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年賀状ビジュアルはどう創られたのか 【1】

もう3が日過ぎておりますが、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

さて、こちらのヘッダー画像は個人的に作った2023の年賀状=NEW YEAR'Sビジュアルであります。(紙の年賀状は基本廃止してしまったのでおもにSNS用途)

基本的に広告デザイナーというのは説明抜きでメッセージを伝えられないと役割を果たせていないので創ったものの解説をするのは野暮ってもんですが笑、このnoteでは「デザイナーがどんな風に考えてものを創っているのか」をお伝えできたらという趣旨なので、恥ずかしながら解説していきます。

ちょっと長めなので3回に分けますが、デザイン思考の一例としてはなかなか参考になるのではないかと思っています。

■概要

今年の干支の「卯」ウサギが不思議な色の楕円に向かって懐中時計とともに飛び込んでいるように見えますか? Jump in!って書きましたしね笑

察しの良い方はわかってくれたかもしれませんがこれは「不思議の国アリス」に出てくるウサギがモチーフです。

今回のNEW YEAR'Sビジュアルはチャレンジ精神がテーマ/コンセプトです。


■アイデアはどこから来るのか

デザイナーじゃない方からよく聞かれる話として「どうやってアイデアってひらめくの?なんか降りてくるの?」みたいなのがあります。
ある程度仕事をしてきたデザイナーの方はわかると思いますが残念ながら違うんですよね笑。

基本的にはひとり連想ゲームです。


今回は私がどうやってこれを思いついてこの形に定着したかを順を追って解説していきます。

■0.漠然と「やりたいこと=伝えたいこと」を考える

年賀状のデザインをするにあたって考えること、実はたくさんありますね。

  1. 干支、年号、文字、なにをメインに持ってくるか

  2. 誰に見せたいのか?

  3. どんなメッセージを込めるか?または込めないか?

  4. どんなイメージにしたいのか?

  5. 最終的にどう見られたいのか=どうコミュニケーションするのか?

普通に親戚や友達に送るならその人の近況や人柄が伝わる、たとえば家族写真とともにおめでたい雰囲気をあしらった年賀状なら100点だと思っています。が、そこで色々と考えてしまうのがデザイナーの性。

サカヨリらしいなーと思われるような
人とかぶらないものが創りたい!


という基本方針から上記の5つを行ったり来たりしながらイメージを固めました。
それでは1個づつ解説していきましょう。

■1.なにをメインに持ってくるか

日本で年賀状としてポピュラーなのはやはり干支ですよね。
「2023」や「謹賀新年」などの文字を使ったタイポグラフィでやる手もありますが、今年の干支はウサギですからビジュアル的には可愛くてもってこい!ということでここはあまり考えずウサギメインで考えはじめました。

■2.誰に見せたいのか?

私の場合は主にSNSでの投稿なので基本的にはデザイナーやコピーライター、イラストレーター、バンド仲間などクリエイティブ感度の高い目の肥えた人が主なコミュニケーションの対象です。
そんな人たち相手ならクリエイティブでオリジナリティ&センス溢れるものを創りたいじゃありませんか(自己顕示欲)!
ま、それはそれとして、これが企業やサービスだとしても

差 別 化 っ て 超 大 事 で す よ ね ?


この時期(どころか自分の年賀状の準備をする10月くらいから)世の中の日本人はうんざりするほどNEW YEAR'Sビジュアルを見ています。さらにそれを何十年も繰り返して見飽きています。
伝統芸能的、変わらないからこそ良いってのはありますが、どこにでもありそうな見慣れたものってそれなりの価値に収まってしまうので差別化が難しいです。

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■3.どんなメッセージを込めるか?

きれいだったりかわいかったりだけでメッセージを込めないと言う方法もありますが、私個人はコンセプトがはっきりとしたなにか見た人に刺さるものを創りたいと言う思いが強いです。

今年は特に自分にとって新たなチャレンジをしていこうという意識が高かったのでぴったりなコンセプトはないかと探していました。
「メッセージを込める」≠「そのまま言う」ではないので

一見きれい(かわいい、かっこいい)、今っぽくて、
でも言いたいことが隠されている


というバランス感が好みです。(暗喩とかメタファーってやつです)

さてここまでは連想ゲームというより基本方針を決めるという感じでしたね。長くなったのでいったん終えて次回に続きます。

Thanks for reading!

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