてから9月からのソルボンヌの文明講座を受け始めました。内容的には文法を中心にしてしっかりと教えてくれるし発音矯正の授業もある。教師陣も当たり外れがあるとは言われているけど質は良い(はず!)ので上達するかどうかは本人の気合い次第。そして今回タイトルにした「文明講座」、なぜに文明講座と冠しているのかの所以はフランス「文明」に関する授業も同時に行われているからだと思っていた。ただ生徒に必須なのは文法クラス、その時間割に支障のない時間に気になる講座の授業が行われていれば自由に参加して聴講することができるというもの。限られた選択肢ではあったけど私はフランスの建築史を聴講することが出来て色々と知識を得られました。

ただね、、

在仏歴が長くなるにつれてそれぞれの単語に付随してくる記載はされないけど確実に存在するニュアンスみたいなものを感じるようになりました。そこでハッと思ったのがこの単語 civilisation
要はフランス人は自らをcivilisé, (英語ならcivilised)「文明化された、進歩した、進んでる」と確信している(絶対に)。そしてこの講座を受けに来ている諸外国からの人間達はどんなにGDPが高い国や億万長者いっぱいな国、学力ランクの高い国、はたまた長寿世界一な国からの人間でもciviliséはしてない、もしくはまだ到達していない部類であり、、だから我々が君たちに教育を施してciviliséさせてあげるよ、という意味なのでは??と。

もちろんこれは未だにフランス語をしっかり習得していない私の偏って穿った見方かもしれません。フランス語に詳しい方がいらっしゃったらどうぞコメントで私に教えていただきたいです🙇‍♀️ ただ、このフランスという大国で「生まれた」というだけで確信もないのに巨岩のような「自信」を持って世界の勝ち組(なんてものがあるかどうかわかりませんが)として世の中を生きていく人たちがちょっと羨ましく思えたのでありました。


追記:ポリネシア諸島の一つに現在駐在している旦那さんが昨年赴任してすぐに勤務先が開催していた説明会ではintégrationという単語が使われていました。civiliséと言われるよりこちらの方が優しく、微笑ましく、暖かく外国からくる人たちを歓迎する気持ちが感じられました。




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